見出し画像

【5S編:基本ステップ4&5”清潔”&”躾” そして、魅せる化へ】

大卒で大手素材メーカーの工場に配属された2年目の紫耀(ショウ)と同じ工場に転勤してきた中堅社員の管理者の健(タケル)との会話です。(もちろんフィクション?)
 5Sを勉強・実施することになり、整理・整理・清掃を実施。最後のステップの清潔と躾に進むようです。

・・・・・・・

清掃の進捗

👱🏼‍♂️;おはようー。

🧒;おはようございます。(6時半だけど、もう眠くないぞ。)工場の朝は早いですよね。

👱🏼‍♂️;お、その通りだよ。さて、清掃は引き続き進めているかい?

🧒;はい。点検表も作って、各職場で活動を続けていますし、清掃頻度が高い部分に関しては、なぜ汚れるのかを考えてもらい、その根本対策もチャレンジしてもらうようにしています。

👱🏼‍♂️;いいね。活動を始める前と比べると現場はだいぶ雰囲気が変わってきたんじゃないかな?

🧒;はい。明らかに違います。メンバーに明るさもでてきましたね。それと、他の工程から工程見学依頼がきて活動をシェアすることになりました。

👱🏼‍♂️;それはいいじゃないか。じゃあ、それまでに清潔と躾も説明してどんどん進めていってもらおう。

🧒;はい。よろしくお願いします。

清潔維持の方法

👱🏼‍♂️;清潔と聞いたときどんなイメージをするかな?

🧒;清潔を保つ。つまり、きれいな状態を保つということでしょうか?

👱🏼‍♂️;その通り、清潔は“整理・整頓・清潔を維持すること”と定義できるんだ。汚い空間にしない、使ったら戻す。これが基本だね。だから、小さなことを皆がきちっとできるように習慣づけていくことが重要なんだ。やらなきゃいけないではなく、気を付けるという意識が重要だ。10秒でできる清潔を当たり前にしてくんだ。例えば

 -身の回りの誇りをふき取る
 -ごみを拾う(特にリーダーは率先して)
 -使った備品をもとに戻す。
 -用済みの資料や書類を捨てる

こういう簡単なことをリストアップして誰もが気づくようにしておくんだ。

🧒;なるほど。ちょっとしたことですね。

👱🏼‍♂️;そう。ここまで整理・整頓・清掃まで実施してくるとそれをキープするには小さなことの積み重ねが肝なんだよ。それともう一つ、重要なことは作業員の身だしなみだ。まず、5Sがきちんとできている職場の作業員は服装がきちんとしている。整備等で汚れてしまうことがあると思うけど、これもなるべくきれいなほうがいい。それと汚れだけでなく整っているかなんだ。例えば、ボタンをきちんと留めている。腰パンをしていない。ベルトを変に垂らしていない。そして、基準の保護具を使用していること。だね。

🧒;わかる気がします。5Sができていない職場はやはり服装も乱れている印象があります。

👱🏼‍♂️;そこそこ。逆に服装が乱れていると5Sもできていないと思われるし、そうなると前から話しているように仕事の質に関しても悪い印象になってしまうんだ。「初頭効果」といって、6秒で印象が決まってしまうといわれているんだ。もちろん、これは良い印象になることもあるからね。うまく使いところだね。

🧒;はい。うまくいい方向にもっていければ強みになりますね。

👱🏼‍♂️;そうなんだ。それと、これはすべてに言えることで、繰り返しになってしまうんだけど。見える化、見せる化がヒントなんだ。異常のシグナルといってもいいんだけど、この状態は異常状態だよということがわかるようにするんだ。まずは、ポイントとなるところには正しい状態の写真を掲示しておくのがよいね。こんなところかな。

🧒;となると、清潔のポイントは、①これまでの3Sを維持。②身なりを整え、印象を意識する。③見える化で異常がわかる状態にする。ですね。

👱🏼‍♂️;その通り。よし今日は、このまま躾までいってしまおう。正直清潔と似ていて、維持の側面が強いよ。

🧒;はい。

躾の肝

👱🏼‍♂️;躾ってすごく表現が難しいんだけど、“当たり前のことを自然にやり続けることができる状態にすること”だと思っているよ。永遠のテーマだよね。とはいえ、まず礼儀だね。あいさつであったり、礼儀作法を身に着けさせることは絶対に必要。これはビジネスというか人としての基本だね。ちなみに業績のいい会社は漏れずに元気な挨拶が社内で行われているといわれている。俺もいろんな会社いったことあるけど本当にそう思うよ。

🧒;ですね。

👱🏼‍♂️;それとね、当たり前のことをやり続けるとなると、標準類の確保も重要なんだ。新人でもわかるように作業標準書などに仕事を落とし込んでいくことが重要だね。これは言うのは簡単なんだけど、実施していくのはすごく大変なんだよね。でも、標準書って、使われなくなったりしてしまうけど躾の目線、つまり、これまで4S維持という目線で見ると必要性がわかりやすくなって、使いこなせるようになっていくよ。

