ゴキ日記 -ゴキブリ屋敷-

ゴキブリはおもしろい。日々追い求めているゴキブリについてや、フィールドで出会った生き物について書いている自由帳です。HPゴキブリ屋敷はこちら→ https://www.gokiburiyasiki.com/ 写真の提供依頼などもHPからご連絡ください。管理人:柳澤静磨

ゴキ日記 -ゴキブリ屋敷-

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最近の記事

オスメス判別方法@ヨロイモグラゴキブリ

 ヨロイモグラゴキブリはペットとしてとても人気のゴキブリで、飼育している方も多くいらっしゃいます。  飼育相談を受けることの多いゴキブリでもあるのですが、よく聞かれるのがオスメスの判別方法です。わかってしまえば全然難しくないのですが、私がゴキブリを始めたころも「どうやって見分けるんだ?」と首をかしげていました。  ということで、判別が簡単にできるように画像を作りました。  こちらはヨロイモグラゴキブリの腹部末端です。節が一つ多く見えるのがオスになります。このほかにも、前胸

    • 青いあし@カギムシの仲間

       オーストラリア・ケアンズの熱帯雨林を探索中、遊歩道の手すりにいつか見たいと思っていた生き物に出会いました。  カギムシです。日本には分布していない有爪動物門の生き物です。かなり珍しい生物で、以前シンガポールで探したときは全く見つけることができませんでした。  観察してみると、キリギリスの仲間の幼虫を捕食しています。ただでさえ珍しいのに捕食シーンを見つけられるとは、幸運です。  白バックでも撮影。足は青く、体に橙色の斑点があります。  腹も青いです。カギムシ、こんなに美

      • 緑のコロコロ@ハラブトゼミ

         オーストラリア・ケアンズでライトトラップをしたところ、緑色のコロコロした可愛らしいセミが飛んできました。  同行者のモトさんにハラブトゼミという種だと教えていただきました。  捕まえてもあまりバタバタせず、可愛らしいことこの上ありません。この個体はオスのようです。  かなり気に入ったので白バック写真も撮影しました。  腹が太いのがよくわかると思います。こんな体で飛べるのだからすごいですね。  翌日、宿の玄関近くに雌個体を見つけました。  メスはオスに比べてかなりスマー

        • 意外に身近な存在@ビロードカワウソ

           シンガポールの公園を探索中、ふと横を見ると見慣れない動物を見つけました。形はイタチのように見えますが、ずっと大きく、暗色です。正体はビロードカワウソでした。  見つけた場所は人通りの多い公園内。こんなところに普通にカワウソがいるのだと驚きました。興奮して何枚か写真を撮っていると、そそくさと歩き出してしまいました。カメラで追ってさらに撮影をしていると、唐突にカニクイザルが乱入。ビロードカワウソを追い立て始めました。  日本では見られない生き物たちの攻防に釘付けになりました

          水辺の落とし穴@ウツボカズラの仲間

           シンガポールの水辺を探索中、後方にいた同行者が突然「ネペンテス!」と叫びました。なんだなんだ、と思って近づくと、「ウツボカズラウツボカズラ」と水辺に生えた植物を指さしています。  見てみると、確かにそこには有名な落とし穴式トラップがありました。  野生のウツボカズラを見たのは初めてで、こんなところに生えているのか!と感動しました。  種類まではわからなかったので、そのうち調べてみたいと思います。

          怪獣トカゲ@ミズオオトカゲ

           2023年2月。私はシンガポールを訪れていました。狙いはもちろんゴキブリですが、その他の生き物も探しつつの旅です。一夜観察を行い、様々なゴキブリを観察することができました。  朝になって、このポイントの近くにはミズオオトカゲVaranus salvator macromaculatus(サルバトールモニターとも呼ばれます)が生息しているということで、同行者の案内で生息地を歩いてみることにしました。  いつもなら水の中を泳いでいる個体を何匹も見るといいますが、この日は歩い

          ド派手な幼体カラー@マレーシアンチェリーレッドオオムカデ

           マレーシアの川辺で昆虫を撮影中、同行者のオオギタくんがムカデを見つけたというので見に行くと、小さいもののド派手なカラーリングのムカデがそこにはいました。  マレーシアンチェリーレッドオオムカデScolopendra dehaaniの幼体です。ムカデは成体と幼体で色が違うことが多いのですが、本種もそうで、成体は濃いチェリー色です。  私はムカデも好きでたくさん飼っていた時期もあり、本種も何度か飼育しています。ただ、その時は成体でした。幼体から飼育して、体色が変化していく様

          原産地での出会い@セアカゴケグモ

           2023年3月に行ったオーストラリア旅では、思いがけない出会いが多くありました。その一つがセアカゴケグモLatrodectus hasseltiiとの出会いです。  出会ったのはオーストラリアのパースです。林縁部を歩きつつゴキブリを探していたところ、枯れ枝に巣を張る黒と赤のクモを見つけました。  セアカゴケグモです。本種は日本でも有名な毒グモですが、原産地はオーストラリアです。本来の生息地で出会えたのは嬉しい出来事でした。  この場所では2匹見つけることができましたが、

