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これから動画撮影を始めたいけど予算が少ない人向けオススメ機材

最近、撮影アシスタント君と「限られた予算で、撮影機材をどのように揃えていくか?」という話になりました。

筆者自身、フリーで映像制作の仕事をしていますので、カメラやレンズなどの機材はそれなりに所有しています。

しかし、この仕事を始めた当初から何でも持っていたわけではありません。最初の頃は、ギリギリの予算で何とか機材を買い揃えていったものです。

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そこで本記事では、

「これから映像(動画)の撮影を始めたい、できることなら仕事につなげたい」

「今は動画編集の仕事をしているけど、ステップアップとして動画撮影もできるようになりたい」

と思っている人向けに、撮影の機材を、どれくらいの予算で、どのような順番で購入すればいいか?ということを書いてみたいと思います。

何から買えば良いのか迷っている人のお役に立てれば嬉しいです。


そもそも、どんな機材が必要か?

「まずはカメラとレンズでしょ」という考えが思い浮かびますが、それだけではありません。

具体的に、どんな機材が必要でしょうか?
「まずは最低限必要なもの」という観点で挙げてみたいと思います。

・カメラ
・レンズ
・収録メディア
・カメラバッグ
・三脚
・マイク

ざっと、こんなところでしょうか。

他にも照明機材やフィルター類、ジンバルなど、書き出したらキリがありませんが、「初めて撮影機材を買う」ということを踏まえて、一旦ここまでとしますね。

続いて、それぞれの機材について、詳しく見ていきましょう。

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おすすめのカメラ

今から買うのであれば、「フルサイズのミラーレス一眼カメラ」がおすすめです。

これは、昨年から今年にかけて、主要カメラメーカー各社の製品リリース状況を見ていると、顕著に感じます。

まず、少し前まで主流だった「一眼レフカメラ」は、今では後退の一途を辿っています。
代わりに、「ミラーレス一眼カメラ」が主流になっていますね。

カメラ本体もそうですし、レンズもミラーレス機向けの製品がどんどんリリースされています。これは完全に「時代の流れ」ですね。

なので、これからカメラを買う方には、ミラーレス機をおすすめします。

続いて、「フルサイズ」についてですが、これはカメラのセンサーサイズを表す言葉です。

基本的なセンサーサイズは3種類あって、大きい順に「フルサイズ、APS-C、マイクロフォーサーズ」となります。

特徴をざっくり言うと、センサーサイズが大きいほど画質が良くなります。
画角が広くなり、ボケ量も増え、暗所での撮影にも強くなる。
一方、カメラやレンズのサイズも大きくなり、値段も上がります。

ちなみに、決してAPS-Cやマイクロフォーサーズのカメラが悪いわけではありません。筆者も、マイクロフォーサーズのカメラ(BMPCC 4K)も使っていたりします。

ただ、「今から機材を揃える」という点で言うと、世の中の流れとしてセンサーサイズが大きくなる方向へ向かっているため、「フルサイズで選んでいけば間違いない」という意味でお伝えしました。

そして、具体的な機種ですが、おすすめはSONYのα7IIIというカメラです。

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こちらは筆者も2年半ほど前に購入し、長らく使っていたカメラです。

最新の機種ではないため、機能面では上位モデルに劣りますが、ミラーレス入門機としてだけでなく、仕事としても使えるポテンシャルを持っています。

また、最新機種ではないことの恩恵として、発売当初より価格が下がっていますので、費用面でのハードルも低くなっています。

実際、いまだに一眼カメラの売上ランキング上位に上がってくる人気モデルでもあります。

最初に持つカメラとして、「間違いない」一台ですね。

おすすめのレンズ

続いて、レンズについて。
まず最初に「おすすめしないレンズ」についてお伝えします。

それは「キットレンズ」です。

キットレンズというのは、カメラとセットになっているレンズのことで、基本的に「そのメーカーが出している、最も安価な標準ズームレンズ」のことを指します(例外もあります)

多くの場合、初めて一眼カメラを買う人は、どんなレンズを選べばいいのかわからないため、メーカー側で「とりあえず、これを使って下さい」という感じの一番安いレンズが、カメラとセットで販売されているのです。

これは、趣味でカメラを使う場合にはいいのですが、「仕事で使う」ことを視野に入れる場合、おすすめできない買い物になります。

なぜかと言うと、レンズの知識が深まるにつれて、確実に買い替えたくなるからです。

実際、筆者もカメラとキットレンズのセットを購入したことがあるのですが、そのレンズは今は手元にありません(売っちゃいました)

では、具体的に、どのようなレンズを「最初の1本目」に選べばいいのでしょうか?

おすすめは、「開放F値がF2.8通しである標準ズームレンズ」です。

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「なんのこっちゃ?」という感じかもしれないので、すごくざっくり説明しますね。

まず、開放F値が小さいレンズほど、明るく、ボケ量の多い、いい感じの写真や映像が撮れます。これだけ覚えて下さい。

(開放とは?F値とは?を話すと長くなるので、興味のある方はググってみて下さい)

そして、この開放F値が2.8というのが、基本的に各メーカーが出している最も明るいズームレンズになります。
(一部、もっと小さいF値のズームレンズもあります)

逆に、キットレンズの開放F値は、3.5〜5.6といった大きい値のことがほとんどです。これだと、あんまりボケないし、暗いです。

また、「F2.8通し」というのは、レンズを広角〜望遠とズームさせたときにも、開放F値が2.8のまま、という意味です。

これがF3.5〜5.6の場合、広角側だとF3.5だけど、望遠側にするとF5.6になってしまう(=暗くなってしまう)ということになります。

これは実際の動画撮影のときに不便ですので、「F値が通し」のズームレンズがおすすめ、となります。

では、具体的なレンズを挙げますね。
おすすめは、こちらです。

TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD(ソニーEマウント用)

タムロン2

このレンズは、小型・軽量・高画質な上、値段も手頃で、非常に優れた製品だと思います。

カメラ業界での評価も高く、メーカーのホームページを見ると、2018年から2019年にかけて多くの賞を受賞していますね。

筆者も一時期、このレンズばかりを使っていたことがありました。最初の一本に、強くおすすめできるレンズです。

お金の話

他にも必要な機材はありますが、思いのほか長くなってしまったので、機材の紹介は一旦ここまで。

最後に、お金の話をします。

先ほど挙げたカメラレンズのお値段ですが、この記事を執筆時点でのAmazonでの価格が、カメラは¥218,000(税込)、レンズは¥80,980(税込)となっています。

合計で¥298,980ですね。

ということで、予算として30万円を出せるのであれば、この2点が揃えられるということになります。

これに記録メディア(SDカード)、カメラバッグ(小さめ)、三脚(安価)を足すと、合計で32万円ほどになるかと思います。これらの機材については、また別の記事で詳しく書きますね。

なお、「カメラやレンズは中古でも良い」ということでしたら、合計で30万円以下に抑えることも可能です。

ただし、中古品については、品質面での問題が気になりますので、信用できるお店で購入されることを強くおすすめします。

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という感じで、映像(動画)を仕事にしたいと思っている人向けに、最初に揃える機材についてお伝えしました。

少しでも参考になれば嬉しいです。

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