見出し画像

だから私はガラパゴス②:Web Designer 中家ひろみ

「プロセスとテクノロジーで人をよりヒトらしく」というフィロソフィーのもと、メンバーが自分らしく働ける環境づくりを目指しているガラパゴス 。このシリーズ企画「だから私はガラパゴス 」では、ガラパゴスで働くメンバーが大事にしている価値観やはたらき方、現場の雰囲気や具体的な仕事の進め方を、メンバーそれぞれの視点でご紹介していきます。
第二弾はAIR Designのデザインチームリーダー、中家ひろみさんです!

中家さん1

美術に明け暮れた学生時代とキャリアのはじまり

はじめまして、ガラパゴスの中家と申します。2018年にガラパゴスに入社し、現在はデザインチームのリーダーとしての役割を持ちながら、AD(アートディレクター)をしています。

少し経歴についてお話しますと、芸術クラスがある高校に通っていて、週に6~8時間くらい美術に向き合う学生生活を送っていました。当時はアーティストの道を目指して、自分の名前で仕事を得たいと考えていましたね。専門学校では視覚伝達情報科というところに入学し、まさに今の仕事にも関わっていますが、いわゆるビジュアルデザインを学びました。

そこから神戸の輸入雑貨店にアルバイトで入り、ウインドウのディスプレイや、POPなどを作っていました。2年ほど働いた後、想定とは少し違っていたのですが、アルバイトでラジオテレビ局に入ることになったんです。クリエイティブとは異なる仕事も色々体験しつつも、広告・CMの成り立ちなどを学べたのは良い経験になりました。でも、やっぱりデザインの仕事がしたくて、広告代理店に勤務しながら、Macを使ってイラストを習い始めたんです。

中家さん3

▲プライベートで参加した商店街のハロウィンイベントのクリエイティブ。仕事を休んでる間も幼稚園や地域イベントなどでデザインやイラストを描いていたそう。

スキルが身についてきたところで、ECサイトの立ち上げ・運営する会社にイラストレーターとして入社しました。クライアントと打ち合わせして、私がデザインラフを描いて、コーダーさんがサイトを作るような流れで。こちらも2年くらい勤務しましたが、よりクリエイティブで型にはまっていない、自分のアイディアを実現する仕事をしたいと思うようになり、フリーランスのデザイナーになりました。その頃は今と比べてMacは主流じゃなかったので、使えること自体が重宝されたこともあって。大阪にいながら東京の仕事をしたり、雑誌の連載が決まったり、仕事をたくさんいただけるようになりました。クレジットに名前が載るようなものも含め、仕事の幅が一気に広がった時期でした。講師業もやっていたのですが、その時の生徒を一人ガラパゴスに紹介して、今は同僚として働いています。

10年のブランクを経て、デザイナー業に本格復帰

携帯電話のサイトデザインからアパレル分野まで様々なデザイン経験を積んで行く中、ものすごく働いたので疲れてしまって(笑)結婚して子どもができたこともあり、しばらく仕事を休むことにしました。そうこうするうちに10年ほど経過して、生活の変化もあり、また仕事したいと思うようになって。リフォーム会社等を経て、ご縁あって2018年にガラパゴスへ入社しました。

前職のリフォーム会社は週に3回ほどの勤務で、イメージボード(ビジュアルのサンプルをまとめたアイディアの一覧表)をつくるようなお仕事でした。例えば、「不思議の国のアリスのようなイメージにしましょう」とか、全体のテーマを決める感じですね。でも結局自分でつくらずにイメージボードを引っ張るだけの状態だったので、もっと自分で手を動かして作りたいと思い始めて。まだ子どもも小さくて時間もあまり取れないしどうしよう、とも思いながら検索していたら、ガラパゴスがヒットしたんです。これまでの経験を活かしたデザインの仕事をするか、新しいことにチャレンジするか迷っていたんですが、ガラパゴスのビジネスに面白みを感じて挑戦してみることにしました。

