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愚弟

寂しい
可哀想な振りして泣いてる私は悲しい

君との思い出をいちばんつらいできごとにして、バランスを保たないと生きていられない

虚しい
優しそうな振りして手招きをする君は卑しい

欲しいものは手に入れないと気が済まない
君が気持ち悪い

詩ではこんなに吐けるのに
君が塗りつけた毒をこんなにも丁寧に塗り返すのに、そこに君は居ないのです。

私は虚しい。酷く虚しい。
こんな詩しか書けないことも、君が居ないと立てないことも
酷く滑稽で虚しい

人生最後に思い出すのが君の顔じゃなければ
それはそれは幸せ
でももし君に会いたいと思ってしまったなら、
とびっきり虚しい

きっと誰よりも可哀想な人になる

答えのない答え合わせ
埋まるはずないパズルのピース
廻らない歯車
どれをとっても歯痒くて、纏まらない

負けた
私は君に負けた
男と女じゃなければきっと君に勝てたのに
でもきっと
男と女じゃなければ互いに惹かれ合うこともなく、ただ通り過ぎ、思い馳せることもなし

負けた、という表現は正しいのか分からないが、君に適わなかったのは事実だ

君を読むはずが、君に読まれた
読まれることを嫌う私にとって貴方は
最悪のご馳走だった

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