We Are X ~破滅に向かって
戸籍の電子化でバツはつかなくなったらしいが、世間で離婚した人間は未だにこう呼ばれる…バツイチと。
俺はXってバンドをやってる。ボーカルのイチだ。ニでもサンでもなくイチだ。
かつてXのメンバーに会うたび、心のどこかで「こいつはきっと計画性のない人なんだろうな」と俺は思っていた。
「俺はXなんてバンドやらないよプゲラ」と俺は思っていた。
でも。しかし。今…。俺は。俺はXってバンドをやってる。
バツじゃない、バツなんて「人生失敗しましたね」みたいなのやめてほしい。エックスだから。バツじゃないから。
―――
↑こんな感じに伸びる並行世界
/ ←俺の並行世界
\ ←君の並行世界
「/」と「\」が交わりⅩとなる。
人類70億の並行世界の線の上でたった一つ交わった奇跡、それがエックス。
バツじゃねぇから。
求め、出会い、別れる。これが人。これがエックスだから。
人という字は支え合ってるとか意味わからんから。
いつまで支え合ってんだよ。リアリティがねぇんだよ。
むしろ人を表す文字こそXだろうがよ。もう人って字はⅩに変えろよ。
戻らない時間に思い出を挟んで、涙を添えたアミューズ。それがエックスなんだからっ。
かっ、勘違いしないでよねっ!!
『SHOXX Vol.66 2020年3月号』より引用
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