中家さん4

▲「羊肉を食べたい」というお子さんのリクエストに応えた誕生日の一枚。ジンギスカンの名店「雪だるま」にて。家族の時間を何よりも大切に。

もちろんブランクは感じていたのですが、自分の中のセンス的なものは変わっていないと思っていました。ただ使うツールやトレンドはすごく変わっているから、相手の話している内容が理解しにくいとか、苦労もありましたね。その頃のガラパゴスは高速でロゴを作ってAIに学習させる事業をやっていました。入社した時は「今までの経験で得た知見やセンスをAIに教える仕事だよ」と言われて。新しい考え方だけどわかりやすく、納得感がありました。AIって、計算など左脳的には機能するんですけど、何が美しいかという、いわゆる「審美性」とか、どの色がお客さんにマッチするのかみたいな右脳的な話は自ら学習できない。そう考えて、教師データを蓄積するためにとにかく多くのデザインを作り続けました。余談ですが、主婦の方とか、お子さんがいるから第一線は難しいけど働きたい、という意向の方を当時から積極的に採用していることにも好感が持てましたね。

中家さん6

▲子どもたちの世界一周体験イベントでハワイブースをつくる中家さん。やしの木をシンボルにして、見つけやすいように…と、デザイナーとお母さんの二つの背中が重なります。

改善提案の積み重ねが、サービスの根幹になった

入社して4年がたちますが、ガラパゴスの仕事は飽きないです、全然。次々と新しいテーマが飛んできますから。自分から発信・提案できる環境があるし、これまでも色々な転機をマネージャーが与えてくれました。例えばロゴを制作していた時も、海外の案件を担当してコンペに出したり、かと思ったらLP(ランディングページ)を作ることになったり、ADやってみない?って引き上げてくれたりとか。

中家さん2

特に海外案件は本当に面白かったです。とにかく道を開かなきゃいけないから先方が納得するようなものを作ろうと、自由かつ柔軟に、クリエイティブなことをやらせてもらえて。海外だから「筆文字がいい」と提案したり。結果、海の向こうのクライアントに「ブラボー」と喜んでもらえたら、やっぱりやりがいありますよね。そんな経験を積むなかで、失敗も含め事業の変遷を見てきているので、社内でもネクストアクションについて提案しやすい側面はあるかもしれないです。これまでのチャレンジがデータベースに溜まってきているんですね。

最初はLPのコツが全然分からなくて苦労したんですよ。今でこそLPはチラシであり、POPなんだと分かってきましたが、当時はどちらかと言うとWEBでの説明書に近いと思っていて、内容ももっと大人しいものだったと思います。だんだん数を重ねることでコンバージョンが上がって、成果が出はじめて。それがとても嬉しかったですね。

いま大きく成長しているAIR Designも、元々は何もなくて、真っ白のベースをぽんと渡されて思考錯誤しながらつくるような状態でした。正直クライアントの要望との乖離も多かったんですよね。それを改善するべく、まずトンマナ(トーン&マナー)を揃えて、今までに効果が高かったデザイン・レイアウトを標準としながら色やあしらいだけを変えるような手法で、さらに速く作るやり方を提案させてもらって。その結果、効率が格段に上がりました。イチから作らずにパーツごとに組み合わせて、トンマナのイメージがすり合わせできれば完成する、「仕組み化」「型化」ですよね。それが今のサービスの根幹になっていると思います。AIR Designの育ての親かな?って勝手に思ってます(笑)今後もより速く、良いデザインをつくる為に改善を重ねて、ガラパゴスの基本スタイルを磨いていきたいですね。

中家さん5

▲お台場のチームラボ・ミュージアムがお気に入りスポット。アイディアが浮かぶきっかけになるとか。

型をつくることと自由さは矛盾しない

「仕組み化」や「型化」することと「自由に作ること」は、矛盾するようで実はしないんです。基本スタイルはありながらも、その中のデザインに自由さがあるので。経験を積むとクライアントが欲しいものが先読みできるようになってくるということもあり、蓄積されたデータの中からベストなアウトプットができるからストレスは感じないですね。

