【開催レポ】スタートアップで働く弁護士の学び場vol.1:アーリーから上場後まで、スタートアップ内で弁護士ができること
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【開催レポ】スタートアップで働く弁護士の学び場vol.1:アーリーから上場後まで、スタートアップ内で弁護士ができること

スタートアップで働く弁護士の学び場は、新しい事業会社でのキャリアを歩む先輩弁護士とのつながり、気づきを得ることのできる弁護士限定のキャリアイベントです。

第1回は、LINE株式会社 法務室 室長 葛城 新平氏、MICIN株式会社 Public Affairs/Legal 浅原 弘明氏、株式会社カンリー コーポレート部 勝連 孝司氏 の3名をお迎えして2021年8月19日に開催いたしました。

近年増えつつある、スタートアップや事業会社で働くという弁護士のキャリア。そこには法務に加え、時には経営や事業にも関わる場があります。
そこにある魅力とやりがい(と、大変さ!)があるのか一足先に踏み出した先輩より一歩進んでみて見えてきたことをお伝えし、新しいキャリアに踏み出す方を応援することが目的です🔥

質問者役は、Beyond Next Venturesにて、スタートアップでの新しいキャリアデザインを応援する執行役員 鷺山が務めました。

<登壇者様>
LINE株式会社 法務・コンプライアンスセンター 副センター長、法務室長
葛城 新平氏

東京大学法学部、京都大学法科大学院、UC Berkeley Law School(LLM)卒業。長島・大野・常松法律事務所、野村綜合法律事務所(その間に伊藤忠商事への出向)を経て、2018年7月にLINE株式会社に入社。2021年6月に同社法務・コンプライアンスセンター副センター長、法務室長。 また、医療ベンチャーであるLily MedTechの法務アドバイザーも務める。 趣味は子育て。

MICIN株式会社 Public Affairs / Legal
浅原 弘明 氏

弁護士。慶應義塾大学法学部法律学科、東京大学法科大学院、University of Virginia School of Law(LLM及びVisiting Scholar (Healthcare Law))。司法試験合格後、シティユーワ法律事務所、 Hughes Hubbard & Reed法律事務所、株式会社MICINに勤務。医療・ヘルスケア領域を専門に活動。経済産業省セルフケアを支える機器・ソフトウェア(プログラム)に関する検討委員会及び同WG(仮称)、医療機器開発ガイドラインニーズ検討分科会委員。趣味は料理(茶色)。いつも半袖。

株式会社カンリー コーポレート部
勝連 孝司氏

弁護士、京都大学法学部卒業、京都大学法科大学院修了。2018年に弁護士登録し、長島・大野・常松法律事務所で執務を開始。紛争解決、知財や労務を中心に、様々な案件に従事。約2年半の執務後、株式会社カンリーに入社。カンリーでは、経営企画、資金調達、IPO対応(と法務)などを担当。現在でもスタートアップ支援を中心に弁護士業務を継続し、他にもシード期のスタートアップに共同経営者として関与している。趣味は船舶運転(1級小型船舶免許)、ダイビング(アドバンスド)、テニス、旅行など。一番好きなアニメはハイキューとヒロアカ。座右の銘は「才能は開花させるもの センスは磨くもの」(ハイキュー)

パネル「スタートアップの中でできること」

事業会社内の法務としてはどんな体験がある?

鷺山:勝連さんは業務の30%程度が法務と伺いましたが、どんな法務対応が多いでしょう。事務所時代とは違いますか?

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勝連:今は労務、知的財産権、独占禁止法的な対応でしたり、IPOに向けての対応が多いですね。あとは、利用規約を使用して契約を締結するように業務フローを変更したりもしています。労務管理系でいえば、当社はフルリモートかつフレックスを導入する予定があって、その中でどういう労務管理体制を敷くかということも考えています。
法律事務所の時のように、外部の法律の専門家として関わるのとは違って業務フローを整えて、効率化していく、何もないところから法律の知見を活かしつつ制度を作っていくみたいなことが多いですね。
事業を整備する仕事は面白くて、こういう仕事がしたくて入ったという背景もあります。

浅原:私はエフォートを50%:50%で、パブリックアフェアーズとリーガルを担当しています。スタートアップらしい法務としては、資金調達もしている会社なのでファイナンス関連の対応も結構あります。

私たちは医療機器の規制業種でもあるので、規制対応や、その規制の中で事業をどう進めるべきかがクリアになっていない時に、進めそうな方向を戦略的に定める事にも関わっています。事業が始まる前からゴリゴリと議論に入っていくという場面もあり、そこは特徴的だと思います。
同じ業種でも大手企業の中では、規制対応は薬事部などの別部署が担当をしていることが多いので、そこも丸っと自分でみられるというのは良い経験になっているところです。

鷺山:葛城さんは法務のお仕事が100%で、かつチーム人数規模も数十名という中でどんなお仕事を担当されていますか?

