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優れた傾聴はスポンジではなくトランポリンである

しゅんしゅしゅんです。

あなたは自分のことを聞き上手だと思っていませんか?

傾聴力に対する自己認識は、たいていの大人が「自分は人並み以上だ」と思っているらしい。まあ実感値ありますね。「この人は本当に自分の話を聞いてくれるなあ」より「この人は自分の話なんか聞いてくれない」の方が台詞としてよく耳にしますし。自己中心的な人間様は他人を低評価をくだすから、相対評価の中で自分の傾聴力は高くなるのでしょう。このnoteを書いているカフェの隣席でまさに「話しを聞いてくれない!」論争を繰り広げているご夫婦が。

今日はこの「傾聴力」とはなんぞやについて。ハーバード・ビジネスレビューに掲載された論文の中で、ジャック・ゼンガーさんとジョセフ・フォークマンはこう言う。

「優れた傾聴とはスポンジではなくトランポリンだ」

なるほど。これはなんとも。うまい表現。

一般生活でも部下との面談でも営業時のヒアリングでもなんでも、一般的に傾聴といえば、①相手が話している時には話さない。②表情や相づち(「ふむふむ」)を通じて、熱心に聞いていることを伝える。③相手が言ったことを繰り返す、なんてことを意識しませんか?

でもこれでは優れた傾聴とは言えないと論文の中では切り捨てられる。優れた傾聴には発見や洞察に繋がる質問を投げかける双方向性が含まれているのだと。決して黙って聞いていれば良いわけではないのだと。

優れた聞き手は、相手が言っていることをしっかり吸収するスポンジのような存在ではない。相手のアイディアやエネルギーを吸い取るのではなく、相手の考えを発展させ、活性化し、明確にする存在だ。

単に受動的に吸収するのではなく、積極的に支援することで、相手の気分をポジティブにする。それにより、話し手はエネルギーを得て、高みに行けるのだ。まさにトランポリンでジャンプしているかのように。

なるほど。やっぱ良い聞き手って、討論とかディベートではなくコーチング的なんだよなあ。質問といっても詰問になってはいけない。質問には圧迫感ではなく安心感がないといけない。この人と会話をしていると、自分の考えが整理される。すっきりする。自然とネクストアクションが生まれる。答えが出る。みたいな。黙っている人でもなく、挑んでくる人でもなく、導いてくれる人なんだよね。

これってとても大切だと思っていて。「傾聴力がある=共感力がある=人間力があるなあ」だけではなく「頭がいいんだなあ」にも繋がる。「IQもEQも高いなこの人」に繋がる。

なぜなら知性レベルは質問の鋭さに比例すると思っていて。質問により話が整理され、質問により話の底が深まって本質が浮き出てくる。これって瞬時に内容を咀嚼して一般的な価値観や自分が保持している情報や価値観との差分を見抜き、打ち返すってこと。頭がよくないと、良い質問はできない。語彙が豊富だとか博識だとか、そんなことから知識量は感じても知性は感じない。トランポリン型の傾聴ができたら、頭いいと思われて、人間力あると思われて、知らぬ間に友達が集まり、女性にモテる。

「聞き上手な人は好かれるって聞いたのに、なんで自分はモテないのだろう」と思っている人へ。傾聴レベルが低いらしいぜ。脱スポンジ人間!

では。

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