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治療院のホームページは本当にWordPressがおすすめなのか?

治療院や整骨院、鍼灸院を運営されている方々に向けて、ホームページ制作に関するちょっとした記事を書きましたのでお読みいただければと思います。

最近、多くの治療院(整骨院・鍼灸院など)からホームページ制作の依頼が増えています。

特に目立つのは、既存のホームページをリニューアルしたいという要望です。 

その際にお知らせやブログを更新する機能が欲しいのでWordPressにして欲しい!

という要望も多々いただいております。

しかし、本当にWordPressが最適な選択肢なのでしょうか?

今回は、WordPressの利点と課題、そして新しい技術選択肢について詳しく見ていきましょう。


スマートフォン時代のウェブサイト

まず押さえておきたいのが、スマートフォンの普及が治療院のホームページの在り方を大きく変えたという点です。

現在、ホームページへのアクセスの約8〜9割がスマートフォンからです。
つまり、ウェブサイトはスマートフォンでの閲覧を最優先に考える必要があるのです。

Webサービス制作の現場でも、スマートフォン表示を基準にデザインするのが主流になっています。

2000年代前半に作られたパソコン向けのサイトを今でも使っている治療院も少なくありませんが、時代の変化に合わせてウェブサイトも進化する必要があります。

・タップしやすいボタンサイズ
→ 予約ボタンや他ページに飛ぶリンクなど

・スクロールしやすいレイアウト 
→コンテンツが長すぎず、余計なエフェクトを入れない。横スクロールを入れないなど。

・読みやすい文字サイズ
→小さすぎず、逆に大きすぎて改行が増えないように

・コントラストの高い配色や色使い
→治療院等のHPでは赤など「危険」を感じさせる背景色などは非推薦。

・画像の最適化
→重すぎるjpgやpngをなるべくwebpに、画面サイズ応じたアスペクト比の設定など

このようなところをベースにスマートフォンを基準としたWebのサービスが今日では作られています。

治療院・整骨院・鍼灸院を取り巻く環境

治療院や整骨院、鍼灸院は今や、コンビニよりも多く存在していると言われています。

そのような環境の中で自院の価値を示し、困っている患者さんを呼び込むには、魅力的なホームページが欠かせません。

魅力的なホームページとは単におしゃれなホームページというわけではなく、ペルソナに響く情報が掲載されているホームページと定義します。

それらのオリジナリティのあるサイトは、他院との差別化を図る上で非常に重要です。

従来ではGoogle検索、いわゆるSEOで上位表示させるということが最優先とされ、ホームページもそのように設計されてきました。

しかし最近では、GoogleマップやInstagramやホットペッパーなどのツールも幅広い世代に普及し、ホームページの役割も変化してきました。

単なる情報を羅列してキーワードで検索上位表示をさせて患者さんを呼び込む場所から、より狙った患者さんに刺さる名刺のような役割を担う役割へと進化してきていると感じます。

治療院数が増えて、混沌としている中で色々なデジタルマーケティングコンテンツからの流入経路を整理してその全てのものを束ねるツールとしてこれからもホームページは大事な存在となると思います。

そういう意味でもやはり治療院にはSNSだけでなくホームページを持っていて欲しいなと感じます。(飲食店も)

WordPressの利点と課題

前置きはこれくらいで….

「治療院HPを作るとき本当にWordPressがおすすめか?」

という本題に入っていこうかと思います。

少し専門的な話になりますが、今現在多くの治療院のホームページはWordPressと呼ばれるツールで作られています。

https://ja.wordpress.org/


WordPressは長年、使いやすさと拡張性で多くのサイトの基盤として選ばれてきました。

アメリカ大統領が居住するホワイトハウスのホームページもWordPressで作られているくらいです。

https://www.whitehouse.gov/


しかし、WordPressにも当然いくつかの課題があります。

そしてこのWordPressで作るホームページが、ある程度予算をかけれる中小企業くらいなら非常にコスパが良いと考えますが、

ホームページ等広告費にそれほど予算をかけられないというより費用対効果が得られない小規模治療院には向いていないのではないかと考えます。

その理由は以下となります。

・セキュリティリスク
→ アップデートが頻繁に起こるので管理をサボるとプラグインの脆弱性などによる攻撃の対象になりやすい。

・表示速度の問題
→ WordPressの最大の弱点と言っても良い表示速度の速さ。特に画像など最適化設定がしっかりされていないと重いサイトになってしまう。

・定期的な更新の必要性
WordPressのバージョンやプラグインの更新作業、それによる内部のソースコードの更新が頻繁に必要になってきます。
そのため保守や管理に費用がかかってしまう。

