【天王寺舞楽】今日行ったコンサートの感想:令和03年(2021年)09月18日(土)【聖徳太子千四百年御聖忌】
第一部【秦姓の舞】
〈蘇莫者〉
猿のお面が怖い。ギョロっとしてる。聖徳太子伝説に基づいて、「京不見御笛当役(きょうみずのおふえとうやく)」という役目の人が脇で龍笛を吹く。舞はタタタッと前に来たり後ろに行ったりが印象的。髪が長えな。
〈採桑翁〉
翁のお面が怖い。生々しいおじいさん。人の肩に掴まってよろよろと舞台上にやってくるおじいさん。鳩の飾りが付いた杖を持っている。活き活きとして堂々と、という感じでは全くない。たしかこの曲、「舞うと死ぬ」という伝説が無かったか? 楽団の中でも最長老が舞うことになってるから、結果として死期が近い人が舞うことになるっていうだけなんだけれども。
第二部【聖霊会の舞楽】
〈行道~一曲〉
楽人が行列してやって来る。にない大鼓、にない鉦鼓がデカい。前と後ろで駕籠のようにやって来る。先頭の人が、左方と右方で別々の小さな太鼓を持っていたのだが、それを持ったまま舞う。叩きながら舞う。
〈蘇利古〉
雑面をした舞人が5人で舞う。これは珍しいことだそう。雑面、好きなんですよね。あの抽象化された顔。怖い。面白い。『千と千尋の神隠し』にも出て来たよね。
〈陪臚〉
吹いたことあるけど、あれは管絃吹きだった。今日は舞楽吹きなので夜多羅拍子(5拍子)。ああ、そういえば今日の主役は舞楽なので、弾きもの(絃楽器。箏と琵琶)がいないんですね。私は大編成趣味なので、管絃舞楽を期待してしまう。舞人は鉾と盾を持って登場。更に剣も抜く。勇ましい舞い。聖徳太子が戦勝祈願に吹いた曲ですって。対になった舞人が、盾を互いに寄っ掛からせて立てて置くのが面白かった。
〈長慶子〉
源博雅(延喜18年~天元03年〈918年~980年〉)が千年前に作曲した曲。私も千年先に演奏されてえよ。
見もの聞きものとしても面白かったし、いろいろ勉強になりました。太鼓がどんどんと強く打ってたのが印象に残りました。羯鼓も面白かった。「左、左左左左……、右!」という打ち方を間近で見られて良かった。鉦鼓はよく聞こえなかったわね。
四天王寺の石舞台は大きく、そして観客が遠いので、繊細さよりもダイナミックさを求めた舞になって行った、という解説が印象に残りました。私はまだ東京楽所しか聴きに行ったこと無いけど、宮内庁や伶楽舎にも、それぞれ特色があるのかな。