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サン&ムーン

腕時計はデジタルよりアナログだと思う。子どもの頃からそう思ってきた。中学生の頃、機嫌がよかった母親が、いきなり腕時計を買ってプレゼントしてくれたことがあった。ちょうど、デジタル時計が出始めた頃で、プレゼントされた腕時計もデジタル時計だった。態度や言葉には出さなかったけれども、がっかりした。それでも学生時代はその腕時計をはめて生活した。

勤めるようになってから、街の雑貨屋さんなどで売っている安い腕時計をよく買っていた。そんな中でも、盤面に昼は太陽の表示が出て、夜は月の表示が出るものが好きだった。たとえば拉致されて、真っ暗な部屋に100時間監禁されるとする。時間の感覚を失ったとしても、太陽と月の表示があれば、午前3時か午後3時かがわかる。

最近、高い腕時計を買った。高いと言っても1万円くらいだが。少しいい時計を持ってみたかった。もちろん、太陽と月が出てくるやつだ。あるとき、いつもは1秒おきに進んでいる秒針が、2秒おきに進んでいた。壊れたのかと思い、検索して調べた。「秒針の進みかたが変な動きの場合は、電池交換の時期という事が多いです」ということらしい。

近所のイオンの「めがねととけい」のお店に行き、腕時計の電池交換を頼んだ。20分ほどかかるといわれたので、腕時計を預け、イオンの店内をみてまわった。GUに行き服をみていたら、エヴァンゲリオンと攻殻機動隊のコラボのTシャツがあったので、買おうかどうか悩んで、またの機会に買うことにした。ロッテリアに行き、冷たいコーラを飲んだ。20分たったので腕時計を受け取った。

ちゃんと秒針は1秒おきに時を刻んでいた。安心した。太陽と月が出てくるお気に入りの腕時計。

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