異世界ファンタジー・転生モノは作者にも読者にもメリットがある(再投稿)
書籍化、アニメ化を含め、今なろう系が爆発的に増えています。
その中でも群を抜いて多いのが異世界ファンタジーものです。
なぜ圧倒的な人気を誇るのか、作家目線と読者目線の両方から考えてみました。
◆作家目線で考えた場合
①設定が作りやすい。
②1話で読者を惹きこみやすい。
③ある程度のPVが期待できる。
◆読者目線で考えた場合
①設定がわかりやすい。
②主人公に感情移入しやすい。
③安心して読んでいられる。
ざっくりとこれらについて私の考察を述べたいと思います。
◆作家目線で考えた場合
①設定が作りやすい。
これは私も執筆していて感じることなのですが、設定が練りやすいのです。
世界観は読者を惹き付けるうえで重要な要素ですが、そこをいい加減にしてしまうと粗が目立ってしまいます。
異国に行ったのならその国の文化は?通貨は?言語は?その土地に根付いた歴史があったうえで人々は生活しているのです。
ただこれを考えるのは非常に大変で、少しでもミスがあったり、辻褄が合わないとひどく叩かれてしまいます。
それを手っ取り早く解決する方法があります。「そういう世界に転生した・召喚された」ことにしてしまえばいいのです。そのぶん作家はチートスキルの設定やキャラクター設定に注力することができます。
②1話で読者を惹きみやすい。
これはWeb小説という媒体だから起こりうることなのですが、私の考察でも述べているように、導線が全て1話に繋がっています。さらに読者は1話で続きを読むかどうか判断することから、1話の重要さはお分かりかと思います。
読者にまず世界観を伝えるために設定を長々語る展開は、読んでいる側は面白くないため途中で読むのを止めてしまいます。
しかし、異世界ものは「何かの理由で死んで何かスキルをもらって別の世界へ行き、そのスキルで大活躍する」という展開がほぼテンプレ化されているため、多少説明を省略しても読者がある程度理解してくれます。その分を別の描写に割けるため、作家としても非常に便利です。
③ある程度のPVが期待できる。
作家として活動する以上は、やはりPVは気になるものです。執筆するうえで、異世界ファンタジーというジャンルは非常に人気でファンも多く、他のジャンルよりも目に留まる機会が多いです。これは大きなアドバンテージです。
設定さえ読者に気にいってもらえれば、スタートダッシュを決めやすく、その後安定して読んでもらえる確率が高くなります。これは大きな強みです。
逆に読者目線で考えた場合はどんなメリットがあるでしょうか?
◆読者目線で考えた場合
①設定がわかりやすい。
異世界ファンタジーもの、と言われればだいたいどんなものか想像つくかと思います。それくらい人気で1つのジャンルとして確立されつつあります。難しい設定を一つ一つ覚えていなくても、なんとなくで理解できてしまうため肩肘張らずに気軽に読むことができます。
私はweb小説も娯楽と考えているため、気軽に難しく考えずに読めるのは読者にとっても大きなメリットだと感じます。
②主人公に感情移入しやすい。
マンガであれ、小説であれ、読者は主人公に感情移入して話を読み進めていきます。
異世界ものに多い、『普段は冴えないが特殊なスキルを苦労せず得られて無双してモテモテ展開』は、まさに現代の疲れた社会人にはこの上ない癒しだと考えます。
主人公が元社畜であったり元ニートであったり、もらえるスキルが異常に強すぎることが多いのもこういった時代背景が関係してると私は考えます。
③安心して読んでいられる。
異世界ものはいわば“水戸黄門”です。何か問題が発生しピンチになるも主人公のスキルや覚醒で一件落着する。圧倒的な差を見せつけるかのように事件を解決する様は読んでて気持ちが良く、脳内で快楽物質がどんどん分泌されます。
これがもし、毎回ギリギリの勝利だったり、長々と修行パートを読まさせられるとどうでしょう?
私は先ほども述べた通り娯楽であると考えるため、先の展開を安心して読める、読んでてスカッとできる異世界ものが好まれる傾向にあると考えます。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054898651063
他にも自分なりの考察を掲載しておりますので良ければご覧ください。
なろう系を自分なりに意識した小説も投稿しております。
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