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譲歩という行為は、想像の10倍奥深い。そしてこうすれば譲歩マスターになれる

しゅんしゅしゅんです。

譲歩という行為、想像の10倍くらいは奥深いですよ。

譲歩をマスターして、譲歩のプロになれば人生は好転するって書いたnoteの続き。

交渉術の中でも譲歩のワザで「なぁぁるほどぉぉ…」ってつい口をついて出てきたものを、備忘録も兼ねて紹介します。きっと意識するだけで役にたつはず。

長くなるので、気になる部分だけでもお目通しくださいませ。「交渉術が気になるかもー」と思った方はこちらのnoteを。良き本をご紹介してます!

それでは備忘録スタート~

■落としどころを考えるリスク

交渉では「落としどころ」という言葉がよく出てくる。しかし「落としどころ」の言葉自体が持つイメージに注意。

最初から「落としどころ」を探してもいいと思ってしまった段階で、「今日は譲歩しても構わない」「交渉では、譲歩以外に選択肢がない」と思いこんでしまう。


たとえば、「この取引先は、値引きすると喜んでくれるので、値引きするしかない、これ以外に方法はない」と考えてしまう。うまく合意してもあとになって全然利益が生み出せないという結果になる。

どこまで譲っていいか、どこからは譲れないか。そのラインを考えることのない安易な譲歩はスピード感があったとしても交渉上手とは言えないのだね。

(参考:戦略的交渉入門)

■ウィンウィンという言葉に騙されない

「お互い譲歩して交渉成立!これでウィンウィンですね」だけではダメ。

ウィンウィンなんて曖昧な言葉でごまかすことなく、自分たちの利益がどの程度反映できたかを具体的に評価すべし。


「落としどころ」と同様、決まり文句は思考をせばめる危険性がある。他には「損して得とれ」とか「今後のよいおつきあい」だ。

特に「今後のよいおつきあい」は危ないな。先方に「今後のよいおつきあいとはどういうことですか?」と聞くわけにもいかず。その言葉に引きずり込まれてしまう。

(参考:戦略的交渉入門)

■譲歩の鉄則

①無条件の譲歩は絶対にしない
②「相手にとっては価値が高いが、自分にとっては価値が低い条件」を譲歩の対象とする。

この2点だけ意識してればいいくらい本質的な鉄則。

「相手が何を重視し、何を手に入れたがっているのか」は決めつけてはいけない。想像することは大切だが、ストレートに聞くに越したことはない。最も大切なのは値段にきまっている、なんてことはない。

営業職時代に先輩からこんな金言をもらった。

「その担当者は先方の会社内で何を達成指標として追っているのか?その担当者はどうやったら先方の会社内で昇進するのか?昇給するのか?聞け」

例えば、予算がゆるい会社だと値段よりトラブル時のサポート体制の方が重要だったりする。なぜなら担当者はコスト削減目標ではなくトラブル削減目標をもっているからみたいなことだ。

(参考:武器としての交渉思考)

■譲歩は軽々しく受諾しない

相手の譲歩があまりにも魅力的な提案だったとしても、けっしてすぐに受けてはいけない。本当は「そんなラッキーな提案いいの?」と思っても、表情には出さずいったん「考えさせてください」と言うべき。

なぜかというと、そうすることで相手側からさらなる譲歩が引き出せることがあるからに加えて、相手側が気持ち良くなるから。

すぐに受諾してしまうと、相手側が「せっかく譲歩したのに大した意味がなかったのか」と思ってしまい、不満が残る。譲歩を受ける場合でも、相手に「譲歩しすぎたかな」と思わせないようにすることが大切。

これは本当に大切ですね。1回きりの販売でない限り、交渉合意から関係が始まるのだからお互い気持ち良く終わったほうがいいし、合意しても交渉は続く。

初回交渉で譲歩しすぎたかなと思わせてしまうと、次回交渉で譲歩が引き出しにくくなりますもんね。

(参考:武器としての交渉思考)

■沈黙に耐える

交渉時に両者の条件が譲れないことから気まずくなってしまうことも少なくない。そんなときにその場をとりあえず収めるために「わかりました、じゃあこうしましょう」などと譲歩してしまいがち。

