只の変態です

只の変態です

記事一覧

犯行声明

この讒言の目を開いたら 僕は声を失うだろう パクパク、パクパクと口をあけた金魚のように 長い鰭を見せびらかすように じっくりと手間隙かけた青い果実を 君はいま一齧り…

塵
2か月前
1

あなたの目の中にある優しさは 炎は 魂は どれだけ柔らかくて温かくて寂しいのだろう 融けた鉄が手に落ちた 指の間を流れていった 庇っても庇っても垂れ零れていった そ…

塵
10か月前

僕は1人では生きられないと 君は言う 僕は1人でしか生きられないと 僕は言う さらさら 流れる雲を待て とろり蕩ける宇宙の目 触るだけで壊れてしまうそんな脆い心が 温度…

塵
10か月前
1

教典

触ったものから艶やかな蜜が垂れた。 絡まった蜘蛛の糸が太陽を恋しがるように 触った心から溢れた多幸感が涙を流した 認めて欲しいわけじゃないけど 赦して欲しいわけじ…

塵
1年前
1

雲と蜉蝣

私は寂しいです 独りぼっちの楽園で 愚かで虚しい戦争を繰り広げている 例えばほら、あの雲と蜉蝣みたいに ゆらゆら空を飛んで行けたら さわやかな風を吸い込んで、今より…

塵
2年前
1

神殺し

無駄だ、無駄だよ。 他人(ひと)から見た自分なんて、定まりがないんだから。 顔色を伺っても、言いたいことを呑み込んでも 誰かには嫌われるんだから。 サテンの生地の針…

塵
2年前
3

書けない 詩が
しょうもない自分が気に食わない

塵
2年前

愚弟

寂しい 可哀想な振りして泣いてる私は悲しい 君との思い出をいちばんつらいできごとにして、バランスを保たないと生きていられない 虚しい 優しそうな振りして手招きをす…

塵
2年前
1

蛆と紡ぎ

さらさら、君の長い髪が綺麗に靡く 僕の両手いっぱいに君の愛情が欲しかった ひらひら、君の首元の リボンが華麗な音を立てて揺れている 僕はそれが愛おしかった 最低な…

塵
2年前
4

選択(小説)

3/0 したいことを聞かれた 特に無いと答えた 友人は酷く困った顔をした 3/1 したいことを聞いた 美味しいものが食べたい、ゲームがしたいと君は言った。 をれは思った。な…

塵
2年前
1

詩ってか醜態

塵
2年前

らしくない詩を書いてしまったわ

塵
2年前

拝啓 君も痴女

恥ずかしい ねぇ、とっても恥ずかしいよ 君が僕を診ることが そんな目で見ないでほしい きっと痴女だとばれてしまう 痴女だとばれたら、 嘲笑う?それとももっと欲しく…

塵
2年前
4

毒素

きみの心臓はなに色? 君の血液は?ドクドクと長れるその青い色はなに? 君の目をみた なにも知らない目を 本当は滅茶苦茶に壊してやりたいけど おめでとう、君は勇者だ …

塵
2年前
9

去年よりもずっとギラギラと光ってる

塵
2年前

毒吐きの子

作品は魂だ。 だから、作品を創ることはビジネスだと言いきったあいつは地獄に堕ちました。 仕事なんてものに人生を支配されてたまるか、 あんたらみたいな詰まらない人間…

