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蛆と紡ぎ


さらさら、君の長い髪が綺麗に靡く
僕の両手いっぱいに君の愛情が欲しかった

ひらひら、君の首元の
リボンが華麗な音を立てて揺れている
僕はそれが愛おしかった


最低な恋です
最低、自分を亡くしてしまうくらい、
最低で最高な恋

それくらい僕にとっては完璧で、
でも本当は不完全で、未熟で、曖昧だから
それに引っ張られてしまいます

語彙を失うくらいに僕はそれが欲しかった
君の柔らかく笑うその心が欲しかった
僕だけのものにしたかった
僕が一番でありたかった

そんな思いが万華鏡のように、
ぐるぐるぐるぐる、目を回すのです

愛に正解などない
なら僕の手のひらを覆い尽くすほどの
君を思って溜まった蛆は正解ですか?

君を困らせるほどの両手いっぱいのドロドロを
君の顔に塗ることは

世界に終わりなんてないのです、きっと
僕らの命が終わるだけで
だから僕らは紡ぐのです
ただ僕らを終わらせないために

君の髪が愛しかった
手に取り香りを嗅ぎたかった
その暖かい香りにつられてゆっくり瞼を下ろしたかった

僕の心はいつまでも君の元です
君が忘れてしまっても
君が灰になってしまっても

それを愛と呼ぶのでしょうか

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