しかし、こんな時も3分でも5分でもずっと黙っているようにすべき。そうすると向こうが気まずくなって「わかりました。じゃあ上司と相談してきます」と折れてくることも少なくない。

沈黙に耐えることは、いつなんどきも難しいことだ。沈黙できる人は強い。沈黙できるということは、譲れない条件と譲れる条件が明確になっているということだし、交渉の目的達成に強くコミットしているということだろう。

(参考:武器としての交渉思考)

■情報の隠蔽はそのまま取引の道具にする

なんかしらの事情で相手が情報提供を意固地に拒むことがある。

「うーん困ったなあ」と腕組みするのではなく、これはこれで取引するチャンスと捉えることができる。

「わかりました。ではそのかわり(=あなたが情報を出さないなら、わたしは正当な判断できなくてリスクがある)に〇〇の条件をつけてください」といった具合だ。

逆にいうと、社内事情で情報を出せないということは危険な状態でもある。のちのち不利な条件をつきつけられる危険があると考えておいたほうがいいね。

(参考:武器としての交渉思考)

■自分が重視していることは言う。何を重視していないかは言わない

自分が何を重視しているかは素直に答えたほうがいい。なぜなら相手が自分が重視していることを優先的にかなえようとしてくれる可能性が高くなるから。

でも何を重視していないかは、正直に答えないほうがいい場合がある。

争点が3つあって、本当はABCのAだけが優先順位が高くても「ABは譲れない。Cなら譲れる」と言っておけば、交渉の過程で本当は重視していないBを譲歩することで、Aでよい条件を引き出せる可能性が出てくるからだ。

ずるいけど、うまいなあ。

(参考:プロフェッショナル・ネゴシエーターの頭の中)

■譲歩したらすぐ譲歩を求める

返報性の理論だが、ひとつこちらが譲歩すれば、相手にもお返ししなければならないという感情が生まれる。そこで、相手が自発的に譲歩を言い出さなければ、こちらからすかさず譲歩を求めるようにすべき。

逆に譲歩を受けたらすぐに譲歩を返す必要はないが、譲歩を与えた側は時間が経つにつれ大きな譲歩を求めるようになるので注意。

譲歩されたら譲歩しておくのがいいね。それが、こちらは重要ではなく相手は重要なことの譲歩なら、なおよいね。

(参考:プロフェッショナル・ネゴシエーターの頭の中)

■値下げ交渉されたらどうする?

値下げ交渉に応じざるを得ないときは、最初から大きく譲歩してはいけない。ほんの少しだけ譲歩することで、譲歩の余地がほとんどないという印象をあたえるべき。

最後に大きく、譲歩する際は、その価格で必ず合意できるかを確認しておくべき。さもないとさらに交渉できると相手に思われてしまうかもしれない。

さらなる値下げ交渉を防ぐためのひとつのワザとして、あえて受け入れられなくてもいい別の条件を新たに持ち出してこれ以上の妥協の余地が一切ないことを印象づける。

いかに限界かを、あの手この手で伝えないと強欲な人間はもっともっとってなりますからね…

(参考:プロフェッショナル・ネゴシエーターの頭の中)

■譲歩は社外ではなく社内との闘い

社外ではなく社内のプレッシャーに負けて、面倒くさくなって、早く逃れたくなって、過剰に譲歩して交渉を終わらせてしまうのは、あるあるパターン。

交渉は、外部の相手と闘っているように見えるかもしれないが、実は、内部の闘いこそが重要。まずは自分自身との闘い、そして同じ組織に属する仲間との闘い。この内部の闘いを制して、獲得目標を最小に絞り込み、残りは譲歩するという整理ができれば、交渉は成功する。

自分の獲得目標を最小に絞りこんで交渉に臨めば、交渉は怖くない。交渉の場での微妙な押し引きの繰り返しも必要ない。あとは自分の獲得目標さえ得られるように、相手に合わせて譲歩のカードを切りまくればいいだけだ。

これ、すごく実感がある。こんなに譲歩したら上司や部下や同僚がなんと思うかな…なんて思うことがある。でもその譲歩が犠牲にしていいものであればいいのだ。絶対に譲れないものが守れれば、スピード感があるほうがいい。どんだけ譲歩しようが成功だと思おう。

(参考:交渉力)





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