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マネージャーのなんちゃってコーチング問題

しゅんしゅしゅんです。

マネージャーとメンバーのコミュニケーションにはコーチングが必要。

これ、マネージャーになった人ならよく聞く話ではないです?だからコーチング的な感じで向き合っとるつもりなんですが、なんちゃってコーチングになってるなあとふと思うときがあります。

コーチングはあくまでも、問いを2人の間に置き、一緒に探索しながら、相手の発見をうながしていくというアプローチをとります。

改訂版を出すにあたり、本書内では引き出すという表現は削除しました。

聞きようによっては引き出すという言葉は別の意味を持ちかねません。こちらは経験がある人、わかっている人、スキルを持っている人。さあ、あなたはまな板の上に乗ってください。私が引き出して見せますから…。
コーチングの醍醐味は、一緒に何かを探索することであり、発見することです。

コーチが問いの発信者であり、質問の担い手なのですが、問いは上から下に向かって投げつけるものではなく2人の間に置いて、一緒に共有すべきもの。

たとえて言えば「1+1はなんですか?」「あなたは絶対にその答えを知っている、さあ答えてみましょう!」と迫るのが引き出す。

「答えが2となるには、一体どんな計算式があり得るのか。この場合、どの計算式が適切なのか?いろいろな可能性について一緒に考えてみましょう」が探索であり、発見のうながし。

「なんでしょうね、なんでしょうね」とコーチの側もあくなき興味と関心を持って、その問いの中のい入っていく。

「新 コーチングが人を活かす」を読むに、コーチングの本質は今、ご紹介したこの文章に集約されるのだと思います。

「お前はどうしたい?」「君はどう思う?」

これは相手の当事者意識や主体性を発揮するための問いです。かのリクルートではカルチャーともいえる伝統的な問いだったりします(僕は新卒から10年と少々、リクルートで働いてました)

しかしこの問いにすらも、その前提に「俺はこうしたい」「君はこう考えるべき」「お前はこうしなさい」が入っちゃっていることが多々あります。

その時の「お前はどうしたい?」は表層的であり、ティーチング的。ティーチング的というのは、落としどころがあり、その落としどころに向かって誘導的だということ。そこにはメンバーの主体性はあんまりないっす。

あのリクルートでもそうだよ。(僕のコーチングスキルが低いだけならごめんなさい)

そう、純度の高いコーチングをすることは、とっても難しいです。

コーチングとは相手が答えをみつけるために伴走すること。でも多くのコーチングは伴走ではなく先導かつ誘導だなって思うんです。

マネージャーの中にほぼ揺るがない答えがあるけど、手取り足取り指示するのは成長に繋がらないし、メンバーのやる気をそぐかもしれないから、なんちゃってコーチングをして、メンバー自身がその答えにたどり着くための誘導尋問をする。

上司コーチングの8割くらいはこれなんじゃないかなー偏見かなー

なんでこんなことになるんでしょ。

理由はマネージャーには経験と知見があって、実績を残してきたからマネージャーになったという状況が生み出した煩悩だと思うんですよね。

・答えを知っているから教えたい
・答えを知っているから間違いを正したい
・教えることで権威を示したい。
・教えることで自己肯定感を保ちたい。
・自分の答えは前例があるからリスクがない。
・自分の答え(多くは成功体験)は正しい
・答えを否定することは自分のこれまでを否定することになるから批判されたくない。

とかとか。

自分がやった方が早いことをあえてお任せしているのだから答えくらいは同じにして!と思うときは、ちょっとあります。

「お前ほんとにこの企画みた?」って自分の上司に言われたくはないから、わたし色になるまで企画をたたこうと思うときが、ちょっとあります。

こうなってくると、

「あれ?いまやったのはコーチングのつもりだけど、結局ティーチングじゃない?」

って思いますし、

「コーチングなんてほんとにいる?ティーチングがてっとり早くない?」

とすら思います。

この感覚、わかりませんかーー!?

とまあ、そんな思考をしながら本書を読ませていただいて改めて思ったのは、コーチングとティーチングはともに有意なコミュニケーションの「手段」であって、あくまでも「手段」だということでした。

どの「手段」がメンバーの成長に、ひいては事業の成長にまっすぐつながるか。これを考えることがマネージャーの醍醐味なんですよね。

コーチングと決めたらコーチングする。
ティーチングと決めたらティーチングする。
雑談と決めたら雑談する。

流行りには安易にのりませんよ。1on1だからといって無理にコーチングすべきものでもないはず。ティーチングよりコーチングの方がなんとなく優秀なのである、これも違うはず。

アプローチの違いであって、そこに優劣なんかないでしょう。
(なんなら多くの状況においてマネージャーとメンバーのコミュニケ-ションはティーチング的のほうが効率的だと思う)

目的に素直に、目的と手段を取り違えない。結局ここに尽きます。

見た目のかっこいい流行りの武器をたくさんもっていることはそれこそマネージャーとしては当たり前で、どの場面でどの武器をつかうかの采配ができんとあかん。

手段の使い分けが瞬時にできることが、マネージャーの知見であり、有能さの証なんだよな。
がんばろっと。

「あなたはどう思う?」

なんてね。

最後まで読んでくださりありがとうございます!面白かったらスキ!超おもしろければサポートいただけると嬉しいです!これからもがんばります。