見出し画像

気分屋な足とパンプス

前回のnoteで就活の時の身なりの話を書いた。


就活生時代、激太りでパツパツになったリクルートスーツを着ていたわたしは、入社式までにダイエットをすることが出来た。
(ちなみに痩せた理由は、卒業旅行で東南アジアに行った時に、なにかに当たって一気に体重が落ちただけ。)

ダイエットに成功し、明らかに変わったことがあった。
あれほど悩まされたパンプスが辛くないのだ・・・!


振り返れば就活の時に辛かったのは、日々の交通費とカフェ代と成績表の印刷代に消える懐具合でも、テンプレでお祈りされることでもなく、あの気分屋な足だったと思う。


その日のコンディションによって、靴に当たるポジションが変わるなんとも悩ませる足だった。ある時は踵が、ある時は親指が、ある時は小指が真っ赤になり、歩くたびに涙が滲んだことがある。慣れない都内の街を歩き続けて、文字通り身も心もボロボロな就活生だった。
私服OKの面接では喜んでフラットな靴で家を出た。

就活生の靴なんて誰も見てないかもしれないし、パンプスを履かなくても受かるかもしれない。不合格の理由がパンプスだったらどうしよう。
それでもちょっとでも型からはみ出すことを恐れていたのだった。
(今振り返れば、その時間でちょっとでも勉強したらいい。)


さて食あたりで痩せたままスタートした社会人生活が慣れてきたころ、毎日10時間近くあのパンプスを履き続けても辛くないことに気がついた。身体が軽くなったことで、足にかかる負担が減り、むくみにくくなっていたのである。

少しでも歩きやすいパンプスを探したり、中敷を試してみたり、替えのフラットシューズを持ち歩いたりしていた就活生時代はなんだったのかと思うほどに悩みから解放された。なんだわたしの身体が重かっただけなのか。


その後数ヶ月のリクルートスーツ期間を終え、すっかり私服でスニーカーでオフィスに出向くようになり、2年目の夏にはビルケンのサンダルで快適に過ごし、今ではリモートワークで靴を履く機会もめっきり減って、パンプスで涙することはなくなった。

ここ数年の運動不足で体力も落ち、体重もなんとなく増えた気がする。
きっと次にパンプスを履く時には、足の痛みに振り回されるのだろう。今からダイエットを始めたいと思う。

この記事が参加している募集

就活体験記

よろしければサポートお願いいたします!いただいたサポートは自分を労るために使います。