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売れてるバンドが小さなライブハウスに出演すべき理由。

もはやライブの時代です。デヴィッドボウイが10年かそれ以上前に予告した通り腰の重いベテラン勢も一斉にツアーに出るようになりました。数年に一度アルバムを出すだけで稼げた時代は遠い昔のように感じます。

音源だけで稼げた時代が特殊だったのかもしれません。レコードの時代の前は音楽家は興行で稼ぐしかありませんでした。その時代に戻っただけのことです。生で音楽を聴かせることで利益を得る、という本来の形態に戻ったとも言えます。

ライブで効率良く稼ぐには一度に多くの人に観てもらう必要があります。大きな会場のみでツアーを組みます。皆んなそれをやるのでライブの本数が増えます。お客さんがどのアーティストのライブを観るかという選択肢は増えましたが、選ばれないことも増えます。選ばれるためにも宣伝が必要ですが、ここでようやく書きたいところまで辿り着きました。

大会場でのライブをやりながらたまに小さなライブハウスでやってください。

若い音楽家に向けて普段は書いてますが、その方々は将来このことを覚えておいて欲しいし、売れてるバンドにも今回は読んで欲しいです。

売れるまでにお世話になったライブハウスがあると思います。売れたら恩返ししますと言って恩返ししないまま売れてしまったあなたのバンドのことをそのライブハウスは今どう思ってるでしょうか?

武道館での初ライブくらいではもはや話題にならなくなってしまいました。その翌週に小さなライブハウスでのライブを発表してください。大きな話題になります。ライブハウスも喜びます。ライブハウスシーンの宣伝網に載ります。アンダーグラウンドの隅々まで張り巡らされた口コミとネットであなたのバンドのことが噂になります。そして彼らは一生忘れません。ずっと応援してくれます。あなたのバンドを知らない人も興味を持ってくれます。素敵なバンドだなと思って好意的に音源を初めて聴いてくれます。そして好きになろうとして好きになってくれます。

売れてるバンドが小さなライブハウスでやることの意味は音楽家や関係者、お客さん一人ひとりにとって想いは違うと思いますが、初の武道館公演以上に忘れられないものになるかも知れません。

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