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第9話 : 「田舎体験」

私の実家は都内のはずれにあります。

田んぼや畑こそありませんが、「田舎」 といって差し支えのない環境ではあります。
家は、 そこはかとなく古き良き時代の香りがする(よく言えば)日本家屋です。

私は結婚して家を出るまでの約25年間をこの家で過ごしました。
娘は、私の実家に泊まりに行くのがとても好きです。
彼女にとっては情報としてしか知らないこと、あるいは見たことも聞いたこともないようなものがあふれているのです。多感な小学3年生の心をわしづかみにして離さない、ワンダーランドのようなものなのでしょうか。
居間の中心には掘りごたつ、壁際には年代物の食器棚。ダイヤル式の黒電話が「リリリリリ」と鳴り響き、縁側と居間を仕切る障子から薄日が差し込む。台所に入れば、使い込まれた包丁とぎに鰹節削り。床下には、古い年号が刻まれている梅酒の瓶がひっそりと眠っている。
私にとっては限りなく懐かしいその一つ一つが、 娘にとっては新鮮に映るのです。

珍しいものを見れば触ってみたくなるのが子どもです。
娘は鰹節削りに挑戦しました。
「鰹節を削るのって、けっこう力がいるんだね」 「ワタシが削ると粉になっちゃうの」
という言葉を聞いて、 思わず笑ってしまいました。

私が子どものころ、鰹節削りをしたときに言ったセリフとまったく同じだったからです。
昔、父や母はいとも簡単に鰹節を削っていました。今となっては当たり前に思えることですが、幼いころの私は、自分にできないことをたやすくこなしてしまう父や母を「すごい!」と思っていました。そして、そんな2人の背中を見ながら育ってきました。
でも、 私は娘の「母」です。 娘は私の背中を見て、どう思っているのでしょうか・・・ ?
でも、彼女がどう思っているかは分からなくてもいいのかもしれません。 自分には見えない背中を子どもが見ている、そして何かを感じている、そのことだけで充分です。

今年の夏は、娘を母の生まれ故郷である千葉に連れて行くことに決めています。
すでに母にもそのことを頼んであります。
千葉にある母の実家には、私が小学生のころ、毎年夏休みになると従弟たちが集まりました。まるまる1ヶ月はここで生活していたのです。みんな 次の年まで水着の跡が残るくらい日焼けしていました。毎朝、庭で飼っているニワトリが産む卵を取りに行くのは子どもの役目でした。
でも、私はニワトリが恐くて苦手でした。従弟たちの中で最年長だった私は、年少の従弟に取りに行かせることもしょっちゅうでした。

今となっては昔話にしか出てこないような家に行った娘は、果たして何に興味を持つのか、今からとても楽しみです。
また、大人になった私が改めて感じることもあるかもしれません。
そして何を感じるのか、自分のことながら、それも大いに楽しみです。

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2002年から国際コーチ連盟(ICF)認定プロコーチ&講師として活動中。最近では歌を作ってみたり、ファミリーバンドで音楽ライブをしてみたり。またちょいとユニークな自分の昭和物語を書いたりおしゃべりしたりもしている。https://www.gokigen.cc/

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