感情にフタをしないで生きること
こんにちは、糸です。
今日は「ネガティブな感情の扱い方」について書いていきます。
なぜこのnoteを書こうと思ったかというと、英語の勉強のためにTEDを見ていて、グッと来たので皆さんにシェアしたいと思ったからです。
講演者は心理学者のスーザン・ディヴィッドさん。15歳の時に父親が亡くなって母親や周りの人に心配をかけまいと気丈に振る舞ってきましたが、過食や嘔吐を繰り返すようになりました。ある日、学校の先生から「いま、あなたが感じていることを書きなさい。本当のことを書くのよ。誰かが読むとは思わずに」と1冊のノートを渡されます。
今まで悲しい気持ちを拒絶して向き合わないようにしていたのを、ノートに吐き出すことで「わたしにとっては大きな革命だった」と言っています。
ネガティブな感情を拒絶せず受け入れたことで、それまで強張っていた心がふと解けたそうです。これを彼女は「感情の敏捷性」と表現しています。
ネガティブな感情は悪いもの?
世の中にはポジティブは称賛され、ネガティブは恥ずかしいことだ・持つべき感情ではない、と排除するような風潮があると思います。
「深く考えすぎだよ、もっとポジティブに考えなよ、心配しすぎだよ」
これは、わたしも誰かにかけたことのある言葉であり、言われたことのある言葉です。ネガティブな感情対して、ポジティブに変換するように促しネガティブ状態から早く抜け出させようとします。
自分自身にも友達にも家族や愛する人たちにもそれをやっている。
しかし、スーザンさんは「ネガティブな感情こそが大切だ」と言います。
ネガティブな感情は、あって当然の自然に生じる感情。それを良い悪いで判断し、ポジティブでいることが正しいとするポジティブ至上主義が横暴している。
感情の研究によると、追いやられたり無視された感情は強くなる。嫌な感情を無視しているとうまくコントロールできたと思うかもしれないが、実際には逆に自分が支配されている。心の痛みは必ず外に(さっきのスーザンさんの過食と嘔吐のように)出てくる。
ポジティブでいようとして自然の感情を追いやっているとありのままの世界に対処するスキルを伸ばすことができなくなる。
確かに、生きていれば良いことだけではなくて、悲しいことや辛いこと、怒りや、どうして自分だけ?というような出来事もありますよね。
抱いて当然のネガティブな感情を、無理やりポジティブ変換して拒絶したら心のSOSが見える形で外に出てきます。だから、無理やり押し殺そうとせず「あ〜わたし今こんな感情だ」と受け入れることが必要です。
不快なことは意味のある人生を送るために必要な対価
スーザンさんは、「感情はデータ」だと言っています。
感情は自分自身にとって重要な事柄に光を当てて教えてくれる、と。
例えば、あるニュースに対して激しい怒りや悲しみを感じたならば、自分が大切にしている価値観が何か知ることができるし、特に何も感じないならばそれはさして自分にとって重要ではないということ。
大切なのは、どういう感情を自分が感じているのかを言葉にすることだ、と言います。言葉にして感情をラベリングすることで、どうしてそういう気持ちになるのかが分かり、衝動的な行動の前に具体的な行動を脳が考えられる。
何が嫌で不快なのかの正体を明らかにすることで、根本の原因を取り除ける具体的な手立てが見えてきます。
感情は本当のあなたではない
ネガティブでドロドロした感情を抱くと、「わたしは怒っている」とか「いつもイライラしている」と自分を感情で定義してしまいます。でも、スーザンさんはそれはしてはいけないと言います。
「あなたはあなたであり、感情は感情」感情は単なるデータにすぎない。
わたしは、これを聴いて眼から鱗でした。感情に振り回されて、わたしはどうして悪い方向にばかり考えてしまうんだろうとか性格に難があるのかと思い悩んでたのですが、「感情と本当のわたしは別」と分けられるようになって楽になりました。
×「わたしは怒っている」
○「わたしは怒っているとわたしは気づいている」
感情の多様性を認める
思い返せば、ネガティブな感情だけではなく喜びや幸せなどもきっと同じくらい感じているはず。でも、マイナスなものの方が記憶に残りやすいから自分はネガティブ人間なんだと思い込んでいた節があります。
あって当然の感情を受け入れ、その状態を認識してあげることで「この感情は何を表しているの?」「モヤモヤするってことは何が自分の価値観にあっていない?」など気づくことができます。
ポジティブな感情だって、「これをしていると幸せだな」「これに惹かれるんだ」と気づかせてくれます。
ネガティブな感情からの気づきは、原因を突き止めることができそれを解決してポジティブな感情からの自分の心地良さを集めていけば、2つの感情のおかげで人生が豊かになると思います。
どちらかの感情だけが優れていて、もう片方は排除すべきなんてことはなくて、2つとも必要なものだと分かりました。
死を意識することによってより生を実感できるようなるのと同じで、嫌なことのおかげで小さなことに大きな幸せを感じられるのかな。
ベートーヴェンは耳が聞こえなくなって神々しい後期のソナタを書き上げたり、一見マイナスしかないように見えるけどそれがなければ生まれなかった素晴らしい芸術作品もたくさんある。
わたしは、「せっかく人間に生まれたなら様々な感情を味わえるなんて最高!いろんな感情を経験しよう」と思えるようになりました。
感情の言語化をするために
先述したとおり、感情を言葉にしてラベリングすることで望ましい行動にアクセスできます。
でも、グチャグチャした感情を言葉にするのって難しいですよね。言語化するには語彙力が必要不可欠だと思います。
なんかモヤモヤした気持ちの正体を「〇〇」とラベリングできたらスッキリするし、「わたしは〇〇と感じているんだな」と認識できます。
そこで、役立ちそうな本を紹介します。
本書は、人間の喜怒哀楽を項目化し、それぞれの感情に由来する行動や反応を集めた、創作者のための新しい「類語辞典」です。[…]ある感情における、目に見える「外的なシグナル」、体の内側に起こる「内的な感覚」、心理状態を表わす「精神的な反応」、そしてその感情が強烈だったり、長期にわたる場合のサインや、本人が周囲に隠したり、自覚がない場合のサインなど…ひとつの感情につき、60〜90個前後の「類語」が収録されています。
言葉にならない感情を表現する天才こと小説家や漫画家、シナリオ作家向けに書かれたものですが、めちゃくちゃ役立ちそう。
ドス黒い得体のしれない感情が現れた時に、「わたしは今どう感じているのか」と本を開いて使おうと思います。
語彙力もつく!
まとめ
・特定の感情だけ拒絶せずに、受け入れる
・吐き出すところを設ける(誰にも見られない秘密のノートとか)
・感情を言語化する
・感情のデータを使ってとるべき行動にアクセスする
わたしは、自分自身に対してもそうですが、他人に対してもネガティブな相談をされた時に簡単に「ポジティブに考えよ!」と言わないようにしたいと思いました。
どうしてそう感じたの?どんなふうに感じた?と引き出して本人が自分で消化できるように寄り添う一助となりたいです。
#感情 #考え方 #ポジティブ #ネガティブ #TED #思考 #コラム
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