私、この仕事はサービス業だと思っているんです。AIR Designというサービスを、クライアントであるマーケターさんを支援するツールとして確立できたらいいなって。ガラパゴスはデザイン会社というより、マーケターにとってベストなものをつくり続ける会社で、そこを磨いていけば唯一無二になれると信じています。デザインを提供して終わりではなく、マーケットの広さや、その先を見据えたサービスを提供していきたい。そのためには当社のメンバーもまだまだ腕を磨く必要があります。例えば、お客さんは「赤が良い」と言うけれど、マーケットに対してアクションを求めるなら青の方が確実に成果が出る場合、いかに説得力を持ってクライアントの心を動かせるか。そこが次の課題です。常にマーケットを捉えてトレンドを把握して、業界内で最先端のLPを生み出せるようにしたいですよね。「ガラパゴスが作るLPが一番売れる、間違いない」というポジションを目指したい。

中家さん2_圧縮済

クリエイティブもライティングもデザインも、まだまだマーケットを追いかけている状態なので、まずは常に合格点をとれる体制が必要ですね。尖ったトップランナーというよりは、安定して質の高いクリエイティブを生み出せる組織になっていきたいと考えています。

自身のキャリアと組織のこれから

AIR Designを起点にした次のサービスラインナップがきっと出てくると思うので、それに伴う新しいステージにも挑戦したいですね。ガラパゴスは現状マーケティングに注力していますが、デザインとかブランディングのプロセスを全部カバーできるようなサービスも開発できると思うんです。LPは作ることができるし、商品の開発とか、名刺やパンフレットなども含めて。今はブランドの一部分を担っているから、全体を統一した世界観をつくるような仕事もしてみたいです。これまでの蓄積を活用できれば、LPはより効率化できていくので、アドバイザーのようなこともできるように感じます。

今は組織も発展途上です。フロントに立つCS(カスタマーサクセス)にもデザイナーの意見をもっと伝えて連携を強めるなど、まだまだ改善できる余地があるので、今後は全体最適でより良いサービスを提供できるチーム作りをしていきたいですね。

中家さん9

▲千葉にてアジをサビキ釣り。仕事でもプライベートでも常に新しいことにチャレンジ!

ガラパゴスのデザイナーに求められるもの

私自身アートディレクターという肩書ではありますが、一般のイメージと違って少し特殊かと思います。ディレクターのような役割の場合もあるし、CSのようにお客さんに提案することもある。ビジネスに応じて役割が都度変わるようなイメージなので、特殊ですがそこが面白い部分でもあるかな。

当社の場合、デザイナーの仕事の仕方も色々あります。初稿からすべて担当する場合もあれば、途中から引き継ぐ場合もありますが、いずれにしてもトレンドを意識しながら、当社に蓄積されたデータやノウハウを活かして勝ちパターンのデザインを目指していく形になります。見栄え的に美しいことはもちろん大事ですが、誰がどういうシチュエーションで、どう目線を動かすのか、どんな感情を持ってほしいのか、その先にどうアクションをしてほしいのか。そこまで考えてデザインできる状態が理想ですね。例えば「美容液を売りたい」という場合には、実際に手に取って匂いやテクスチャーを確かめてみる。まずは自分がユーザーの感覚を理解して、感じた要素を広告・デザインでどう再現するか考えるということですね。実際はなかなか難しいんですけど(笑)そこまで考えられたらこの仕事はすごく充実するし、面白いと思います。

当社のようにデザインのターゲットを明確にすることは、デザイナーにとっては好き嫌いが分かれるかもしれませんが、私自身は良いことと捉えています。すごくアーティスティックなものをつくるというよりは、クライアントと二人三脚でマーケットに響くものをつくる。そんな仕事に興味がある人に挑戦してもらえたら嬉しいですね。「デザイン2.0、3.0…」というようなイメージで、デザインそのものの概念をアップデートして、自分自身も成長していくことを楽しめる方には、すごく刺激的な環境だと思います。

中家さん8

ガラパゴスでは、デザイン産業革命に取り組むメンバーを募集中です!

(文責:武石綾子・髙橋勲)