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GOOPASSのリブランディングを1年間かけて行い、アドバイザリーチームに就任しました。

実は昨年の4月から約1年に渡って、カメラのサブスクサービス GOOPASS のお手伝いをしており、本日GOOPASSの新しいブランディングを公開しました。

そしてこの度、外部の人材がチームアップしGOOPASSの事業支援を行うアドバイザリーチームという取り組みを、フォトグラファーであり文学研究者の別所隆弘さん(@TakahiroBessho)と一緒にはじめました。

GOOPASSがこれから何を目指してリブランディングしたのか、そして私たちアドバイザリーチームがどんな取り組みをしていくのかご紹介します。


1. GOOPASSとは

GOOPASSは成長中のカメラのサブスクサービスのスタートアップ企業です。加入しているメニューに応じて、カメラ機材を幾らでも入れ替えることが出来るレンタルサービスを展開しています。先日、10億円の資金調達がひっそりとニュースになっておりました。


2. GOOPASSとの出会い

思い起こせば、あれは2021年の4月。

うちに迎えたばかりの子犬と遊び呆けていた春のある日、代表の高坂さんからFacebookでGOOPASSのデザインを見てほしいとメッセージをいただきました。

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何度かのミーティングを重ね、高坂さんのGOOPASS事業に対する熱意と、現在の事業上のデザインにおける課題を伺いました。

GOOPASSが目指している世界に少なからず自分と重なり合う部分があり、また、少し見ただけでも、まだまだ成長の余地を多く残すGOOPASSのサービスに、私のこれまでの経験を役立てられるのではないかと感じました。

昨年末にローンチした新事業「PREDUCTS」の準備をしている最中ではありましたが、気持ちにも若干余裕があったためデザイン面の伴走役として参画することにしました。(余裕があると思っていた。そう、あの頃は)


3. カメラ市場に感じる課題と可能性

私はカメラが大好きで、これまでの人生を通して下手の横好きながらも、写真という趣味に多くの時間を投じてきました。今この時点でもプライベートにソーシャルに、自分の事業にカメラ専用機をフル活用しています。

私にとってプロダクトへの強い憧れでもあり、また大事なコミュニケーションの手段として、長く愛着を感じて触れてきたカテゴリです。

だからこそ、現在のカメラを取り巻く市場の状況には憂慮しています。年々出荷台数の縮小する専用カメラ機材、スマホ搭載のカメラの急激な高機能化、カメラ機材の価格高騰化... etc

下図はカメラとスマホの年間の出荷台数の推移ですが、スマホの登場により多くの人がスマホカメラにシフトしていることが明らかです。

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(出典) Smartphones vs Cameras: Closing the gap on image quality

スマホの普及スピードが凄すぎてギョッとするチャートですが、一方でポジティブな見方もできると思っています。それは有史以来、最も多くの人類がカメラを通して写真に記録することを楽しんでいるということです。

iPhoneをはじめとするスマホ搭載カメラの進化には、私自身毎年驚かされるばかりですが、一方で本当にちゃんと残したい瞬間や自分が表現したいビジュアルを作る場面では、カメラ専用機とスマホでは比べられない性能差があると思っています。

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有史以来、最も多くの人がカメラを楽しんでいるはずの現在、カメラ専用機の魅力をハイアマチュアだけでなく、もっと多くの人に触れてもらえるための市場の変化を起こしたい。これが私がカメラに対して感じていることのひとつ。

もうひとつの課題が「ユーザーの成功に寄り添う」ということ。高級なカメラを買ったものの、高度な知識を要するため使いこなすに至る前に脱落してしまう人も多く見てきました。

カメラは写真を撮ることがゴールではなく、その作成したデータをその先でどう活用するかを含めてこそユーザーの成功です。そのプロセスの中で機材を提供するだけでなく、ユーザーともっと長く深い関係の構築ができるだろうという課題感をずっと持っていました。

このようなカメラ市場に対する課題感の中、変革を起こすべきはカメラメーカーなのかもしれないですが、ユーザーとカメラメーカーの中間にプラットフォームが出来ることで解決できるかもしれない。

こんなことを長らく考えていた中で、GOOPASSのこれからの事業と自分の感じていた課題感が重なり合っているように感じました。


4. パーパスの再構築

このGOOPASSが取り組むべきテーマを、新たに掲げるべき旗印としてパーパスを策定しました。めっちゃ時間かかりました。

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「カメラと人の新たな関係をつくる」

GOOPASSは単なるカメラ機材のサブスクリプションではなく、これまで「所有する」ものだった関係から、カメラと人の新たな関係を作り出すプラットフォームになる可能性を持っています。