葛城:今は法務室長という立場でもあり、自分で契約を見るようなことはあまりなくなりました。
ただ、マネジメントに特化しようと思えばできる環境なのですが、自分でプレイヤーとしてもやりたいという気持ちが強いので、大きな投資案件であったり、重要度の高いプロジェクトへの対応を中心に実務対応も担当しています。
ざっくりとプレイングマネージャーとしてプレイヤー5割、マネージャー5割位という働き方をしています。

会社では新規事業も多く立ち上がり、スピード感を求められる環境です。なので、法務もすぐ回答を返して、法務がボトルネックで事業を止めるということがないようにスピード感が求められます。以前出向していた企業もスピードは早い方でしたが、そこと比べてもテック系のスピード感は違うと感じています。

新しい挑戦で、新しい成長が始まる

鷺山:浅原さんは、パブリックアフェアーズを兼務されていますがどうしてこのような形態になっているのでしょう?

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浅原:法務として手伝っている中で、丁度そのポジションがあって、ちょっとやってみたという背景です。

でも実際にやってみたら意外と親和性があって。これはルールの裏と表なんだなと。自分が興味のある医療ヘルスケアの分野を、仕組みが議論され、作られていく反対側からみられるというのは良い経験だなと思っています。

当初それをやるという発想はなく、事前にスキルを蓄えていたということもなかったので、地味に苦労してます 笑

鷺山:弁護士の経験がいきているところはありますか?

浅原:はい。この仕事は、今のルールに対して、自分たちがやりたい事にそぐわない部分を変えていく活動です。論点を抽出するには法律を読まないといけない。そういった一般の人が読む気がしない文章を、苦痛じゃなく読めるというのが一つ。あとは、通達や行政文書を読む必要があって、法律や行政法などそこの肌感があることは生きています。

鷺山:勝連さんは、20%は経営企画を担当されているそうですが、未経験でできるものですか?

勝連:一人でやっているわけではなくて、公認会計士資格のあるCFOの方や社内の元経営コンサルの方と連携しながら進めています。その知識は全然なかったので、必死に頑張っているところです。今まで弁護士として数字を扱うことはないのでOJTでやってます。とりあえずやってみろみたいな 笑

鷺山:そこにどんな成長がありますか?

勝連:やってみて自分が知らなかったことが多いなと思います。財務諸表の読み方もそこまで深く考えたことはなかったですし、ましてやスタートアップの予算やKPIの設定の仕方などは全く考えたことはなかったので、そういうことを学べたのは非常にいい経験だと思います。

また、資金調達に伴ってVCや銀行と話す機会もありますが、法律事務所で弁護士でやっていた時には学ぶことができなかった、VCや銀行がどこを見てお金を出しているのかの肌感覚も徐々についてきました。将来的に更に経営に関わりたいと思っているので、お金を集める能力が身につくのは経験になっています。

鷺山:LINEさんは、新しい事業領域を法務が支援されることも多いと思います。その点で成長を感じる部分はありますか。

葛城:ありますね。これまでに先例のないビジネス、例えば暗号資産であったり、その他のフィンテック領域の事業を立ち上げるときなどは、過去の金融サービスとは違う規制対応を考える必要があります。LINEはさまざまな新規事業にチャレンジしているので、その意味で、常に学びはあります

あとは、私個人のタスクとして、最近は企業のガバナンスやリスク管理についても関与することが多いのですが、ここは自分も新たに学んでいる部分で、ストレッチになっています。

なぜスタートアップ・メガベンチャーへ?