というところが挙げられます。

加えて必ずレンタルサーバーを立てないとサイト表示ができないという理由で総合的な運用コストがかかってしまうというところです。

そこで運用や管理費用を最大限に抑えつつ、
WordPressの弱点を補完した新しいWebの技術がここ数年で人気を集めてきました。

新しいウェブ開発技術「JamStack開発」

今日、Web業界で注目されているのが、「JamStack開発」といった新しいWeb開発技術です。

この技術でWebサイトやサービスを開発することで、特にパフォーマンスとセキュリティの面で大きな利点があります。

これらの技術を使用したサイト開発では、静的サイト生成(SSG)という方法を用いて、高速で安全なウェブサイトを作ることができます。

簡単に言えば「とても高速で動く、安全なウェブサイトを作る方法」だと理解してください。

実際に制作したサイトのパフォーマンス

実際にこれらの技術を利用して制作したとある治療院のホームページですが、

PageSpeed Insightsというサイトのパフォーマンスを測定するサービスで素晴らしい数字を出しています。

一方でWordPressのSwellと呼ばれている今最も注目されている有料テーマで作られたサイトのパフォーマンスの点数は高くて80点前半くらいの数値です。

※著作権の観点からこちらは画像が提供できないことご了承お願いします。

PCは比較的高スペック性能なのでそれほど表示の差は出ませんが、

スマートフォンでは結構違いがわかると思います。

以下に「JamStack開発」の利点をまとめました。

高速なページ読み込みと表示
→ 患者さんがスマートフォンでもストレスなくサイトを閲覧が可能。

SEO対策の強化
→ 高速なページ読み込みと表示によってユーザーフレンドリーのサイトと認識されるのでSEOの順位アップもしやすくなる。

セキュリティの向上
→ WordPressのようにサイト本体の管理画面にログインする必要性やプラグインなどのセキュリティホールになりやすい部分が殆ど無い。

コスト削減
→ バージョン等の更新等が少ないので、長期的運用を考える場合コストを削減できる。

コンテンツ管理の柔軟性
→ microCMSなどのヘッドレスCMSを使うことで、サイトの更新が非常に簡単になる。

治療院や整骨院、鍼灸院のような地域密着型のビジネスにとって、ホームページの表示速度は非常に重要です。

なぜなら、潜在的な患者さんがスマートフォンで検索した際、ページの読み込みが遅いとすぐに離脱してしまう可能性が高いからです。

患者さんは時間の無い移動や合間の時間を使って莫大な治療院の中から効率的に治療院を探します。

リンクを押しても1秒で表示されなければほとんど離脱してると言って過言ではありません。

ただ当然「JamStack開発」にもデメリットは存在します。

課題と対策

実装コスト / 実装者が少ない
→ 新しい技術なのでまだ日本全体で見ても実装できたり、その技術を使用していない制作会社が多いので料金が割高。
加えて開発者の学習曲線も高いので人材が貴重である。

WordPressに慣れている人にとっては馴染みにくい
→ WordPressではあらゆる機能を簡単にしたプラグインがあるが、デフォルトで存在しない。
同じ機能を作る場合さらに料金がかかったりするので既にワードプレスでサイト運用している治療院にはあまり向かない。

新しい技術なので情報リソースもWordPressよりも断然に少なかったりと、
まだまだこの新技術がWordPressの代わりになるとは思えません。

しかし、

スマホ対応していないサイトをリニューアルしたい!

これから新規開業でホームページが欲しい!

という治療院様にとっては大いにこの新技術でホームページを制作して他院との差別化することも可能ではないでしょうか。

治療院ではありませんが、

あのセイリンの鍼で有名な、「セイリン株式会社」様のホームページにはこれらの新技術が採用されています。

まとめ

ここまで、治療院や整骨院、鍼灸院のホームページ制作とWordPressや新技術のJamStack開発で作るホームページ制作について書きましたが、

最後に、もう一度重要なポイントをまとめておきましょう。

  1. スマートフォン時代に合わせたホームページの重要性

  2. WordPressの利点と課題

  3. 新技術(JamStack開発)の活用による高速で安全なサイトの実現

  4. 競合他院との差別化を明示したコンテンツの重要性

  5. 患者さんのニーズに応える情報とデザインの提供

  6. ホームページを通じた自院の強みと特徴のアピール

これらの要素を組み合わせることで、治療院や整骨院、鍼灸院のホームページは、単なる情報提供の場から、患者さんとの重要なコミュニケーションツールへと進化するのでは無いかと考えます。

高速で安全、かつ柔軟性の高いホームページを実現することで、新規患者さんの獲得や既存患者さんとの関係強化につながることが期待できます。

ホームページのリニューアルを検討している治療院や整骨院、鍼灸院の皆さま、この機会にWordPressに代わる新しい技術の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

まだまだ発展途上の技術ではありますが、ここ数年で急激に進化しており、長期的には運用コストの削減やユーザー満足度の向上につながる可能性が高いです。

患者さんとの新たなコミュニケーションの扉を開く、魅力的なホームページづくりに挑戦してみてください。

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