なかなか信じてもらえなくて苦労した話
うん。今日はこっち系でいこう。まぁ、いいじゃないか。激動の世の中、こんな小話でほっと一息。これもいいじゃないか。
まずは信じてみることが肝心だ。べつに騙してお金を取ろうっていうわけじゃないから、信じてみることが肝心だ。僕はお金がらみじゃなければ、基本に人の話は信じると「マイルール」に書いてある。どんなに嘘くさい話でも、相手がそう言っているのだから、そうなんだな。と信じるようにしている。まずは信じてみることが肝心だ。(しつこさ濃いめ)
べつに最後まで読む必要はない。一つだけでも信じてもらえれば、光栄である。
それでは初めていこう。
僕は現役合格だ
これは別に信じてもらえなくてもいいが、当時はひじょーーに苦労した。
大学入学時、ゼミに配属される。サークルやらを初めて友人も増えてくる。
大学には必ず浪人して、同期だが年上というメンバーがいるものだ。実際同じゼミの中にも、1歳上のメンバーもいた。なんと「3歳上」もいた。(今考えると随分苦労したはずだ。)
僕としては別に悪いことをしているわけじゃないんだから、どうでもいいと思っていた。ただ、これが全く無関係というわけにはいかなかった。
必ず僕に「疑いの目」が向くからだ。
「そういえば〇〇は現役なん?」
これである。
僕は「え、現役よ?」と答える。
すると決まって、「え〜嘘やん!」
とこうなるわけである。
無理もない。僕はいい意味では落ち着いていて、大人っぽかった。悪くいうと、老けていた。(涙)
こういう体験をしたことがない人にはわからない苦労だろうが、口だけで「年齢を証明する」のは結構難しいのだ。生年月日なんて口でなんとでも言える。同じ高校の同級生もいなかったので、証人もいなかった。
本当になかなか信じてもらえなかった。さらにお酒が入ろうものなら、さらにしつこくなる。
「いやぁ、分かるわかる。やっぱ浪人って言いにくいもんな。逆になんかごめんな。もう聞かないからさ。機嫌直してよ。」
こんなことを言ってくる始末である。
一見大人な対応をしているようだが、しっかり間違えている。そのアホヅラにこの焼き鳥の串でも突っ込んでやろうか!そんなことをいつも思っていた。
ただ程なくして、この悩みは解決する。
「運転免許証」だ。(そこまでするか)
水戸黄門で言う「印籠」である。
この完膚なき公的機関の証明により、一撃必殺で論破できる。
なんなら無言で「ほら」と見せれば一撃必殺である。(性悪!)
お詫びに何杯か酒を奢ってもらえたので、今となってはいい思い出である。
はい。ひかれましたけど、僕自身はひかれていませんよ?
車にひかれた時の話である。これも大学時代の夏休みの話だ。
僕はフラフラと自転車をこぎながら、近くのスポーツショップへテニスラケットを受け取りに向かっていた。片道30分の距離である。(田舎!!!)
