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おじいとファイティン②

そんな訳で、ここからの続き
なぜそんなにおじいの言葉に対して自分は腹が立ったのだろうかと
意識を広い目に広げて遠くから秘行的に見てみる事にしました。

「おい、モシモシ、お前わかるか?こいつの言うてる事」

ここが引っかかっているのに気付きました。
誰かに同意を求めて一緒にバカにしようとする意地悪さ。

普通に
「わからないからもう一回言って欲しい」

と言われたら気を取り直して話したはず。

人を意地悪でしか気を引けないおじいの癖はわかってるはずなのに、
その日のそのタイミングの言葉は剣がむき出しになって
胸に突き刺さってきました。

一瞬意識が遠い記憶に届いて、またチクリ。ときました。

意地悪で気を引きたいのはわかるけど、
本当に傷ついた事は伝えよう・・・と決めて
気を落ち着けて、洗いあがったはずの洗濯物を干しに行きました。

無視はせずに、「チャオ!」だけ発してみたら
向こうからもぎこちない「チャオ」が。

ブツブツブツブツなにか独り言を繰り返していて、
どうやら落ち着かないらしい・・・。

天気があまり良くなかったのでおじい宅のバスルームにある
物干しに洗濯物を干していたのだけど、
靴下を組み合わせたり、
丁寧に広げて干していたらどんどん気持ちが落ち着いてきました。

そして、

「おい、モシモシ、お前わかるか?こいつの言うてる事」

と、モシモシを巻き込んでいじめっ子のような態度をとった事が
すごく嫌だった事を伝えました。

いつも10年前よりも語学力が落ちていると指摘される事、
(なぜなら当時おじいが私に色々教えていたかららしい)
頭の中が完全に日本人の友達や日本に行ってしまっている事を
繰り返し繰り返し言われる事にも疲れたと伝えました。

そこで、一瞬おじいのたちばになってみると

「自分には全然頼ってくれていない」

おじいなりの憤りと深い寂しさを感じました。

そうか!
そうだったか・・・。

「いつまでもなかなかイタリア語が出来ない私で申し訳ない・・・
でも、いっつも怒られてばっかりで意地悪言われたら
寄り付きたくなくなくなるし、うっとおしいねん。
日本人の友達と話すことで安心出来たからそうしてた。」

と、話すと、

「誰かに同意を求めるような言い方は意地悪で言ってたと思う。
これからは言わないようにする。
慌ててなければきっと俺もわかったかもしれん。でも、語学力の低下はお前がイタリアの生活から逃げてるからや。徐々にでええから巻き返せばええやないか」

と問題指摘と共に反省も含んだ答えが返ってきて、そうやねぇと納得。

「で、懇談は付いてきて欲しいんか?どうやねん」

といけずな顔で言ってきたので

「あんたが来たければ来てもええで」

と上から目線で答えて

「行くわ・・・」

ってなことで、お昼に設定された懇談に行くことに・・・。

英語の先生のムスメへの評価は今までを抜きん出るもので、
おじいが懸念していた
「ドイツ語が難しすぎるのでは?」という質問にも

「彼女ほど語学を愛していれば、基礎から学べば全く問題ありませんよ!」

と太鼓判を押してもらえました。

ホッ・・・。

これで全員一致で学校が決められそう。

お前らの決めることには口は出さん!!!と毎日3回は言うものの、
おじいの口癖ですが一番気になっているのが私ら3人へのツッコミ。

これからもまた色々あるんやろうなぁ・・・(ガクッ)

さて、帰ろうかと車に乗り込むと

「ほんで、お前はまだ車を運転しようという意思はあるんか?」

「オートマが嬉しいけど、マニュアル運転できたらイタリアのどの車も運転できるからなぁ、
そりゃああるよ!」

「今日は運転免許証持ってきてるか?」

「常にあるよ、ほら」

と、見せると、家じゃない方向へ車が動き始めて、町中の自動車学校へ・・・

来週は都合が合わなかったものの、再来週のレッスン日が決まりました。

去年の春に「いつか俺の車を運転出来るように自動車学校行ってレッスン受けるように!!!」

と、言われてそのままになっていたのが今になって動き出しました。
しっかりと話し合うことで関係が新たに構成されてゆくのを実感出来た出来事でした。

いよいよ・・・イタリアでの運転練習始めます!

イタリア語とイタリアでの運転。
葛藤とともにひらりと乗り越えてゆきたいと思います・・・

サポート頂けたらすご〜く嬉しいです。 言葉にできないほどに。