クリニック経営者から見た【儲かる診療科2019】

2019年以降、これから儲かる診療科は、結論としては、整形リウマチ・美容外科・美容皮膚科・肛門科・静脈瘤治療・訪問診療・透析・フリーランス麻酔科・私立病院のヒマ科 です。

特にポイントとして強調したいのは、「近隣の基幹病院にない治療ができるクリニック」ということです。​

美容外科が儲かるというのは、やはり鉄板でイメージ通りだと思います。

平成の時代も美容外科は儲ける事ができましたが、令和の時代になりさらに加速度的に収益を上げていくことなります。

なぜなら、スマホの画像加工アプリで整形後の自分を手軽にイメージできるようになるからです。

また、AI(人工知能)が発達することで内科系の仕事が減り、手作業が重視される時代が来るからです。

AIでできる仕事はAIがやるように変わってきます。

テクノロジーと医療分野の融合はいつも決定が慎重になり、技術の導入が他の分野より遅れますが、必ずAI時代が訪れ、外科系の価値が高まってきます。

今後は、一般の職業でも、AIでは代用できない、芸術家という職業の価値が高まると言われています。

手作業かつ芸術の要素が必要な美容外科は、今後さらに「儲かる科」となっていくでしょう。

また、少子化の日本では、未婚の人が増え、自分にお金をかけるようになっていきます。

そうした時に自費診療はさらに受け入れられやすくなっていくと思います。

美容外科は令和の時代になぜ伸びる?

・スマホの画像加工アプリで、整形後の自分を手軽にイメージしやすい

・人工知能の発達で、手作業・芸術分野が重宝され、美容外科はそのいずれの要素も持つ

・独身のライフスタイルが当たり前になり、自分にお金をかけるようになる

美容皮膚科は都市部から田舎まで選択肢が広い

美容外科は結局、都心部でしか成功しません。

田舎で美容外科のクリニックがあったとしても、骨を削ったりする大きめの手術となると、やはり都市部のクリニックへ行きます。

そんな中、田舎や郊外でもクリニックとして大成功できる可能性があるのが美容皮膚科です。

基本は皮膚科の保険診療なので、近隣に皮膚科さえなければ、1日100-200人といったある程度の患者数は確保できます。

その多くの保険診療の患者さんの単価を美容部門で上げていくイメージです。

また、皮膚科なので、小さく低リスクで開業できる事も魅力です。

まずは部屋数だけたくさん作って、「歯科診療方式」でやっていくうちに、ひとつひとつ美容の機械を導入して施術をしていけば、少ないリスクで手を広げていったり単価を上げていくことができます。

田舎に実家があっても、実家の近くで無難に開業できますね 助手ちゃん
ごま氏 美容外科は都市部で開業することが必須になるけど、美容皮膚科は都市部・駅ビル・郊外・田舎と、開業する場所の選択肢が広いよね
内科・皮膚科で収益を上げたいのなら、歯科診療方式を学ぼう
肛門科はなぜ儲かる?
肛門科というと消化器内科よりも規模が小さいイメージを持つと思います。

ただ、消化器内科よりずっと儲かります。

それは保険診療に秘密があります。

消化器内科で儲かる秘密は、内視鏡のポリープ切除です。内科の一般診療はそんなに儲かりません。

つまり消化器内科で収益を上げるには、内視鏡検査・ポリペクの件数を増やすしかないのです。

消化器内科に受診して、当日いきなり「カメラやりましょう」だとびっくりしますよね。

その点、肛門科は、受診理由がだいたい下血なので、当日いきなりの「カメラしましょう」が受け入れやすいんですね。

そしてポリープがあればポリペクもできます。

来る患者さんのほとんどがカメラになる点で、肛門科は効率良く収益を上げる事が可能なのです。

またポリペクの点数は非常に高額であり、下がりません。

これは保険点数を決めている機関に対して、数の多い消化器内科は要望が通りやすいので、ポリペクの点数がなかなか下がりません。

ポリペクは、言わば「保険診療における聖域」なのです。

内視鏡がどのくらい費用対効果(経費に対する収益性)が良いかをMRIと比較してみました。

儲かりそうな医療 胃カメラ 大腸カメラ ポリペク MRI
1回分の売り上げ 1万 1.5万 5-7万 2万
初期投資 数百万 数百万 数百万 1億
年間ランニングコスト 数十万 数十万 数十万 500万
必要な職員 看護師 看護師 看護師 放射線技師
MRIは、磁場が安定するようにMRI室のシールド工事をしますが、それだけで1000万くらいかかります。