途中の片側2車線の大きめの交差点を渡っていた。
すると、左側の視界に「違和感」があった。意識を向けるとなんと右折の車が今にも突っ込んで来そうな感じである。こちらに全く気がついていなかったのか、結構な勢いである。
「これはいかん!」(オヤジか)
安心して欲しい。僕はこんなこともあろうかと事前に「対策」を考えていた。(なんだそれは)
時を戻そう。(あ、パクリ。)
夏休みに入ったはいいが、大学生の夏休みは、本当に「夏休み」である。やることが本当に「なんにも」ない。
当時はバイトもしておらず暇だったので、テニスばかりしていた。テニスコートへ自転車をフラフラとこぎながら、途中こんなことを考えていた。
「もし車が突っ込んできたら、どう避けよう。」
これが本物の「暇」というものである。(ドヤるな)
まず、後ろから突っ込まれたら、これはもう避けようが無いから、後ろから車が来る左車線は走らないようにしよう。
前からなら、これは避けられるだろう。(自信家)
問題は横からである。超加速で避けることは難しそうだし、後方に自転車は進まない。これはどうしたものか。(暇か)
少し悩んだ末の結論は、「とりあえず上に飛んで、自転車だけひいてもらおう。そして車のボンネットの上に着地すればいい。」(スタントマンか)
これである。(まさか)
さあ車が突っ込んできた時、僕にはこれがふっと浮かんだ。というより多分浮かんだんだろう。無意識に体がそう動いた。(思い込みの力)
ただ、世の中そううまくはいかない。
足では上に飛んだが、右手がハンドルを握ったままだった。
車は自転車をひき倒した。僕は倒れた自転車の上に着地し、自転車と一緒に車に引きずられた。「スケボ」に乗っている感じだった。
車に直接当たったのは、「自転車のみ」で、身体は一切車に触れていなかった。
ただ、これをいくら説明しても、理解してもらえない。信じてもらえない。
警察だ。
僕は口頭の説明だけでなく、「エアーひかれ」までやって再現した。何も無いところで、自転車に乗っているふりをしてジャンプまでした。はたから見れば、非常に滑稽である。警察官も少し顔がニヤけていた。(許せん)
「ん?ということは君はひかれてないの?」
「いや、ひかれたと言えば、ひかれました。でも身体はひかれていません。」
「??」
「でも、自転車は傷ついてるよね?本当にひかれて無いの?」
「自転車まで僕の一部にするのならひかれましたが、僕の身体だけが僕なんだったら、ひかれてはいません。」(哲学か!)
「???」
これである。
結局諦めて、「ひかれたが、怪我はなし」で終わった。(初めからそれでよかったろう)
ただ、その後相手の人にテニスショップには送って行ってもらえたのでよしとした。さらにはほとんど無傷の自転車の代金まで保険でもらえたので、さらに良しである。今となってはいい思い出である。
確かに境目があったんだよ!
小学生の頃の話である。
田村君という友人がいた。田村君とは家が近くいつも遊んでいた。その時も鬼ごっこを二人でしていた。(それは鬼ごっこなのか?)
僕は逃げていて、田村君が鬼だった。
ただ、田村君。足が遅かった。
僕が本気で走ったら、すぐに遥か先に言ってしまう。
僕はあえて近づいて、近づいたらまた逃げる。というよく分からないプレイをしていた。
ある日のこと。その時も僕は逃げていた。(田村君が逃げるターンは一瞬で終わるので、僕が逃げるターンが圧倒的に多いのだ)
まだ幼かったので正確な距離感がないが、ギリギリ田村君の声が聞こえるくらいの距離まで離れていた。
僕が逃げていると、後方からいきなり田村君の声がした。
「うわあ、雨や!!」
「え?」
雨など一切降っていない。
何言ってんだ?と思いながら後ろを振り返ると、僕は驚愕した。
雨が降っている。
それも田村君のところだけ。どしゃ降りだ。
「雨の壁」みたいだった。
おそらく一瞬のことだったろう。その壁は僕の元にどんどん迫ってきて、すぐに僕はずぶ濡れになった。
僕は鬼ごっこのことなど忘れ、田村君に駆け寄った。
「田村君!今の見た!?」
「うん!俺も見た!!」
田村君には濡れているところと、そうでないところの境界線が、僕にどんどん迫っていくのが見えたようだった。
「すげーーーー!!」
僕らはテンション爆上がりで、それぞれ家に帰ると、親にハイテンションで話して聞かせた。学校の先生、他の友達にも話した。しばらくの間、毎日そのことを話していた。
ただ、誰も信じてくれなかった。その後も時折、「そういえば子供の頃さ!」みたいなノリで、話してみるが誰も信じてくれない。
少なくとも同じ経験をしている人とはあったことがない。
ただ、誰にも信じてもらえなくても、あれは思い込みや気のせいではなかった。二人で一つのことを同時に思い込むなど、ありえないし、証人がいるからだ。
僕には田村君が、田村君には僕が。
田村君は小学校高学年の時に、他所へ引っ越してしまったが、今もこのことを覚えているだろうか。
少なくとも僕は、今も鮮明に覚えている。
いかがだったろうか。
あなたにも僕のような「誰にも信じてもらえない話」はあるだろうか?
信じてもらえなくても、ネタとして話すと結構盛り上がるものだ。
真実はあなたの中に変わらずある。それでいいんじゃないだろうか。
それではまた。
お金はエネルギーである。(うさんくさい)