見出し画像

第13話 :「できるようになりたい」

我が家のゴールデンウィークはここ何年か、娘が参加 するバトンパレードを中心に過ごしています。今年もどうにか天気がもち、汗ばむほどの陽気の中、娘はエキシビジョンに元気よく参加しました。
この一大イベントが終わってホッと一息つく間もなく、娘は毎日あることの練習を始めました。側転です。
娘の通うバトン教室ではストレッチ体操の後に側転をするのですが、彼女は側転が苦手でいつまでたってもカエルさん状態なのです。でもこれまで 娘がそのことを深く考えている様子はありませんでした。というのも、私が 「側転、できるようになるといいね」と声をかけると、返ってくる言葉は決まっていつも「別にできなくてもいいよ」だったからです。

娘は小さい頃から自信のないことには手を出さず、無理をしないで自分なりのペースで物事を進めてきたようなところがあります。私から見れば興味を持っているのかな?」と思うようなことでも、ただ見ているだけで終わったり、ちょっとトライしてみてもすぐにやめてしまったり。
そんな娘に母親としては歯がゆさを感じて「やってみなくちゃ分からないよ」と励ましてみたり、「やってみなくちゃ分からないでしょ」とイライラしてみたりもしました。
でも娘にとってそんな言葉はどこ吹く風、 常にマイペースでした。

側転も始めはそうだったのです。
それが突然火がついたような猛練習。
本格的にビデオ撮りまでして、来る日も来る日も 「エイッ」と回転していました。

ある日娘は私に「見て見て!」 と言いに来ました。
目の前で披露してくれた側転は以前のカエルさ んではありません。娘の体はコンパスで書いたかのようにきれいな円を描いていました。

「すごーい!パチパチパチ!」、思わず拍手です。
娘は嬉しそうにこう言いました。
「おかあたん、思ってると叶うってホントだね」
「ん?思うって何を思ってたの?」
「あのね、側転ができるようになりたいって」

後から聞いた話によると、娘の「側転チャレンジ」は、新学期からのクラスで誰よりも先にできるようになりたい!というところから火が点いたようでした。
今までどんなことにもマイペース、掛け算の九九でも漢字練習でも、他の 子がどれだけできても自分はここまででOKと考えているとばかり思っていましたが、こんな意外な面があったのです。

私は、「できるようになりたい」を育てるのは、親の励ましや意図ではなく環境なのだということを知りました。そしてその環境は、決して特別なものではなく、当たり前の身近なところにあるということを知りました。 そういえば、以前娘の通っていた保育園では、お昼寝のパジャマ袋として 風呂敷の変形したようなものを使うという話がありました。なぜ、紐できゅっと絞るきんちゃく袋ではないのか?というお母さんの疑問に対して先生はこう言いました。
「はじめは風呂敷の紐をうまく結べないかもしれません。でも1日最低2回パジャマを出す時としまう時、紐を結ぶことにチャレンジしていくと卒園の時には全員が結べるようになります。」
水道の蛇口は、上下に動かすのではなくひねるということ。電話機のダイヤルは押すのではなく回すということ。靴のひもは、マジックテープでとめるのではなく結ぶということ。さりげなく用意された環境こそが、子どもたちのチャレンジ精神をかきたてていたのだと、今になって思います。

1つの「できた」は、 次の 「できるようになりたい」 を生み出すエネルギーです 。さて、私の「できるようになりたい」は何だろう?
久しぶりに自分に問いかけてみました。

良かったら、いいねボタンやポチッと💗をいただけたらとても嬉しいです。もちろん一言コメントも大歓迎です! 

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

サポートいただいた方に子育てコーチングコラム「つぶ安」28話の小冊子をプレゼントさせていただいています。2009年3月発行 ご希望の方はお名前とお送り先ご住所をご記入の上 kihon_noki@yahoo.ne.jp までお知らせください。

やった💗嬉しい💗感謝!
6
2002年から国際コーチ連盟(ICF)認定プロコーチ&講師として活動中。最近では歌を作ってみたり、ファミリーバンドで音楽ライブをしてみたり。またちょいとユニークな自分の昭和物語を書いたりおしゃべりしたりもしている。https://www.gokigen.cc/

この記事が入っているマガジン

鈴木安子の日々のつぶやき「つぶ安」~子育てコーチングコラム~
鈴木安子の日々のつぶやき「つぶ安」~子育てコーチングコラム~
  • 36本

娘が4歳~10歳の頃のごきげんコラム「つぶ安」を10年ぶりに復刻しました。これは日常の子育ての中にコーチングを取り入れたちょこっとコラムです。現在子育て中のママやパパの「ごきげんづくり」にお役に立てたら嬉しいです。 尚、サポートをしていただいた方には小冊子「つぶ安」(28話入り)をプレゼントさせていただきます。どうぞkihon_noki@yahoo.ne.jp までお名前・お届け先をお知らせください。

コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。