
『在宅ワークで、手軽にできる! オンライン事務局の始め方 スモールサイズで自由に稼ぐ新しい働き方』第一章・無料全文公開
書籍『在宅ワークで、手軽にできる! オンライン事務局の始め方 スモールサイズで自由に稼ぐ新しい働き方』より、第一章「新しい働き方「オンライン事務局」とは」の無料全文公開!
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1.オンライン事務局ってどんな仕事?
「事務」というと、どんな仕事内容が思い浮かびますか?
みんなが知っているようでいて、具体的にどんな仕事内容かときかれると、きちんと答えられる人は少ないのではないでしょうか。
辞書を引くと「会社や役所で主に机上でする仕事」とありました。具体的な仕事の内容は記載されていません。
今まで、14年間で6社転々としながら、さまざまな規模・業種での事務職を経験してきましたが、具体的な仕事内容は、会社によってまったく違うことがほとんどです。経理ができることや、エクセルが使えることも、会社によっては重要ですが、それだけで「事務ができる」といえるかどうか、疑問が残ります。
本書では、個人または少人数でお仕事されている方々の、本来業務以外の部分、いわゆる「周辺業務」をオンラインで代行するという仕事を「オンライン事務局」としてお伝えしていきます。
具体的にどんな職業の依頼主がいるのか。オリジナルの肩書を名乗っている方がほとんどのため一律にはいえませんが、一般的な肩書に当てはめるなら、セミナー講師、コンサルタント、カウンセラー、ネットショップ運営、美容、習い事、などのサロン経営などが多いです。
さて、本来業務以外の部分というと、どんな内容になるのでしょうか。会社によって事務職の仕事内容が違うのと同じで、依頼主によって内容が変わってきますが、ここで今までの主な依頼内容を簡単にご紹介します。
・申込みフォーム作成(自動返信メールの設定)
・システムの初期設定
・セミナー受付(問い合わせ)対応
・入金確認
・納品書、請求書、領収書作成
・セミナーや懇親会の会場予約
・参加者一覧、顧客一覧作成
・予約スケジュール管理、リマインド
・メール返信代行
・SNS投稿作成代行
・掲載スケジュールの更新
・別SNSへの投稿の転載
・感想記事の作成
・リサーチ
・誤字脱字チェック
・文字起こし
・出張手配(ホテル、飛行機)
・会計ソフトへの入力(仕訳)
・セミナーアシスタント
・オンラインサロン管理
・セミナーやライブ配信のレポート
・物販サイトの管理
・マニュアル作成
その他、ここに書き出せないくらい小さな「事務」もたくさんあります。
想像していた事務のイメージではないものもあったかもしれません。特別なスキルが必要なものは少なく、中には「今すぐにでもできそう」と思うような仕事もあるのではないでしょうか。
2.オンライン事務局、向いている人・向いていない人
どの仕事にも向き不向きがあるように、オンライン事務局の仕事にも向き不向きがあります。会社員で事務職の経験があるからといって、向いているとは限りませんし、逆に事務職経験がなくても向いている人はいます。先ほどの仕事内容を見るとわかるように、「この資格があれば大丈夫」というものもありません。
では、どんな人が、向いているのでしょうか。
事務の仕事と一言でいっても仕事内容は多岐にわたります。厳密にいうと、その業務の内容によって向き不向きがあり、事務を代行する仕事をしている人は大きく二つのタイプにわかれます。
一つは、いわれたことをコツコツと遂行できるタイプ。単純作業やマニュアル通りに作業することが得意な人です。
もう一つは、丸投げOKタイプ。ざっくりな指示でゴールだけを示せば、あとは自分でいいように組み立てて、依頼主の求めている結果を提供できる人です。
どちらのタイプにも共通して必要な資質は、色々なことに気がついて想定できる細やかさと、少々のことではグラつかない心です。
色々なことに気づいて想定できる細やかさがなかったら、依頼主からの指示が抜けてしまうと、何もできないまま終わってしまうことになってしまいます。ファイル一つ作るにも、作った後どのように使用されるのか想像しながら作るのと、必要な情報が載っていればいいと思って作るのとでは、出来映えがまったく違ってきます。
少々のことではグラつかない心は、この仕事を長く続けていくために、意識して持ち合わせておくと心を軽やかにしてくれます。どうしてかというと、事務の仕事は性質上きちんとできて当たり前の作業ですが、人がやることなのでミスが起こりやすいからです。指示通りできて当たり前なので、セミナーの申し込みフォームを一つ作ったところで、「この申し込みフォーム、素晴らしいね! 天才!」などと褒められることは、めったにありません。
