【漫画】得意不得意2「ホラーゲームが得意!」
なぁ。お前得意なことなんかある?
うーん。どうだろう。毎日野菜食べてることぐらいかな?勇太は?
俺は、とにかくホラーゲームが得意!どんなに恐ろしい化け物が出てきても、余裕のよっちゃん。まるで、宅配の受け取りのごとく余裕で対処できる。
それは凄いな。僕なんか、ホラーゲームやろうもんなら、枯れ木が出てきただけで、「もう、許して下さいぃいいい!」って、飛んで逃げ帰っちゃうよ。
ひたすら追っかけて来る髪の長い幽霊も、俺の後ろに着けば、まるで雛鳥たちをを連れて歩くカルガモの親のように、平和な光景。思わずこっちが「あっ!そこ段差あるから気をつけてね。」って注意しそうになる。
いや、側からみたら、絶対幽霊引き連れて歩く不審者だよ。っていうか、そもそも宙に浮いてる幽霊に、段差とか関係ないでしょ。
むしろ最近は、ホラーゲームの中のしっとりとした静かな雰囲気に癒されるために、毎晩のようにゲームに潜ってるな。床がきしむ音を聴きながら、誰もいない真っ暗な館を、1人でぼうっと歩いていると、まるでドビュッシーの「月の光」を聞いているような、暖かい気分になれるんだ!
イッツ・サイコパス!何が暖かい気分だよ。余りの恐怖で心の芯まで全身凍結だよ!幽霊より、むしろ明彦の方がよっぽどホラーだよ。
でも正直ホラー耐性が高過ぎるせいで、今度は逆に「幽霊怖くないのに、一体何のためにホラーゲームやってんだ?」って自分が分からなくなる。それで、隣で「ひやああああああ!!」って叫んでる友達を横目に、急に現実に戻されたり。
いや、どんだけホラー得意なの。っていいうか、そこまで行ったらもはや、幽霊屋敷の管理人だよ。ラスボス、ラスボス!
でも、良いな勇太さんは。他人に誇れる特技があって。僕なんか、人にアピールできること一つもないから。
は?何言ってんだ?
お前がいつも俺の隣にいてくれるからこそ、俺はいつも平常心でいられる。自覚はないかも知れないが、俺にとっちゃ、それがお前の最高の特技なんじゃねーか?
勇太・・・!
よし!じゃあ今度は逆に、明彦がホラーゲームやってる最中に隣で「ワッ!」って叫んで驚かせてやろっと。いくら、幽霊が苦手でも、流石に急に大声出されるのは、ビックリするはず。
いいぜ、別に。好きにしな!だが、それはつまりお前も同じホラーゲームを体感するってことだぜ?面白くなって来た!!
ごめん!やっぱそれだけは無理!!
おしまい。
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