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「みんな知ってる」の力 -きゃりーぱみゅぱみゅが今もかっこいい-

これは7年くらい前に体験した、何も珍しいことのない話。
ちょっと聞いてくれませんか。

iPhoneの新しい機種の発売情報が解禁になりました。その直後、わたしの見ているTwitterタイムラインは新発売情報まみれになりました。同じような人いますかね。
そんな時期に同級生と一緒に新宿を歩いていたら、彼女は
「あ、iPhone新しいの出るの?」
と言ったんです。街の広告たちを見て初めて、新発売情報が入ってきている。わたしは思わず
「え!?知らなかったの!?あんなにTwitterで出てくるのに!???
」って言ってしまったけれど、彼女は平然とつき離しました。
「私のタイムラインには出てこないけど?」

そのあとわたしが何と返したのかは覚えていません。その日に新宿を訪れた目的地がどこだったのかも覚えていません。
ただ、そのやりとりと太字でiPhoneの新機種発売を訴えるヨドバシの広告だけを覚えています。

***

スマホを通して見る世界

それ以来、喋る相手ごとに”わたしの当たり前”と”一般的な当たり前”の溝を推し量る癖がつきました。いいことだ。
今回挙げた実体験はすごくわかりやすく「Twitterはアカウントごとに見えている景色が全く異なる」を示していますよね。はあちゅうさんの小説みたいなこと言ってるけど。

フォロワー20万人越えのあの人は、わたしにとっては「有名」枠。でも電車でわたしの目の前でTwitterを触っているこの人にとっては全く知らない人かもしれない。
noteというプラットフォームだってそう。これを読んでいる人にとっては慣れ親しんだ場所だけれど、ランチ先でたまたま目に入ったおじさんにとっては「素人が溜まってる読む価値のない場所」かもしれない。なんなら「そもそも知らない」かもしれない。

IT企業に勤めている2019年のわたしは”一般”よりもネットの流行り物を知っているし使っている部類に含まれると思っています。それを前提として周りを見渡すと、「一般的にみんな知ってる」って本当にすごいなと尊敬しちゃうんですよ。

じゃあ「一般的にみんな知ってる」ってなんだろうかと。

個人的な所感として、「一般的にみんな知ってる」に入るのは
「Twitterでフォロワー30万人以上」
と設定しています。今度はSNSポリスみたいなこと言ってるわ。
この指針だって、Twitter以外の場所で露出の少ない人だとそうもいかない。
だってTwitterをやらない人にとっては無縁だから。
実際「フォロワー60万越えの人のことを、Twitterをやらないインスタグラマーが知らない」ケースを目撃したことがあります。


「みんな知ってる」って、すごい。

それらをふまえると、「名前を言ったら通じる」って本当にすごいなと思うんです。
知名度があって、影響力がある。その状態でSNSもする。
SNSを「自分が知名度を上げるためのツール」として使っている人が山ほどいる一方で、「もともと知名度のある人が使う」こともある。殿上人の天下りみたいだ。
「フォロワー集めのための施策」が霞んで見えるパワープレイだけれど、彼らがSNSを続ける胆力は計り知れない。

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※画像は2019/5/26 22:30時点で meyouに表示されていた情報です。正確性を保証するものではなく、あくまでも参考程度にご利用ください。


TOP4は芸能人。本当にみんなすごくてかっこいいと思う。
BTSの勢いのすごさはさておき、有吉弘行、松本人志、きゃりーぱみゅぱみゅの3人は5年以上日本でトップランナーとして居続けている。

今日はわたしがブレイク前から現在までぼんやりと追っている、きゃりーぱみゅぱみゅを取り上げてみようと思います。前置き長いね。


圧倒的強者が放つ、「ほっとけ」

わたしがきゃりーぱみゅぱみゅを知ったのは1stミニアルバム「もしもし原宿」をリリースしたときくらいでした。
教えてくれたのは、個別指導塾のバイトで担当していた高校生。
「いまの流行りはきゃりーぱみゅぱみゅだよ」
先生知らないのか、ダサいなと言わんばかりのニヤリ顔で教えてくれたことを覚えています。

