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内側に潜る

気を抜くと、すぐ内側に潜ってしまう。

心のなか。自分の内側、奥深く。

ぶくぶくと、息をこぼしながら、どこまでも。

「わたしはどう思っている?」

「なにを感じた?」

「ほんとうは、何がしたい?」

でも、潜ってたどり着く先は、いつも代り映えしない。

おなじ感情、おなじ悩み、おなじ気づき。

ずっと、おんなじところを行ったり来たりしているような、そんな気分。

たまには、違う景色をみたいなぁ、なんて思う。

そのためには、どうすればいいだろう?

やっぱり、なにか新しい刺激が必要だろうか?

自分の”外側”にあるもの。

起こったこと、出会った人や物。

それらに、もっとちゃんと目を向ければ、なにか変わるだろうか?

アンテナを張り巡らせて、感受性の器からこぼれるくらい、何かを感じればいいのだろうか?

それとも、もっと大胆に、いろんな刺激に出会ったほうがいいんだろうか?

自分とは真逆のタイプの人と友達になってみる?

自分探しの旅に、インドにでも行ってみる?

日本からでたこともないわたしが?

いや、そもそも今のご時世じゃムリか・・。

なんて言いながら、結局家にいる。

ぬくぬく、あったかいこたつに入りながら、気づいたら、また潜っている。

心のなか。自分の内側、奥深く。

「今日は、どんなことを思った?」

「どこか違うところにたどり着けるだろうか?」

「それとも、またおんなじところかな」

そんなことを思いながら。

外側の光が届かないところまで。

どこまでもいってしまう。


わたしは、ほんとうに新しい景色がみたいのだろうか?

みなければならないような気がしているだけかもしれない。

新しい感情。新しい悩み。新しい気づき。

新しい自分・・とか、そういうやつ。

見つけなければいけないような気がしている。

でも、じゃあ、「いまここにいる自分」はどうすればいいのだろう?

古いとか新しいとか関係なく。

自分はもう、ここにいるのに。



そんなことを、考えずにはいられない。

どこまでも、どこまでも、潜って。

光のない、静かな心の底で、いつまでも揺蕩っている。







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