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White Light/White Heat - 1968 US Original Early West Coast Press

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USオリジナル盤・初期西海岸プレス

The Velvet Underground
White Light/White Heat
Verve Records – US Original Early West Coast Press

パンク・オルタナティブ方面に大きな影響を与えたであろう、言わずと知れた重要音源The Velvet UndergroundのWhite Light/ White Heat(以降WL/WH)。所有するアナログ盤WL/WH数種類についてそれぞれの特徴や雑感をこつこつと書いていってみたいと思います。自分がこのアルバムをどのくらいどんな風に愛してるかみたいな話はここでは省略して、ブツの話やサウンドの印象を中心に書ければと。

これは、1968年USオリジナル盤・初期西海岸プレスです。USオリジナル盤と呼ばれるレコードにも、かなりの数のエディションがありますが、このレコードは、初回プレスに近い純然たるUSオリジナル盤と言っていいのではないかと思います。ジャケット・盤とも素晴らしいコンディション、カンパニースリーブも残っていて、大事なレコードです。

とてつもなくかっこいい音

なにをさておいても、かっこいい音がします。まあ、そんなもんはただの主観でしかありませんけどね。でもそう思うんです。元々、WL/WHはいわゆる音のいい音源というわけではないですし、むしろ悪音に胸が躍る部類でしょうが、それでもやっぱりオリ盤はめちゃくちゃかっこいい音がします。ボリュームを上げても上げてもロックンロールの黄金比率を保ったままじゃかましいっつうか。ノイズパートの歪みのテンパり具合もこれぞな音。もちろん持ってるWL/WHの中でベストなサウンド。東海岸プレスの初期オリ盤も入手して聴いてみたい気持ちはあるけれど、おそらくこのレコード以上のサウンドはないだろうなあと思えて、がっつくモチベーションがないです。

USオリ盤はジャケにスカル柄

言うまでもなく、USオリジナル盤の表ジャケットには、必ずAndy Warholによるスカル柄の透かしがデザインされています。スカル有りがUSオリ盤の前提条件です。画像にはうまく写っていませんがこの盤にもあります。一般的には、1968年から72年頃の間にアメリカでリリースされ、かつ、表ジャケにスカル柄のあるWL/WHを指して「USオリジナル盤」と呼んでいるのだと思います。「スカル柄はないけども、これもUSオリ盤のはしくれですよね」とやり始めると、収拾が付かなくなるのだと思います。

西海岸プレス

USオリジナル盤では、西海岸のプラントでプレスされたレコードなのか、東海岸のプラントでプレスされたレコードなのかによって、スペックの違いが出ます。西か東かの判断材料の多くは、ラベル部分にあります。そのあたりは「White Light/White Heat ラベルの違い - Verve USオリジナル盤周辺」の記事で整理しているので、よければそちらもご参照ください。

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初期は全曲Three Prong

ラベルに記載されている曲の権利情報表記は、全曲「Three Prong Music」と記載されています。後発になるにつれて「Oakfield Ave. Music」というクレジットに移行していきます。全曲Three Prongであることは、初期のUSオリジナル盤の必要条件かと思います。全曲「Three Prong Music」ではないのであれば、初期USオリジナル盤であることを完全に否定します。

初期仕様の裏ジャケクレジット

裏ジャケのクレジット内容にも世代によって違いがあります。このレコードのクレジットは、初期仕様で、以下のような特徴があります。

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曲名の誤表記
There She Comes Now(正しくはHere She Comes Now)

Lou Reedの担当楽器名
Lead Guitar(のちにGuitarに修正)

Cover Conceptという項目
Andy Warholの表記アリ

後年になるにつれて、この裏ジャケのクレジットは修正されていきます。USオリジナル盤であれば、Warholクレジットがある方が価値は高いです。が、裏ジャケのWarholクレジットばかりに気をとられていると落とし穴(リプロ盤)もあります。リプロ盤については「White Light/White Heat - Early 70's US Counterfeit (Repro)」の記事をご参照ください。

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カンパニースリーブ
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カンパニースリーブ

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