勝連:私の場合は、勢いです 笑
元々事業や経営に興味があって、経営コンサルなども興味があったんです。そんな時に、偶然ビジネスマッチングアプリで今の代表会って強く口説かれまして。上場を目指すステージも良いかなと思ったのと、弁護士業をやりながらでいいという話もあって、事業会社に行ってみようかと思いました。

鷺山:迷いましたか?

勝連:迷いましたね、収入も変わりますし。実際は、話した翌日にはほぼ決めていたんですが、最後決めきるまでには弁護士の同期の仲間にも相談をして決断しました。

浅原:私の場合は、留学から帰って医療・ヘルスケアで活動をしたいなと思っていました。特にスタートアップに興味があったので、まずは知り合いを増やそうと色々な人と会っていました。
その時に、ひょんなご縁で、知り合いが現職のCFOとつながりがありまして。丁度弁護士も募集しているということで。まずは一旦中に入ってみようということで、週3日位で業務委託を始めました。まずはお友達からということで 笑

フルコミットの判断はだいぶ迷いました。1社に入っていいのか、広く関われる立場がよいのか...。
その意思決定を、入る方にドライブをしたのはコロナという時流でした。目の前で、今まで3年4年かかって動かなかったオンライン診療規制が、時限的とはいえ一晩で変わったり。
嵐が吹いているところが楽しそうだ。ここで、法務とパブリックアフェアーズを両方させてくれるなら面白いんじゃないかということで決めました。

鷺山:葛城さんは現職に入る前に、その領域の法務経験なしということで転職活動で苦労をされた場面もあったそうですよね。分野の違う法務への転職は難しいのでしょうか?

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葛城:一般的には、一人法務体制の会社だと、これまでその領域の法務をされたことがない方に、いきなり一人で任せられるかというと難しい部分もあると思うんですよね。
逆に大手企業、例えばLINEであれば、即戦力でなくてもポテンシャルのある人が活躍できる余裕があるんですよね。未経験の方には、ある程度受容力のある大手に入って経験を磨くという選択肢もあるかもしれません。私の場合もそういう意味合いも含めて、現職を選択しました。

法律事務所から事業会社への転職の際に年収がネックになるケースも多いと思いますが、ワークライフバランスも考えての判断になるかと思います。

事業会社であれば、事業に近いところで仕事ができるので、ビジネスに興味がある人は、インハウスでやることは価値があると思います。

スタートアップはなぜ弁護士を求める?

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イベント後段では、スタートアップでの弁護士募集事例紹介も行いました。
1. 株式会社I'm beside you
オンラインセッション参加者の表情・音声を解析し、参加者一人一人の反応をフィードバックするサービスを企画・開発。
募集:日印で事業を展開するにあたり、英語+個人情報保護法制にお詳しい弁護士様、副業可
2. アイリス株式会社
深層学習(人工知能技術)によって医師のもつ匠の技をデジタル化。咽頭の画像をもとに画像診断技術を用い感染症を診断する機器を開発。
募集:AI医療機器の市場投入に向けて、事業企画・事業推進に関わりたい弁護士様、副業可。

※現在、LINE様でも弁護士の募集を行っておられるとのこと。ご興味あれば登壇者様におつなぎしますので事務局までご一報ください。

本キャリアイベントでは、実際に働かれている方をお招きし、そして新しい弁護士の活躍のキャリアモデルを模索してまいります。

ぜひ次回のご参加お待ちしております。

運営者: Beyond Next Ventures より皆さまへ
私たちは、研究・技術領域を対象とする国内最大級のアクセラレーター、リードVCです。1号・2号ファンド総額220億円を運用し、国内外のディープテックスタートアップ約60社へ投資を実行しています

スタートアップの中には、新領域を突き抜けるために、国内外の規制への対応や、中堅大手様とのディールを取りまとめるために、弁護士様、そして法務の方の知見を求めているスタートアップもございます。
(記事中でのケーススタディのように、法務としてではなく、事業企画・推進等のニーズもございます)

もし応募等ご興味をお持ちの方は、お気軽に事務局メールまでお気軽にご連絡ください。

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最後までお読みを頂きありがとうございました!
また次回のイベントでお会いできることを楽しみにしております。


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研究発スタートアップの共同創業経営者発掘・育成をしています。 共同創業マッチング|Innovation Leaders Program|起業版サーチファンド https://talent.beyondnextventures.com/ilp 挑戦者の道を敷く地道な活動に邁進🔥