そのすぐ後に「つけまつける」で圧倒的知名度を獲得したことは、きっとこれを読んでいる人もご存知でしょう。

最初の1年は金髪ツインテールにビッグリボンで「つけまつける」を踊り続け、どのビジュアルも「これがきゃりーぱみゅぱみゅだ!」という世界観を作り込んでいたおかげで「青文字系少女」にとどまらず、(2012年当時)10〜20代からの認知を全国レベルでがっつり得ました。
翌年は世界観を守りながらも、クレヨンしんちゃんのテーマソングを担当するなどして、お茶の間制覇を挑む。このあたりで4歳〜40歳まで獲得できたのではないでしょうか。幅広すぎ。スピードありすぎ。すごいしか出てこねぇ。
そこからトップラインを走り続けた7年。強すぎ。まじマッチョ。


読者モデルからスタートしたデビューから6年が経つ頃、
1stワンマンツアーの頃とは比べ物にならないくらいダンスも上手くなって、ライブのMCもがんがん回せるようになったきゃりーちゃんのライブを観ました。
その中で彼女は同事務所で仲の良い「あいみょん」の歌が上手いことと比較して、
「私のことを歌がうまいって誰も言ってくれない」
と拗ねてみせたんです。
大御所レベルのこなれたパフォーマンスをしておいて、言うよねぇ〜〜〜!!
清々しくて、ひとり笑ってしまいました。

わたしが遅ればせながらきゃりーちゃんの凄さを再認識していた頃、「きみのみかた」リリースと併せてデビュー以来初めて見せた暗いトーンの髪や"普通っぽい"服に対して切り込んだインタビュー記事が注目を浴びていました。

この記事ではきゃりーちゃんの「髪の色が暗くなっても私は私」というメッセージが強く押し出されているため、タイトル画像のキャッチコピーも尖ったものが使われています。
「そもそも私は万人に好かれようとは思ってないので」
ひゅー!かっけー!!!そのへんの中学生が言ってたら殴りそうになるけどきゃりーちゃんならカッコいいーーーーー!!!!

中堅メディア・CINRAに、ステータスフル装備のきゃりーちゃんがインタビュー記事で登場していることで「下界に降臨した女神」という構図が出来上がっています。
この記事はスマニューにも載って、普段CINRAを見ない層にも読まれた気配がありました。半年前の記事を引っ張りだしてきたくせに、うろ覚えですません。すまにゅ。

きゃりーちゃんを出演させることのできたCINRAすごい!という考え方もできるけど、やっぱりすごいのはどこまでもきゃりーちゃん。
以下、トップラインを走っている人だからこそサマになるセリフを抜粋。

私は、万人に受け入れてもらいたいとは思っていないんです。私の表現するものが好きだと思ってくれる人に伝えたいと思っているので。だから、私に興味ない人は、一生興味ないと思うけど、それでいいのかなって。

かぁっこいぃいい!
そこから約半年後に公開されたwebインタビュー記事でも「私は私」を押し出しています。

去年、改めて「きゃりーちゃん最高だな!!!」と再認識したわたしは
「見た目に騙されるな!こいつはまだまだ尖ってるぞ!」
と叫びたい気持ち。
なんなら「色の与えるイメージはこんなにも影響力がある」と色彩尊敬に走ってしまいそう。話がそれるわ。


2012年頃、どこかのインタビューで
「今は無敵モード」
と語りながらも、一方では
「ダンスが上手くならない」
「アイドルじゃないのに、アイドル扱いをされる」
と、もがいていたきゃりーちゃん。

次々と成功をおさめて地位を確立して言った先で、いつしか
「カラフルなものを見ると仕事を思い出すから」
と、私服ではモノクロの服を好んで着るようになっていたきゃりーちゃん。

ハイパー面白かったアメブロは更新されなくなっても、Twitterで大喜利のようなことをしてくれるきゃりーちゃん。

原宿に恋する一般人(読者モデル)から芸能人になった彼女のことを、わたしたちは知っているようで、何も知らない。
そのことは、忘れちゃいけませんね。

***

事業スケールを考える時に、不随して考えるSNS。
素人なりに何を目指すべきか考えていたら、
ハイパーメジャーシーンで立ち続ける人は本当にすごい。
尊敬の一心で、ここまで勢いで書いてしまいました。てへ。


小麦アレルギーに関する情報をひっぱってきたり、音楽オタクぶりを振り回したりしているTwitterはこちら


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