しかし、ミスをすると当たり前ですが指摘されます。仕事的にどうしても、自分自身の評価が加点ではなく減点になってしまうのです。もちろんミスはなくさないといけないし、どうしてそうなってしまったのか、今後それを防ぐにはどうしたら良いかを考える必要があります。また、謝るべきところはしっかり謝らないといけませんが、必要以上に落ち込んでしまうと、自己肯定感は下がっていく一方です。気持ちをうまく切り替えて仕事をしていけるようにしましょう。
他に向いている人の傾向は、新しいことに抵抗なく取り組める人、情報を検索などできちんと拾ってくることができる人。仕事を始めると、やったことがないこともたくさん出てきます。それを「やったことがないからできません」、「教えてもらってないからできません」と言っていては仕事が前に進まないので、やりながら覚えるくらいの感覚で取り組めることも大事です。
次に、オンライン事務局に向いていない人は、どんな人なのでしょうか。
基本的に裏方の仕事ですので、仕事で人前に出ることはありません。人に注目されたい、憧れられたいと思っている人や、自分を主張したいタイプの人は向いていません。だからといって、従業員思考で、仕事はずっとあって当たり前、やり方は教えてもらって当たり前、基本的にやってもらうのが当たり前、という考え方の人は自営業自体が向いていません。また、パソコン作業が嫌いな人も向いていないでしょう。
そして、これは資質ではなく仕事をする目的ですが、すぐにまとまった収入が確実に欲しい人も向いていません。「事務員を雇うほどの作業量ではないけれど、事務作業が苦手」という依頼主のお手伝いが多いため、依頼主一人からいただく金額はまとまった金額でないことが多く、依頼主の都合で急に終了となるケースもあります。すぐにお金が必要な人は普通にお勤めに行くことをオススメします。向いているのは、少しの時間でいいから社会と接点をもちたい。自分を活かせる場がほしい、仕事を通して自分の世界を広げていきたいと思っている人です。
3.今もっているスキルで始めよう
はじめにご紹介した仕事内容を見るとわかる通り、特別な資格などが必要なものはありません。パソコンが触れる程度という人でもできる仕事はたくさんあります。
中には、「こんなこと誰でもできるんじゃないの?」と思った人もいると思います。私もそんな風に思っていた頃がありました。
ちょうど会社に勤めていた頃、「強み」という概念を知らなくて「私ができるんだからみんなができるはず、できないのは努力が足りないから」と思っていました。
オンライン事務局の仕事を始めるようになってから、人にはそれぞれ「強み」というものがあるのだと知りました。「私は事務しかできないから」という理由でオンライン事務局として開業することにしたのですが、会社へ行っていたときも知らず知らずのうちに、たくさんの小さな強みを使って事務の仕事をしていたのだということに気がつきました。当時私がバカにされていると思っていた仕事だって、お願いをした人は私のような速さで処理することができなかっただけで、決してバカにしたわけではなく、心からお願いされていたのだと思えるようになりました。私は運動がものすごく苦手なのですが、運動が得意な人から見たら「なんでそうなるの?」とか「ちょっと考えたらわかるんじゃないの?」と思うようなこともサッパリです。これを事務に置き換えて考えると「努力の問題じゃないのかもしれない」と思えるようになりました。
事務作業はする人も依頼する人も「これくらい」とか「ちょっとしたこと」と思いがちですが、そんなことはありません。事務ができる人が「これくらいみんなできるでしょ?」と思っていることができない。またできたとしても、ものすごい時間と労力をかけなければいけない人がたくさんいるのです。特に、自分が前面に立って営業するタイプの人は事務が苦手な場合が多いので、事務を外注したいという人はたくさんいます。起業といっても、活躍できるのは前に出る人だけではないのです。一時に比べるとプチ起業ブームは下火になったものの、コロナ以降、時代が急速にオンラインへシフトしていっている影響もあり、まだまだ事務作業をやってほしい人は増えていきそうです。
専業主婦だった頃、家事を最短の労力でできるように、いくつかの講座に行きました。参加するうちに、「この手間いらないんじゃないの?」とか「申込みのときに案内しとけば、スムーズだったんじゃないの?」と思うことがたくさんあり、講座開催以外の周辺業務を代行することが仕事になると確信しました。性格的な向き不向きはもちろんありますが、事務職経験がある人やコツコツ作業が好きな人、パソコンが好きな人はそのスキルで人の役に立つことができるのです。
いきなり何百万も稼ぐことはできませんが、自分のできる範囲でできることを、少しずつお金に換えることを考えてみてはいかがでしょうか。
