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【経営とビジネスのヒント】経営理念について①

今日は、経営理念について記載します。

経営理念は、一言でいえば会社の存在目的です。今でいえば「ミッション」という表現に当てはまるものだと思います。

経営者の方も、ビジネスマンの方も今一度自社の「経営理念」について考えてみる機会としていただければ幸いです。

7つの習慣の第二の習慣にもありますように、人の人生にも価値観があり、その会社版が経営理念であると言えるのかな、と思います。

また、会社の存在目的は経営理念ですが、ビジネスマン・社員さんの個人の存在目的は人生の価値観であり経営理念ではないというところに、人を活かすことについての難しさと醍醐味があるのだと思います。

では、中身に入っていきます。


経営理念とは

経営理念はなんとなくあるが、普段あまり意識していない という会社もあるかもしれません。

今一度、経営理念について考えてみましょう。

なぜ皆さんは会社を経営しているのでしょうか。または、皆さんが所属する組織は、なぜ経営されているのでしょうか。

その「なぜ」「WHY」に答えるものが「経営理念」です。

会社は売上がなければ生きていけません、また、売上を上げて利益を上げなければキャッシュが生み出されずに生きていくことができません。

しかし、売上を上げて利益を出すために会社が存在しているわけでもありません。あくまで、売上を上げて利益を出すのは「結果」であり、また会社として「存続するための最低条件」なのです。

それらの「結果」と「条件」の上位概念として、「目的」があります。それが経営理念であり、経営理念の達成のために、売上と利益によって企業が存続することが必要であるということです。

私は、コンサルタントとして様々な会社の経営理念とそのパフォーマンスを見て、また、自身もコンサルティング会社の中での事業立ち上げ経験などの経営経験の中で、共通する経営の目的について考えてきましたが、現段階では以下のような考えを持っています。


経営の目的とは、「自社らしく、中長期的にお客様・社会に貢献をする」ということ


これを実現するために経営という仕事があり、この経営の目的こそが「経営理念(定義によっては「ミッション」)」となるのではないかと思うのです。

整理すると以下のようになります。

経営の目的 ⇒ 「自社らしく、中長期的にお客様・社会に貢献をする」 = 経営理念(≒ミッション(企業の存在目的))

経営理念の実現のために、経営という仕事があり、その経営の実践のために経営戦略や経営計画がある という位置づけです。


腑に落ちるかどうかが重要

ただ単に、経営理念が存在するというだけではなく経営者ご自身、経営陣の皆さまにとって腑に落ちる経営理念であるかということがまずはとても大切です。

それは、経営理念が次の質問に答えるものだからです。


・なぜ(WHY?)、我々が(自分たちが)この事業を行うのか。


このなぜ(WHY?)については、中長期、及び今の仕事に意味を与えるものです。

なぜその事業をやるのかと言う「事業に意味を与える根源」は論理からは生まれません。

そこには創業者の想いや、企業の歴史、いままで活躍されてきた従業員さんの想いや偶然など、企業独自の想いに結実するものの結晶ともいえるでしょう。

そして現状を踏まえて何を(WHAT)やるか、やらないか、そしてどのように(HOW)やるかと言う事は経営戦略の分野となります。

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そのため、経営理念にエネルギーがなければ経営戦略にもエネルギーが生まれません。少なくとも、経営者が熱い思いで経営理念を信じて語ることが組織の原動力になります。

経営理念は事業を行うことやすべてのアクションに対しての意味を与えるものになります。経営者が心底世の中に対して問いかけることや自分自身に向き合った中で、今までの企業の歴史なども踏まえて出てくるエネルギーに満ちたものです。


経営理念は浸透「させる」ものではない

社員の方達が毎日会社に来る目的も、会社側の目線に立つと経営理念の実現のためということになります。もちろん、社員の方にはそれぞれの人生があるのでどれだけ経営理念を意識しているかは人それぞれです。

経営理念によって、なぜ(WHY?)経営をするか仕事をするかが明確になれば、エネルギーが生まれます。もちろん、その経営理念を心底信じて意義を感じている人にしかエネルギーは生まれません。

経営理念の浸透はできるに越したことはありませんが、まずは経営者、経営陣である皆さまが腹落ちしてエネルギーが得られる経営理念を中心に持つことが大切です。

そうすることによって、すくなくとも経営者、経営陣の皆さまがブレることなく経営を推進していくことができるからです。

その中で、適切な方向付けの中で社員の方が良い仕事をすることで自然とお客様から感謝される環境が作られていき、社員さんにもそのうち経営理念についての理解が自然と備わっていくように思います。

経営理念は浸透させるものではなく、浸透するもの と言えるでしょう。

押しつけられた理念はやる気をそぎ(最低でもやる気を上げることはない)、理念が浸透する ということは、社員さんが能動的に理念を受け入れてはじめて実現することです。

そもそも、人は経営理念の実現のために生まれたわけではありません

以下の図にもあるように、会社の目的である経営理念と、社員さんの人生の目的はイコールではないのです。当たり前の話ですが。

理念と人生価値観

経営理念については、社員の方への浸透以前にまずは経営者、経営陣である皆さま自身に深く腹落ちしていただく必要があると思います。後継者の方等、まだ経営理念が腹落ちできていない方は創業から今に至るまでの会社や社会の歴史を紐解くことや、先代の経営者やその周りで経営に携わってこられた方などの話を聴き、自社のルーツを知ることから初めてもよろしいかと思います。どうしてもしっくりこない場合には、経営理念を再定義することも必要でしょう。

そして、

経営者・経営陣の方が経営理念にエネルギーを得て邁進する姿を見せること

社員の方へのコミュニケーションと信頼関係の構築に尽くすこと

結果として、社員の方が働きがいをもって仕事をすること

このような、環境があってこそ、初めて経営理念が組織に浸透「する」のだと思います。


まとめ

・経営理念は「なぜ:WHY?」この会社が存在するか、この事業を行っているのかに答えるもの

・経営理念は「自社らしく、中長期的にお客様・社会に貢献する」という経営の目的を達成するためのもの

・経営理念は、まずは経営者・経営陣の腑に落ちるところからスタート。それができなければ見直しも必要

・社員の方へは、「浸透させる」のではなく「浸透する」環境設定をする


次回は、経営理念の中身「自社らしく、中長期的にお客様・社会に貢献をする」について掘り下げて見ていきたいと思います。

以下リンクになりますので、是非ご参考ください。

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