またMRI自体も数千万かかります。そしてメンテナンス費も年間500万かかり、電気代も1か月20万くらいになります。

そして放射線技師も雇用せねばならず、MRIは初期費用・ランニングコストともにかかります。MRIはものすごい金喰い虫です。

それに比べて内視鏡はやはり低コストで導入でき、ランニングコストも安く、低リスクで大きなお金を生み出してくれる機械なんです。

肛門科で開業ならここを押さえよう

大腸カメラ・ポリペクで収益化するイメージをもつ
昼休みに痔の手術
MRIをたくさん撮影する施設の方が収益が高いイメージでした 助手ちゃん
ごま氏 MRIよりも内視鏡、特に大腸カメラとポリペクに特化することが低コスト、高利率を達成できるよクリニックの王様は整形リウマチ
保険診療のクリニックの王様は何と言っても整形リウマチクリニックです。

整形の患者数が多い事に加え、専門性の高いリウマチで幅広い痛みにも対応でき、特別な治療も多いです。

これでブロック注射もできれば体がもたないくらいの患者数が押し寄せてきます。

まだ科を迷っている学生さんや研修医の先生方は、開業の失敗が少ない整形外科がおすすめです。

そしてリウマチを専攻し、リウマチ因子(RF)陰性のリウマチを診断して生物製剤を使いこなして除痛してあげることが開業後の集患につながります。

余裕があればブロック注射をぜひ学びましょう。

ブロック注射はクリニックの収益化と直結し、ちょっと痛みの治療が得意なクリニックでも内服とトリガーポイント注射ばかりで、ブロック注射はやっていないところが多いのでしっかりと差別化できます。

整形で開業ならここを押さえよう

リウマチを専門にする
ブロック注射をできるようになる
痛みをとってあげられる科が重宝されるんですね 助手ちゃん
ごま氏 除痛の選択肢で、ブロック注射はクリニックでできる最も大きな武器だからね
近隣の基幹病院でブロック注射をあまりやっていないのなら、近隣からどんどん患者さんが流れてくるよ

下肢静脈瘤治療のクリニックも穴場
保険診療で外来手術をして収益化を計るのは、下肢静脈瘤の治療のクリニックです。

今はカテーテルによる静脈瘤治療も行われていて、保険点数も1万点を超えていて、1日数件やるだけでOKです。

大きな手術室も不要で、小さな部屋で手術ができます。

道具はエコーがあればOKです。血管撮影装置は不要です。初期投資も抑えられます。

患者さんを手術まで導くまで(特に受診まで)が大変ですが、一度クチコミが広がれば、大きな収益が見込めます。

都市部向きの仕事でもあり、ビル開業も可能です。

患者さんを集めるのが大変そうです 助手ちゃん
ごま氏 静脈瘤治療に特化して予約を固めて効率よく手術すれば、もうひとつつ別の仕事ができるくらいの時間が作れるよ
専門性の高いクリニックは少ない患者数で生き延びれるか?
訪問診療を小さなオフィスでやるのも正解
これも良いやり方です。

今後、保険診療は訪問診療に有利に変わってきます。

国の方針としても、医師は各家庭へデリバリーされ、普通なら病院へ入院する患者さんを、家で看ることになっていくでしょう。

つまり、看護師さんの仕事を、家族のひとが行い、ドクターが時々 往診へ行くというイメージを国は持っています。

まだ元気な60代、70代はクリニックに通院するパターンは変わりありませんが、80代、90代ではこのような診療スタイルが普通になっていきます。

往診や訪問診療はドクター1人では無理です。

なので、地域で複数人の先生と組んで患者数を増やしていく形になります。

特別大きな診療所や機械は必要ないので、事務所程度のサイズで、規定を満たしていればすぐ開業できます。

往診を専門にするのは低コストで、かつニーズに沿っており、非常に合理的なのです。

失敗してもすぐに撤退できるし、仮に撤退した時に困る患者さんが多いイメージがあると思います。

困る患者さんが多いイメージがある、ということはニーズが高いということであり、そもそも潰れませんから安心してください。

往診専門の開業

低コストで始められる魅力を十分に生かす
仲間を集めて副業にしてもらう
患者さんが多くても認知してもらうのに時間がかかりそうです 助手ちゃん
ごま氏 そもそも内科だから患者さんの増え方は極めてゆっくりだね
のんびりと周知されていくイメージだね

まとめ
これから儲かるのは、やはり美容外科
美容外科のリスクに抵抗あれば、美容皮膚科
保険診療の王様は、整形リウマチクリニック+ブロック注射
下肢静脈瘤の治療や往診クリニックをしつつ副業もこなすのもあり

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