アース・オブ・ザ・デッド

　また友が襲われ、食われ、奴らと同化してしまった。
　恐怖で第4ヒレの変色が止まらない。
　この星の知的生命体（とは考えたくないおぞましい姿をした奴らではあるが）の思考はまるで理解できない。

「どこよ！人魚さ！」
「おらなんだ！」
「あの由井正雪ゆうもんに先越されてまう！」
「はよ捕まえて食うど！」
　どうやらこの鱗無しの二本脚……まるで悪趣味ホラー放送夢に出てくる様な連中は、我々を食う事で不老不死を得られると信じている様だ。
　確かにその可能性はあるだろう。
　我等は同化と分裂を繰り返す不滅の存在だが、あの様な醜い生物と強制同化など……！
「おい！あの岩場、なんかある！」
「奴らの舟か家か？」
　気づかれた！まだ出発するにはゲージは溜まっていない！
　エンストして辺境の星に降りたら最悪な目に合った！
　私は集めておいたこの星の硬く大きな茶色い植物と化粧棚で、即席のバリケードを作り、移動舎の扉を押さえる。
「おい出てこい！肉食わせろ！」

【続く】
#逆噴射プラクティス #ホラー #SF #時代小説