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もしもBOX、この先言葉がなくなってしまったとしても 2020.2.14

目の調子が悪くなって検査をした。瞳孔を開く点眼をして眼底写真を撮った。ひと通りの検査を終えて外に出るとモグラの気持ちがよくわかった。瞳孔開きっぱなしで世界が眩しい。覚醒剤なんかもこんな感じなのだろうか。外を歩くのが怖かった。白飛びした世界は半日くらい続いて、その間、字を書いたり読んだりが苦痛で不自由だった。日常生活にいかに文字が重要か、文字に依存した生活をしているかがよくわかった。たとえ読解力や伝達力が落ちていようとも、140文字が世界標準になってしまったとしても、世界は言葉に支えられていると感じた。言葉が失われたら世界は壊れてしまうのではないか。あるいは逆に楽になるだろうか。もしもBOX、この先言葉がなくなってしまったとしても、好きな人には好きだと伝えたい。目の調子が悪くなって下を向いて歩きがちだったので、いつも以上に道草花が目についた。慰められた。言葉を忘れたら、花を眺めて暮らしたいな。好きな人に贈る花を探すのはきっと、さぞ楽しいだろう。言葉はなくしても目はみえなくなりませんように。


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