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小学生の頃起きた事件が隠蔽されてたらしい。

突然だが筆者は先端恐怖症だ。

まあ色々理由が重なってというのはあるが、その理由の一つに小学生の頃起こった事件がある。

その事件は記憶が正しければ、筆者が小学2年生の頃に起こったものだ。

当時後ろの席の男子が自由帳に絵を描いていた。

筆者はその男子が何を描いているのか気になり、執拗に話しかけた。


「何描いてるの」

「うるさい」

「いいじゃん、何描いてるの?」

「黙ってて」

「ねえねえ!!」


小学2年生でまだまだクソガキの筆者は空気を読むことを知らない。

そしてその男子も当時はクソガキ。クソガキを宥める術を知らない。

執拗に絡まれたその男子の怒りのボルテージはどんどん上がり、ついには限界を迎えた。

「黙ってろって言ってんだろ!!!」


怒りに任せその男子は、絵を描くために握っていた鉛筆を思い切り振り下ろした。

そのペン先に運悪く、筆者の右手があった。

突き刺さる鉛筆、血の流れる筆者の右手。

すぐに当時の担任が駆けつけた。

筆者も男子もお通夜状態。

男子は自身でやってしまったことを、筆者は執拗に絡んだ自分が悪いのかもしれないということと傷跡をどう親に説明しようかという事を考えた。

そんな中担任は言った。

「お互い謝って、自分で保護者に説明できる?」

と。

筆者も男子もとりあえず謝り、筆者は保健室に連行された。

保健室の先生は手早く芯を抜き取り、消毒をしながら「これは跡残っちゃうかもしれないね」と言った。

筆者はこの時初めて泣いた。

家に帰ってからも親に言えなかった。何故か罪悪感が大きく言えなかった。

傷跡も転んだとか言って絆創膏で隠した。


それから数年が経ち、先日親と酒を飲んだ。

思い出話のひとつとしてその話をしたところ「そんな話担任から聞いていない」と言われた。

相手方の親からも何も言われていない。

件の男子も筆者も親に言わず、担任も親に事の経緯をマジで話さなかったようだ。

今ならわかる、担任は生徒の自主性に任せたのではなく、面倒を避けるため揉み消したのだ。

元小学生教諭にその話をしたところ、怪我をした・させた場合に保護者に連絡しないのは言語道断らしい。

この話を聞いてあの時優しかった担任という印象が、ただ面倒を避ける為に分け隔てなく接する大人という印象に変わった。

その鉛筆の跡は今でも残っている。先端恐怖症とかいう厄介な精神疾患も成人して尚消えない。

今更担任やその男子になにか言うつもりは無い。

しかしこの事件を隠蔽されていたという事実が、ずっと腑に落ちないと言うだけの話だ。

今だったら慰謝料位は貰う。そういう概念すらなかった小学生の自分は、そんな思考に至らなかった。

無知は罪だ。

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