4.大きな投資は不要
ひと昔前なら、インターネットがまだ普及しておらず、あってもできることが限られていましたが、今はさまざまなことがインターネットを通じてできるようになりました。ネットを使っていない人の方が珍しいのではないでしょうか。私の周りにもSNSを駆使してスマホ一つで起業している人がたくさんいます。事務の仕事も、昔は郵送しないといけなかった書類がFAXで送れるようになり、今ではほとんどの書類がメールでやり取りできるようになりました。動画など大きいサイズのファイルのやり取りは少し工夫が必要ですが、通信の速度も年々速くなり、簡単に送受信できるものの種類もどんどん増えていくと思います。お金のやり取り方法も多岐に渡り、スピードもどんどん速くなっています。
広告宣伝の方法も、昔は新聞広告や折込チラシ、テレビCMなど、お金をかけないとできないものばかりでしたが、今はさまざまなSNSが登場し、それらをほぼ無料で使うことによって、広告宣伝費をかけなくても自分の存在を知ってもらえるようになりました。SNSを通してさまざまな人と繋がることができるので、事務を依頼したい人と繋がることも昔よりはるかに簡単になっています。依頼主になり得る人はどんなことに困っているのか、どんなことが求められているのか、など情報を収集することもできますし、自分の情報を発信することによって、自分の求めている人と繋がることができるだけでなく、求めていない人を避けることもできます。
また、行き来しなくてもよくなったことによって、事務所を借りなくても仕事ができるようになりました。特別なシステムを組んで導入する必要もありません。ということは、何百万、何千万と投資しなくてもビジネスを立ち上げることができるのです。
私の場合、最初に行った交流会のランチ代千円以外はすべて、その後稼いだお金で賄ってきました。在宅での事務仕事なら、家にパソコンがあってネット回線をひいていれば、最初は費用をかけずに立ち上げることができます。
5.どこにいても仕事ができる
場所を構える必要がないということは、どこにいても仕事ができるということです。実際私も、夫の都合で兵庫から東京へ引っ越しましたが、何の不都合もありませんでした。依頼主も東京だけではなく、全国や海外にもいらっしゃいます。また、依頼主の担当として作業をお願いしているスタッフも住んでいる地域はバラバラです。事務作業を代行するとなると、さすがにスマホ一つというわけにはいきませんが、通勤も必要ないですし、9時から17時まで決まった場所にいる必要もありません。
今のスタイルになってから会社員時代を振り返ると、朝晩の通勤だけで、ものすごく気力、体力を消耗していたことに気がつきました。明らかに体が元気になったのです。元々体力があるほうではないので、通勤がカットできたことは本当にありがたかったです。女性なら毎日の服装に気を配ったり、念入りにお化粧したりする必要もありません。
必要な作業を必要なボリュームで簡単にお願いしたり、請け負ったりすることができます。ちょっとした作業でも距離に関係なく依頼を受けることができるのです。打ち合わせや、講座もオンラインビデオ会議ツールを使えば、家にいながら参加することができます。
コロナ以降徐々に、大きな企業でもテレワークが取り入れられるようになり「ワーケーション」という言葉が注目されています。開業当時から、旅行先でちょっとパソコンを開いて作業することは当たり前のことでした。2年前、夫と二人で七十七日間の東南アジア旅行に出かけたときも、仕事は滞りなく進みました。上手に設計すれば、世界中どこでも、お気に入りの街に住むことだってできます。
著者プロフィール
さいとう ともこ
オンライン事務局Smoon Style代表。
14年間6社さまざまな規模や業種の会社で、一般事務・営業事務・保険事務・経理・秘書など一通りの事務職を経験。その後、専業主婦を経て「自分を活かし社会と関わりたい」との思いから、2015年自己資金1000円で開業。個人・中小法人のバックオフィス業務を代行し、5年間で約300名の事務に携わる。
言われたことをただ言われた通りにやるだけでなく、効果的・効率的な方法を提案し、「本来の業務に専念できて売上が上がった」「安心して仕事ができる」「メインの業務が加速した」などの声が多数よせられている。
2016年からは、通勤しなくても自分を活かしながら働ける「オンライン事務局の働き方講座」を開講し、それまで一人でのサポートから受講生を中心としたチームでのサポートに発展。 「好きなこと・得意なことを活かし合いながら全員が輝ける社会」を目指し活動中。
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