文章友だちへの手紙
ここで立ち止まり読んでいると、
たくさんのいろんなガラス瓶が
ただよっているように見えます。
ガラス瓶に入った手紙。
それをひろって、読んでいる。
読ませてもらって
いるのだなあ、と。
そうやって、見つけた
あるひとがいました。
*
私はあなたの文章が好きでした。
でもこの海に、あなたはもういない。
別の海に行ったけれど、そこにもいない。
あの時、教えてくれてありがとう。
お返事くれて、ありがとう。
元気にしていますか。
あなたの書く言葉、写真。
モノを大事にしているところ。
仕事や子どもや自分自身、
いろんなことに対する向き合い方。
映画が好きで大事にしているところ。
なんでか、本当に。
分からないけれど。
好きでした。
不思議と、読み終えた時に、
私の感情が整う感覚がありました。
さーて、私もやることやろう、と。
自分の中から力がわいてくるのが
本当に不思議でした。
好きだ!と言われて、
こまったかもしれませんね。
ある日の「辟易」という言葉。
「なにか嘘くさい」と言った言葉。
それは、私に
言っているわけではない、
と言ったけれど。
そうかもしれない、と思って。
それがずっと引っかかって。
魚の口に引っかかったままの
針があるわけで。
うーんと思いながら。
でも、この言葉は
自分自身を問うために、
大事にしたい、と思っています。
きっと、
あなたの世界を今日も
大事にしていることと思います。
小説は少し読むようになりました。
小説って読もうと思えば、
読めるものだと知りました。
魚住直子さんの作品がおもしろくて、
最近読んでいます。
児童書ではあるのですけど、
忘れていたあの頃の気持ちに
ふれられるようで、好きです。
*
もうこの海に、
ふらりと遊びに来ることは
ないかもしれませんね。
でも。ふっと思い出して、
来ることがあったならば。
そう願って、書いています。
9月うまれのあなたへ。
お誕生日はいつなのか、
分からないけれど。
9月になったら、
「おめでとう」を伝えたい、
ずっと思っていました。
お誕生日おめでとう。
9月うまれの文章友だちへ。
あの時の言葉を、
読ませてくれてありがとう。
これはずっと変わらずに
思っています。