          巨大な木と巣@ギガスオオアリ

           マレーシアの標高700mほどの熱帯雨林でゴキブリを探索中、巨大な木に、なんとギガスオオアリの巣を発見しました。  木のところどころに出入り口があるようで、働きアリと兵アリが忙しそうに出入りしています。入り口の近くには兵アリがいて、敵に備えているようです。  近くにはかなりの個体数のギガスオオアリが。単体でも見つけるのが難しいギガスオオアリですが、まさか巣を見つけられるとは思ってもいませんでいした。感動です。  ギガスオオアリの巣があった木は大人3人で抱えてようやくくら

          深夜の羽化@オオゴマダラ

           2023年3月、夜間に宮古列島伊良部島の森林内で生き物探しをしていると、数メートル先のクワズイモの葉裏に白く光を反射する何かを見つけました。  白い葉っぱのようにも見えますが、ついているところが明らかに不自然です。近づいてみると、正体がわかりました。  オオゴマダラIdea leuconoeです。  どうやら羽化したばかりのようで、蛹の殻にくっついています。南西諸島で虫探しをしていれば目にすることも多いオオゴマダラですが、羽化に出会うことはそうありません。  暗闇でライ

          枝の上のヤモリ@スピニゲルスイシヤモリ

           オーストラリア・パースの海岸で夜間にゴキブリ探しをしていたところ、低木の上に何かがいるのを見つけました。近寄ってみると、なんと、スピニゲルスイシヤモリStrophurus spinigerusでした。  黄色と黒の眼が目を引きますね。背からしっぽの先にかけて天の川のような美しい模様を持ち、それに沿ってトゲが並んでいます。魅力的なヤモリが多く含まれるストロフルスの仲間です。  より内陸でも別個体を見つけることができました。さらに、またまた別の場所でも1個体見つけ、合計で3

          貫禄と愛嬌@イエアメガエル

           オーストラリア・ケアンズには世界最古の熱帯雨林があります。産する昆虫も多く、有名どころだと世界一美しいクワガタと言われるニジイロクワガタや世界最大のガ・ヘラクレスサンが生息しています。  夜間にこの熱帯雨林の中で一人、生き物探しをしていると、地上から2mほどのツタに大型のカエルを見つけました。  イエアメガエルLitoria caeruleaです。ペットとして人気で、日本でも多くの方が飼育しています。私の勤める昆虫館でも1個体飼育していますが、貫禄と愛嬌どちらも備えた魅

          乾燥林のCM王@エリマキトカゲ

           ヨロイモグラゴキブリを求めてオーストラリア・ケアンズの乾燥林を車で走っていたところ、運転してくださっていたモトさんが「ここら辺はエリマキトカゲがいるらしいですよ」と話してくれました。エリマキトカゲChlamydosaurus kingii。一昔前のCMに出演し、一世を風靡したというあのトカゲです。こんな乾燥した林にいるとは知りませんでした。  どうやら木にくっついているらしいですが、モトさんも見たことはないとのこと。車の中から外の木にそれらしき生き物がついていないか探すもの

          ゴキブリ探してマレーシア@アシナガゴキブリ

           2023年2月、ゴキブリを求めてマレーシアを訪れました。日本では見られないような大きなナナフシをみたり、ヘッドライトに飛んでくるハチから逃れたりしつつゴキブリを探すと、ようやくお目当てのゴキブリに出会うことができました。  アシナガゴキブリCatara rugosicollisです。このゴツゴツしたフォルム、たまりません。マレーシアで見たかった数種のうちの1種です。  探索を続けると、なんとオス成虫も発見することができました。この類のゴキブリはオス成虫を発見することは難

          天道虫の天敵@テントウハラボソコマユバチ

           2019年11月、職場の園芸担当の方が家に変な状態のテントウムシがいたといって持ってきてくれました。見てみると、なにか繭のようなものを抱いています。  これは面白い虫が見れるかもしれないと思い、そのままケースに入れて経過観察することに。数日後、無事に羽化しました。  狙い通り、ハチが羽化してきました。本種の名前はテントウハラボソコマユバチ。テントウムシに寄生するハチです。  本種は単為生殖をするようです。試しにナナホシテントウを見つけてきてケースに入れると、早速、追尾

          最終日の大物@マツカサトカゲ

           2023年3月、オーストラリア・パースでの観察最終日、ついに帰国する日が来ました。様々な生き物と出会うことができ、非常に有意義な旅で、ホクホクの状態です。何も思い残すことはありません。  ただ、飛行機への搭乗時間まで余裕を見ても1時間ほど余りがあります。同行者と近くの博物館でも行こうかと話してみたものの、ちょうどよさそうな場所がありません。「近くにちょろっと自然を見れる場所はないかな?」と思ってグーグルマップで調べてみると、ちょうどよさそうな森を見つけ、早速向かうことにしま