ゲナポッポ

読み終わったらゲナポッポに会いたくなった。

人間の、面倒で辻褄が合わない、変なところに気づかせてくれるゲナポッポ。でも絵本にありがちな教訓っぽいところはほとんどない。ゲナポッポはいいやつでも悪いやつでもない。ゲナポッポはあくまでゲナポッポなのである。
ゲナポッポは自由気ままだけれど礼儀正しい。お礼やお詫びもきちんとする。ただゲナポッポは人間じゃないから、そのやり方は独特で人間をちょっと驚かしてしまうこともしばしば。
ゲナポッポには神様みたいなすごい力がある。ゲナポッポに不可能はなさそう。でも崇められるのは全然好きじゃない。他のゲナポッポ(ほんとにいるのかな?)の存在をほのめかし、逃げてしまう。

ゲナポッポは何者なのか?

私はうまく説明できないので本を読んでくださいとしかいえない。
でも、ゲナポッポ自身も自分が何者なのか多分よく分かっていない。
不思議で、得体がしれなくて、でもなせか愛らしい、ゲナポッポ。
会ってみたいゲナポッポ。
行き詰まったりしたら思い出したい、でも多分助けてくれたりはしない。
ゲナポッポはゲナポッポでしかないから。

カラフルなかわいい絵の絵本です。するりと読めます。読むと明るい気持ちになります。ゲナポッポ、知ってて絶対損はないです。
ぜひ読んでみてくださいな。

「ゲナポッポ」クリハラタカシ著/白泉社


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