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「As is / To be」のフレームワークを使って、アスリートのキャリアについて考えてみた。

こちらは12月下旬に出版となる『アスリートのためのソーシャルメディア活用術』の原稿でボツになった部分をまとめたnoteです。

ぜひ成仏してやってください!(泣)

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町田也真人選手と出会って

アスリートのリアルな声・課題感に触れたいと考えていた時、ご縁があってサッカー選手の町田也真人選手とお会いさせていただく機会がありました。

その際、(当時に)僕が考えるアスリートのキャリア像について率直にお伝えさせていただいたのですが

“引退後も含めた人生のビジョンを考えることが重要である”とか“競技以外で情熱が湧く何かを見つけましょう”という身勝手な提言に対して「五勝出くんの言いたいことは分かるけど、まず何から始めれば良いのか分からない」と一刀両断していただいたことは今でも鮮明に覚えています。

その時、「セカンドキャリア」「デュアルキャリア」といった世の中的なホットワードが、地に足が付いていない議論であることを身を持って痛感しました。(町田選手には今でもすごく感謝しています!)


「As is / To be」のフレームワーク

キャリア設計について考える時、僕は「As is / To be」のフレームワークを用いて整理することが多いのですが、「As is / To be」のフレームワークには現在地(=As is)から将来(= To be)への道筋を描くアプローチと、それとは反対に将来(= To be)から現在地(=As is)への道筋を描くアプローチの2つがあって、双方向の視点から戦略/戦術を立てるようにしています。

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僕が町田選手に投げかけた、“引退後も含めた人生のビジョンを考えることが重要である” “競技以外で情熱が湧く何かを見つけましょう” という質問は、将来(= To be)から現在地(=As is)への道筋を描くアプローチのみだった訳ですが、アスリートにフィットするのは現在地(=As is)から将来(= To be)への道筋を描くアプローチなのではないか、と今は感じています。

現在を起点にしてスモールステップを繰り返してゴールを目指すアプローチがアスリートにフィットする理由は、1日1日のトレーニングを長期間積み重ねることで現在のポジションを獲得してきた、アスリートの成長プロセスと関係しています。

もちろんアスリートの中には将来(= To be)から現在地(=As is)への道筋を描くアプローチも得意な選手はいて、本田圭佑選手はまさにその典型なのではないでしょうか。こちらのタイプの選手は、引退後も含めたキャリアを逆算的に捉えて、行動している印象です。


ソーシャルメディア活用に注目し始めたきっかけ

「アスリートが現役中から始められるスモールステップ」とは何かを模索していた時から、活用余地が大きいソーシャルメディアに着目していたのですが、そもそもアスリートのソーシャルメディア活用に注目し始めたきっかけは、前述の町田選手との出会いでした。

アスリートのソーシャルメディア活用は、競技者としての現在価値を高めながらポジティブな形でセカンドキャリアに備えられる点が、アスリートにとって良い部分だと思っています。

ソーシャルメディアを有効活用しているアスリートは86世代(モバイルネイティブ世代)以降に多く、一定以上のフォロワーを抱えていて、エンゲージメントが高いソーシャルメディアアカウントを持つアスリートの引退後のキャリアは、これまでよりも幾分有利なのものになると見込んでいます。

トップ選手はソーシャルメディアを活用することで、より一層の影響力やファンからのエンゲージメントを手にすることができ、マイナー選手は競技とソーシャルメディアを掛け合わせることでキャリアを前に進めることができる。反対に、競技力だけが突出してい多としても高価値な選手であるとは言い切れず、結果として競技で食っていけないケースも多々あります。

最近では年俸0円Jリーガーの安彦考真選手が象徴的ですが、ソーシャルメディアの普及をはじめとした環境の急激な変化に伴い、様々な新しいアスリート像が生まれてくるでしょう。


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著書『アスリートのソーシャルメディア活用術』http://amazon.co.jp/dp/4839969337/|アスリートのマーケティングとキャリアを支えるRevive Inc.に参画◁電通ライブ・電通テック◁東京学芸大学蹴球部 学連/全日本大学サッカー選抜主務|日本に40人の苗字、ゴカツデです。#アスリートSNS本


いつも読んでいただきありがとうござます:)