それはかつて音楽がレコードやCDという「所有するメディアだった」時代から、「ストリーミング」という新たな流通方法が生まれたことによって市場が変化し、デジタルを通してリアルタイムに繋がることで音楽と人の関係が新たな段階に至ったことに近いかもしれません。

こうしたカメラと人との新たなレイヤーを市場に生み出すことによって、より多くの人に対してカメラが開かれたものになり、買って終わりではなく「写真を撮ること」を中心にした持続的な関係を築いていきたいと考えています。

またカメラとスマホのどちが優れているか、という二元論ではなく、どちらも優れていて、どちらも得意不得意があります。従い、カメラ専用機にこだわる訳ではなく「写真を撮る」行為そのものに寄り添っていくサービスになりたいと思っています。

「心が動く景色を次の世代に受け継ぐ」

写真は私たちの思い出を美しく残してくれます。過去を振り返る時、その情景を綺麗に切り取った写真は思い出をいつも鮮やかに呼び覚ましてくれます。

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ファインダーを通して、自分が感じた目の前の美しい景色を残したいと思う人を、今よりもっと増やしていきたい。

また景色を記録に残すだけでなく、カメラを通して自然や地球の美しさに気づくことで、現在の自然・環境を未来の世代に向けて残していきたい。そんな願いを新たなパーパスに込めています。


5. GOOPASSのリブランディング

GOOPASSはカメラのレンタルサブスクリプションから、カメラと人の新たな関係性を作り出すプラットフォームになる。

この目標のために、この先数年でGOOPASSが辿り着きたい場所までの道のりを考えた結果、ブランドの包括的なリニューアルを一年がかかりで実行することになりました。

詳細なプロセスについてはまた改めてご紹介しようと思いますが、これがGOOPASSの新しいVisual Identityです。

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モチーフにしたのはカメラの重要な構成要素であるフィルム、ファインダー、シャッター、カメラと親和性の高い赤ドットなどを発想の起点として100を超える案から数ヶ月をかけてピントを合わせていき(カメラだけに)、ついに完成しました。

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将来検討しているビジネス展開も踏まえて、様々なデザイン例をテスト。

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モーションロゴには幾つもの展開パターン。

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こちらが新しいデザインシステムです。Webサイトなどまだまだ実装途中ですが、現在GOOPASSチームがダッシュでこの新デザインに移行しています。

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6. アドバイザリーチームの発足

最後にGOOPASSアドバイザリーチームについての紹介です。

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別所さん & 私

この数年のリモートワーク前提の働き方の変化によって、私たちのような社外の人材が以前よりも、もっと柔軟に事業運営に携わることが可能になりました。

私はこの1年ほどUX領域でGOOPASSを支援してきましたが、これから新パーパスの通り「カメラと人の新たな関係をつくる」にあたり、コミュニティは欠かせない要素になります。

この領域のアドバイザーとして著名なフォトグラファーであり、文学研究者である別所隆弘さん(@TakahiroBessho)が新たにGOOPASSに参画しました。めちゃくちゃ心強いです。

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ゴツい三脚と別所さん

さすが文学研究者の別所さん、とても読み応えのあるnoteなので是非ご覧ください。

コミュニケーションアドバイザーとして別所さん、エクスペリエンスアドバイザーとして私。それぞれの領域に専門特化したアドバイザーを置き、アドバイザー同士も連携し合ってGOOPASSの意思決定を支援していく。これがアドバイザリーチームの果たす目的です。

まだ若干2名しか居ないチームですが、これからGOOPASSが成長するほどに様々の領域の専門家が必要になるはずです。攻略すべき課題領域を特定し、その領域に適したプロフェッショナルを見つけ出すのもアドバイザリーチームに課せられた機能だと思っています。

これからどんな素敵な方がアドバイザリーチームに新たに加わってくれるか、とても楽しみです。

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私が寒さに震えながら撮った天の川

(余談) アドバイザリーチームの遠足

ところで、なぜ天の川の写真が並んでるのかというと、今回のリリースの内容を決めるためのアドバイザリーチームのミーティングの予定を話し合っていたら「天の川シーズンだから和歌山の最南端まで天の川を撮りに行きながらミーティングしよう」というよくわからない企画に突然変異してしまい、

新幹線の終電で東京から別所さんの居る滋賀に向かい、そこから夜通し和歌山最南端まで車を走らせ天の川を撮影し、再び滋賀に戻って朝の新幹線で東京に戻るという、体力的に非常に無茶な出張をしました。

それでも「和歌山で天の川を撮る」という目的がなければ、この満天の天の川を目にする機会は訪れなかったので、GOOPASSらしさを体現したミーティングだったなと思うのでした。楽しかったです。



高坂社長のnoteも熱量たっぷりなので、ぜひご覧ください。

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