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一人旅日記2019夏 初日

初日のスタート地点は郡山。厳密にいえばその前の日にバンドで郡山に遠征をしていたので2日目になるのだけど、常に誰かと一緒にいてあまり一人旅という感じはなかったので、今年はこの日の郡山をスタートにすることとした。

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前の日に1時ごろまで超飲んだくれてしまい、宿で目覚めたのは8時過ぎ。無理くりシャワーを浴びて郡山駅へ向かう。今回の旅の目的は「とりあえず北へ」。自分のルーツとか興味関心が西に多いこともあって、全く足を踏み入れてこなかった東北へ行こうとだけ決めていた。

しかし調べていくと、東北はゲストハウスが極端に少ないことが分かってきた。普段なら無理やりにでもゲストハウスを探すのだけど、どうやらそれも難しいらしい。ということで今回は宿泊地や日程を調整し、普段避けているビジネスホテルも駆使することになった。幸い大半の日程で宿は確保できたものの、1日だけ最後まで宿を決められない日が残った。それが初日。

宿がないのはもう仕方ない、ということでこの日は戦法を2つ考えていた。ひとつは郡山のライブハウスでもう一日遊ぶこと(自分が出ていたイベントは2daysの初日だった、つまり遊べる)、もう一つは明日以降に備えて適当にどこかの街へ向かうこと。

どちらを取るかその場で決めればいいやと思っていたものの、いざ判断をするとなると…正直どっちでもいい。どちらにせよ楽しいはず。さんざん悩んだけれど、友達と遊ぶのは昨日やったしということで、どこかの街へ向かうこととした。

とはいえ目的地のない旅。目的地を考えるのもめんどくさくなった自分は、「一番最初に来た電車に乗る」ゲームで移動することにした。ルールは次の通り。

・駅で一番最初に来た電車に終点まで乗る
・元来た方向に戻っていく電車には乗らない
・夕方らへんまでやって、適度に宿がありそうな街でやめる

そうして郡山駅の改札の電光掲示板を見る。この駅からは仙台方面、会津方面、水戸方面の3方向に向かうことができる。一番最初に来るのは、、会津若松行き。ということで最初の目的地は会津若松になった。このあとのことを考えたら変に水戸方面とかにならなくてよかった。

40分くらい駅で時間を潰したら、会津若松行きの電車に乗り込む。電車は会津若松を出るとすぐにのどかな風景の中を走りだした。最初の数駅はまだ住宅地らしい雰囲気もあったけれど、それも一瞬。どんどん山のほうへと向かっていく。

途中猪苗代湖のそば(見えなかったけど)を通って、会津若松に着いたのは12時ごろ。会津若松から乗れるJR線は新潟市内の方に通ずる磐越西線と、同じ新潟でもちょっと南のほうに出る只見線。後者はローカル線として有名で、仮にこちらの電車が先だった場合、乗り継ぎや宿の面でかなり厳しい旅になる。恐る恐る電光掲示板を見ると次の電車は、、10分後の磐越西線喜多方行き。セーフ。会津若松でお昼を食べたいところではあったものの、こうなったらお昼はラーメンだ。

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喜多方までは15分くらいで到着。次の電車は1時間後の野沢行き。野沢ってどこ…。そしていざラーメン屋と思ったらなんとまあ、駅前に店がほとんどない。どうやら市街地は駅から離れたところにあるらしい。1時間で行ける距離じゃないなあと思い、駅前の中華料理屋さんでとりあえずラーメンをすすった。味はとにかく普通だった。

ラーメンをすすっただけで喜多方を後にし、向かうは謎の駅野沢。喜多方から数駅でついたこの駅、改札業務を受託しているらしいおばちゃんが地元の人と話しているのを横目に改札を出てみると…やはり何もない。次の電車は1時間半後の新津行き。調べると少し歩いたところに道の駅があるようなので、とりあえずそこに向かうことにした。

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おそらく街のメインストリートなのだろう駅前の通りはひたすらシャッター街。宿、電器屋、美容室、ありとあらゆるお店のシャッターが閉まっていた。昔はもっと活気があったんだろうなあ。思えば駅の設備も電車の折り返しができたり、駅前にロータリーがあったりと、かなり立派だった。何十年前だったのかわからないけど、この駅がにぎわっていたころはどんな雰囲気だったのだろう。セミの鳴き声だけが賑やかな通りを歩きながら、そんなことに思いを馳せた。

その後は新津行きの列車に揺られた。新津に着いたのは17時過ぎ。「ここで新潟行きが来たらいい感じだな…」って思っていたら着いた目の前のホームに新潟行きが滑り込んできた。これでこの日の新潟一泊が決まった。なんとよくできたエンディング。18時新潟駅に着き、駅前のドトールで適当な安さのビジネスホテルを予約しチェックイン。一番最初に来た電車に乗るゲームは終了となった。

これまで旅をするならばあらかじめ宿を抑えることを大前提としていたのだけど、こういう何もかもが決まっていない旅も楽しいなあと感じた一日、これにて完結。

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