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ITベンダーとの円滑な交渉のためのステップ プロジェクト計画書とRFIの作成がカギ

ITプロジェクトの成功には、計画と準備が不可欠です。そのなかでもプロジェクト計画書の作成とRFI(情報提供依頼)の発出は、ITベンダー選定プロセスの基盤となる重要なステップです。これらのステップを適切に実行することで、プロジェクトの方向性を明確にし、最適なITベンダーとのパートナーシップを築くための第一歩を踏み出すことができます。

プロジェクト計画書は、プロジェクトの目的、課題、目標、範囲、体制などを整理し、プロジェクトの全貌を把握するための基本文書です。この計画書をもとに、プロジェクトの進行管理が行われ、適切なITベンダーの選定が可能となります。
一方、RFIは、ベンダーに対してプロジェクトの概要を提供し、必要な情報を集めるための手段です。RFIを効果的に活用することで、より具体的で適切な提案を得ることができます。

この記事では、プロジェクト計画書とRFIの作成方法について解説し、それぞれのステップがどのようにプロジェクト成功に貢献するかを探ります。プロジェクトの成功に向けて、しっかりとした計画と情報収集を行い、最適なITベンダー選定を目指しましょう。


※本稿は、三宅幸次郎・著『IT業務未経験でも学べるITベンダー交渉力アップの教科書 プロジェクトの失敗を減らしITコストを削減』(ごきげんビジネス出版 ブランディング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

1.プロジェクト計画書の重要性と作成プロセス

●プロジェクト計画書の必要性と基本要素

ITプロジェクトの成功には、まず「プロジェクト計画書」の作成が不可欠です。プロジェクト計画書は、プロジェクトの目的、課題、ゴール、方針、体制などを明確にし、関係者との認識の共有を図るための基本文書です。これを作成することにより、プロジェクトの進行がスムーズになり、後々の問題を未然に防ぐことができます。

●プロジェクト計画書の作成手順

プロジェクト計画書は以下の5つの主要な要素から構成されます。

・プロジェクトの背景と目的:
なぜこのプロジェクトを立ち上げるのか、その背景と目的を明示します。経営層からのヒアリングを通じて、経営課題や目標をプロジェクトに落とし込みます。

・現状の課題の整理:
現行業務やシステムの問題点を整理し、どのような課題が存在するのかを明確にします。経営課題と現場課題を両方考慮し、業務フローやシステムの現状を把握します。

・自社の目指す姿(ゴールイメージ):
プロジェクトが目指す最終的なゴールを描きます。新しい業務コンセプトやシステム像を具体的に定義し、現行業務との比較を行います。

・システム化の方針と範囲:
システム化の方針(パッケージ導入かスクラッチ開発か)や、システム化の範囲を決定します。また、非機能要件や期待されるシステム化の効果も整理します。

・プロジェクト体制とスケジュール、概算費用:
プロジェクト推進体制を整え、スケジュールを策定し、概算費用を見積もります。とくに予算に関しては、運用保守費用も含めた計算を行い、余裕をもたせることが重要です。

●注意点と成功のためのコツ

プロジェクト計画書を作成する際には、自分たちでしっかりと情報収集し、考えをまとめることが重要です。他社に依頼する場合でも、自分たちで基本的な内容を整えることで、結果的に品質向上やコスト削減につながります。また、プロジェクト推進体制や予算についても、経営層の理解を得ることが成功のカギです。

2.RFIの作成と活用方法

●RFIとは?

RFI(Request For Information)は、情報提供依頼の略で、ITベンダーから情報を収集するための文書です。プロジェクト計画書を基に、ITベンダーに対して基本的な情報を求める際に使用します。
RFIを発出する際のITベンダーの選定は慎重に行う必要があります。理想的には50社程度のベンダーをリストアップし、それぞれにRFIを発出することが推奨されます。リストアップ方法としては、取引先や業界の大手企業、外資系企業などを含めるとよいでしょう。

●RFI発出のタイミングと注意点

RFIを発出する際には、秘密保持契約を締結せずに情報提供を求めることが一般的です。これにより、ITベンダーからの情報収集がスムーズになります。ただし、RFI段階での予算情報の公開は避けることが多いため、予算の詳細については後のステップで明らかにするのが一般的です。

3.RFI回答の評価と次のステップ

●RFI回答シートの評価基準

RFIに対する回答を評価する際には、以下の基準を考慮することが重要です。

・ベンダーの実績と能力
ITベンダーの過去の実績や提供可能なソリューションの能力を評価します。

・提案内容の適合性
提案内容が自社の要求や目指すゴールにどれだけ合致しているかを確認します。

・コストとリスク
提案されたコストやリスクについても評価し、最適な選択肢を検討します。

●RFI回答を踏まえた次のステップRFP

RFIの回答をもとに、ITベンダーを2~3社に絞り込み、さらに詳細な提案内容や見積もりの取得に進むことになります。この段階では、実際のプロジェクト要件に基づいた、より具体的な情報交換が行われます。次のステップの結果から選定したベンダーと契約交渉を行い、最適なパートナーシップを構築するための準備を整えましょう。

●成功のための戦略

プロジェクトの成功には、計画書の徹底した作成とRFIの適切な発出が不可欠です。これにより、ITベンダーとのコミュニケーションが円滑になり、プロジェクトの質やコストの最適化が図れます。慎重な計画と評価をもって、プロジェクトの成功へと導きましょう。

 関連書籍

『IT業務未経験でも学べるITベンダー交渉力アップの教科書 プロジェクトの失敗を減らしITコストを削減』
著・三宅幸次郎/ごきげんビジネス出版 ブランディング/発売:2024年09月5日

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