🧒;自分から率先してやらないとですね。これまでの活動が振出しに戻ってしまいますね。

👱🏼‍♂️;その通りなんだよ。躾はとにかくトップ(リーダー)が率先して行うことが重要。というか必須条件なんだ。責任者が地道に行動しないとこれは続かない。5Sがキャンペーンで終わってしまう理由のほとんどは俺はリーダーの責任だと思っている。リーダーが5Sの意味を理解しておらず率先して進めない場合は中途半端になってしまう。それは、きちんと評価にもつなげてあげなければならない。定期的に褒める仕組み(コンテスト等)や顧客の工場訪問の際のコメントをフィードバックする仕組みも作っていくことも一つの工夫だね。そして習慣化させないといけない。

🧒;なるほど。結局、リーダーが理解しているか、、私が理解しているかが重要なんですよね。だから、私が理解して成長すること、それを自分組織に還元し、成長させていくということなのですね。

5S+α:5Sショールーム(魅せる化)


👱🏼‍♂️;最後に俺が実施している、5S+αの活動を紹介するよ。その活動の名前は“5S ショールーム”といっているんだ。

🧒;5S ショールーム?

👱🏼‍♂️;自動車のショールームってあるでしょ。そこはいつもきれいで、製品がわかりやすくて、いったらワクワクするじゃない?それと同じことを工場でできないかって発想から始まっていて、お客さんが工場に来たとき、この工場ワクワクするって思ってもらう現場にすることが目的の活動なんだ。汚かったり、整理・整頓ができてない工場はそもそもワクワクなんてするわけないよね。それはもちろん大前提として実施する。さらにそこに+αで自分たちの作っている商品を格好よく見せたり、造っている人の物語もビデオや現場で魅せるんだ。これをすることによって、モノだけでなく俺たちの製造ストーリーもお客さんにわかってもらうんだ。そしてファンを作っていく。そんなことを目指す活動なんだ。
魅せる化を意識しているよ。


🧒;魅せる化。モノだけでなく、物語を訴求ですか。面白いですね。

👱🏼‍♂️;活動の実施方法は、通常の5Sの活動と同じで2週間に1度、現場を回って5Sの指摘やショールーム化のアドバイスをするんだ。ただ、常にこれはお客さんがワクワクするか?という問いを現場メンバーにしていくんだ。だんだんできていくと、現場のモチベーションも上がってきて毎回いろんなアイデアがでてくるよ。俺も今実践中なんだ。まあ今はコロナでお客さんこれないけど・・。

🧒;そうなんですね!ぜひマネしたいです。コロナが終息した時の準備ですね。

👱🏼‍♂️;いいこと言うじゃん。うん。これまで実施してきた、5Sの基本をベースに、自分の工程らしいショールームを作ってくれ。

ツール紹介


ごめん。。さっき最後と言いながら、、あと一つだけ活動を補助するツールを紹介させてくれ。会社から配られたもの、持ち込み許可されたiPadは持っているかな?

🧒;持っています。

👱🏼‍♂️;そうか。それならGood Noteというアプリをぜひ購入してみてくれ。


これはノートアプリなんだけど、メモはもちろん、その場で撮った写真の編集やコメント付与が簡単にできるんだ。さらに、そのメモはPDFになり、すぐに現場メンバーや関係者にシェアできる。

それともう一つiPadから映像を出力するLightning - Digital AVアダプタの購入もお勧めする。

見回り終了後、そのまま会議室の大画面でフィードバックできるからね。そして、言ったようにPDFでシェアだ。これでかなり負荷なく活動ができ、継続しやすくなる。

さいごに&次は

5Sの基本ステップ抑えてショールーム思想をもって、PDCAを回していけば、間違いなくものづくりの基盤はできていくよ。
よし、これで5Sの解説は終了だ。よく頑張ったね。

🧒;ありがとうございます!!早速買ってみます。そして、自分らしく工程の基盤を作っていきたいと思います。って、、すべてが終わってしまいそうなのですが、、あのー、、引き続き、この勉強会は続けていただけますか?

👱🏼‍♂️;おう、やる気だね。いいよ。じゃあ、次はトヨタ生産方式とエリヤフ・ゴールドラットのTOC理論(ザ・ゴール)についてやっていこう。理論を実践しながら君の抱えている次の問題を解決していきたいね。

🧒;ありがとうございます!!よろしくお願いします。

・・・・・・・・

今回は、清潔・躾という維持のための活動について解説したことと、私が実際にタイの現場で実践している5Sショールームの活動について解説しました。

 前の3Sと少し違って、清潔と躾に関しては当たり前のことの記載が多くなってしまいました。ただ、その当たり前のことが継続できないのが多くの組織の実体です。思っている以上に当たり前のことを、組織として続けることって難しいんです。でも、それはやり方や目的をリーダーが明確にしていない、理解していないというのがほとんどの原因です。これまで説明してきたように、これが仕事の質を決めると思い、具体的なやり方を学べば続けられるはずです。工場勤務の方、ぜひ、チャレンジしてみてほしいです。

(5S ショールームは手前味噌ですがお勧めです。)

 これで5S編終了です。お疲れさまでした。総括したものを別途まとめた記事を下記に記載します。

#製造
#現場
#ものづくり
#理論と実践
#5S


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?