塵
3年前
3
犯行声明

犯行声明

この讒言の目を開いたら
僕は声を失うだろう
パクパク、パクパクと口をあけた金魚のように
長い鰭を見せびらかすように

じっくりと手間隙かけた青い果実を
君はいま一齧りしました
蕩けた思考の中で今何を思うのでしょう

美しく並んだ文の最後には、
必ず敬具をつけるのです
きみの手枷になるように

音がする方へ歩いていく
ゆっくりゆっくりでも確実に
魂の響きに気づいた時
君はそこには居ないでしょう

もっとみる

あなたの目の中にある優しさは
炎は
魂は
どれだけ柔らかくて温かくて寂しいのだろう

融けた鉄が手に落ちた
指の間を流れていった
庇っても庇っても垂れ零れていった

それを優しく守ってくれる誰かが
君にはいつか現れるだろうか
それは僕だろうか
僕の知らない誰かだろうか

早く君と世界を交えないと
ずっと遠くへ行ってしまいそうなんだ
この地球を飛び越えて
宙の彼方へ攫われてしまいそうなんだ

きみは

もっとみる
性

僕は1人では生きられないと
君は言う
僕は1人でしか生きられないと
僕は言う

さらさら 流れる雲を待て
とろり蕩ける宇宙の目
触るだけで壊れてしまうそんな脆い心が
温度が、堪らなく愛おしいのです

空中にぶら下がった甘味が
君を駄目にしてしまうのをぼく達は
遠くで見守る他ないのです

大好きが砂糖菓子みたいに甘いのは
さよならが苦くて飲み込めないのは
この世の外側に触れたら
あの夕日に触れたら君

もっとみる
教典

教典

触ったものから艶やかな蜜が垂れた。
絡まった蜘蛛の糸が太陽を恋しがるように
触った心から溢れた多幸感が涙を流した

認めて欲しいわけじゃないけど
赦して欲しいわけじゃないけど
衝動で生きてたいそれだけでも
今日も賢い板が要らんものまで連れてくる

泡を吹き出した口から零れた言葉は汚くて
最後の手向けにはできない
触ったものから何でも吸い込んでしまう
人間は弱いから

強くあろうとすればするほど

もっとみる
雲と蜉蝣

雲と蜉蝣

私は寂しいです
独りぼっちの楽園で
愚かで虚しい戦争を繰り広げている

例えばほら、あの雲と蜉蝣みたいに
ゆらゆら空を飛んで行けたら
さわやかな風を吸い込んで、今よりもっと遠い場所へ
見るところは希望の朝
眠るところは微睡む月の影

君の可哀想な顔を見て
私も可哀想な気がしてならなかった
それでも君の方が幸せそうな気がして
とても悔しくて堪らなかった

君と居ると短絡的な言葉しか出ない
君と居ると

もっとみる

神殺し

無駄だ、無駄だよ。
他人(ひと)から見た自分なんて、定まりがないんだから。

顔色を伺っても、言いたいことを呑み込んでも
誰かには嫌われるんだから。

サテンの生地の針山に
縫い広げられた海の絵に
僕らは地図を広げた
何処へでも行ける気がした

夜に呑まれた僕の腹の中の蟲が蠢き出す
夜を知った君の綺麗な涙が頬を伝う
光る涙が夜空に伝って
流れたらきっと星になる

君の顔を塗りくったその孤独を知りた

もっとみる

書けない 詩が
しょうもない自分が気に食わない

愚弟

愚弟

寂しい
可哀想な振りして泣いてる私は悲しい

君との思い出をいちばんつらいできごとにして、バランスを保たないと生きていられない

虚しい
優しそうな振りして手招きをする君は卑しい

欲しいものは手に入れないと気が済まない
君が気持ち悪い

詩ではこんなに吐けるのに
君が塗りつけた毒をこんなにも丁寧に塗り返すのに、そこに君は居ないのです。

私は虚しい。酷く虚しい。
こんな詩しか書けないことも、君が

もっとみる
蛆と紡ぎ

蛆と紡ぎ

さらさら、君の長い髪が綺麗に靡く
僕の両手いっぱいに君の愛情が欲しかった

ひらひら、君の首元の
リボンが華麗な音を立てて揺れている
僕はそれが愛おしかった

最低な恋です
最低、自分を亡くしてしまうくらい、
最低で最高な恋

それくらい僕にとっては完璧で、
でも本当は不完全で、未熟で、曖昧だから
それに引っ張られてしまいます

語彙を失うくらいに僕はそれが欲しかった
君の柔らかく笑うその心が欲し

もっとみる
選択(小説)

選択(小説)

3/0
したいことを聞かれた
特に無いと答えた
友人は酷く困った顔をした

3/1
したいことを聞いた
美味しいものが食べたい、ゲームがしたいと君は言った。
をれは思った。なんだ、同じじゃないか。
つまらなく感じた、だけど何も言わなかった。

3/2
ひとつだけしたいことがあるとおもった。
世界をひっくり返したいと思った。
人も、海も空も、草も動物も
全部ひっくり返してみたいと思った。
そう言うと

もっとみる

詩ってか醜態

らしくない詩を書いてしまったわ

拝啓 君も痴女

拝啓 君も痴女

恥ずかしい

ねぇ、とっても恥ずかしいよ
君が僕を診ることが

そんな目で見ないでほしい
きっと痴女だとばれてしまう

痴女だとばれたら、
嘲笑う?それとももっと欲しくなる?
ねぇもっと知りたい
君はなに色で笑うのか教えて

君のいろを口に含んでゆっくり味わったら
少し紅くなる
とても面白い、短絡的で、とても滑稽だ
素直すぎて笑ってしまうよ
どろどろとしていて、きっと無様だ
そういうところが好き

もっとみる
毒素

毒素

きみの心臓はなに色?
君の血液は?ドクドクと長れるその青い色はなに?

君の目をみた
なにも知らない目を
本当は滅茶苦茶に壊してやりたいけど
おめでとう、君は勇者だ

青い夕日に赤い海を見て僕はこう思いました
あぁ、なんて極端なんだろう
なんてつまらない
こんなにはっきりされちゃあつまらない
追いかけようとも思いません

でもその夕日と海の融合の美しいこと
僕は両手で顔を覆いました
あぁ、なんて馬

もっとみる

去年よりもずっとギラギラと光ってる

毒吐きの子

作品は魂だ。
だから、作品を創ることはビジネスだと言いきったあいつは地獄に堕ちました。

仕事なんてものに人生を支配されてたまるか、
あんたらみたいな詰まらない人間に時間を割いてたまるか、
心に人生に価値を付けられてたまるか。

そう言いきった僕はもっと深い底に堕ちました。
汚れた顔を拭ったら真っ赤な泥が塗られていました。毒を吐く度増えていき、いつしか拭いきれなくなってその泥に溺れて死ぬらしい。

もっとみる