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前山 翼 代表取締役、人類文明の持続可能な発展に 金融とテクノロジーで貢献する

CEO PROFILE
前山 翼(まえやま つばさ)氏
1992年生まれ、山形県米沢市出身。2020年11月 株式会社FINBESTを創業。
 
経歴
2015年 新潟大学理学部物理学科 卒業
2015年 大手インフラ会社 技術職入社
2019年 個人事業でFP業 開業
2020年 株式会社FINBEST 創業

ー 本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、起業のきっかけについて伺えますでしょうか。

大学生の頃から、会社員として定年まで働くというイメージは持っていませんでした。ただ、だからといって大学在学中や卒業後すぐに起業するというのは、地方の大学生だった当時はそのような概念すらないような状況で、とりあえず就活しました。就職するなら大手がいいんじゃないか、というやや田舎の発想ではありますが、既定路線で就職しました。
ただ入社後、もう初日くらいからなんとなく嫌だなと思ってしまいまして。笑
 いつかは独立・起業をしたいと思いつつも、知識もノウハウも情報もなかったので、とりあえず今できる仕事を頑張る、という感じで働き始めました。仕事自体は興味のある再生可能エネルギーなどの分野の事業だったので、初めは真面目に働いていました。
本格的に起業に向けて考え動くようになったのは、社会人2年目くらいからでしょうか。早く起業したいなと思っていましたが、やり方が全く分からなかったので、社外の交流会などに顔を出し、起業している方から情報を得たり接点を持つようにしました。また、当時は起業するにあたって、副業や副収入というものに興味があり、本業の傍ら投資をやっていました。投資を通じて金融・経済自体に興味を持つようになったのですが、ファイナンシャルプランナーとして起業していらっしゃる方との交流をきっかけに、ファイナンシャルプランナーの事業で起業する、自分自身で稼ぐという概念を学びました。
 学んでいく中で、そもそも金融に興味もありましたし、とにかく一度「自分でやってみよう」と、勤めていた会社を辞めてフリーランスで始めたというのが独立の背景です。

ー まずは個人事業主として独立をされたのですね。

そうですね。独立は果たしましたが、本当のところファイナンシャルプランナーのようないわゆる士業ではなく、スタートアップのように、仕組みやテクノロジーを使って新しいサービスを打ち出すということをやりたい気持ちがありました。ただ、当時何かしらのビジネスアイデアがあるわけでなかったので、ひとまずファイナンシャルプランナーとして独立したかたちです。
そして、金融業界に足を踏み込むやいなや、業界の課題を感じることになりました。それらの課題をテクノロジーを用いれば解決できるのではないかと、ビジネスアイデアが生まれたので、現在の会社を創業するに至りました。
私が感じた金融業界における大きな課題の一つは、日本人の金融リテラシーの低さです。この問題の根源は、日本での金融教育の不足にあります。日本人は資産のほとんどを貯蓄として貯め込み、資産を運用に回さない傾向が強いのですが、その理由として、十分な金融教育が施されていないことによる金融知識の不足が挙げられます。実際、投資や資産運用に取り組んでいる人でも、結果的に失敗しているケースも多く見られます。
この問題は、金融知識不足の投資家をターゲットとした、金融事業者による顧客の利益よりも自社の利益を優先させる顧客本位ではない営業活動という利益相反や、さらには投資詐欺の横行などに繋がっています。老後2000万円問題がうたわれる中で、このような状態は健全な資産形成の推進の妨げとなっていると感じました。ファイナンシャルプランナーとして活動する中でこのような課題に直面し、個人が健全な資産形成を行えるよう金融リテラシーを向上させ、投資マインドを普及させることをミッションとして掲げました。
 
もうひとつの大きな課題は、日本経済の低迷です。個人の資産形成の課題を追求する中で、そもそもなぜ日本では30年間も経済が低迷し、賃金がなかなか上がらないのかというマクロ的な疑問を持つようになりました。バブル崩壊以降の空白の30年間という日本の抱える大きな問題を解決したいという思いが、僕のミッションにも繋がっています。
日本経済の停滞が続いている原因のひとつとして、日本人の投資マインドが欠如していることもあると考えています。これは金融リテラシーの問題にも関連していると思いますが、個人レベルでも資産運用には消極的で資産のほとんど貯蓄に回っていますが、同様に、日本企業も内部留保として資金を蓄え、次なる投資に資金を回さない傾向があります。このことが新たなイノベーションの創出を妨げ、アメリカはもちろんその他周辺諸国にも遅れを取っている一因となっていると考えています。投資マインドは、個人の資産形成もそうですが、企業や日本経済全体の発展においても非常に重要な要素でありながら不足している状況です。こうした課題を解決することが私たちの大きな使命であると考え、株式会社FINBESTを立ち上げました。

ー メンバーについてはいかがですか?

今のFINBESTを立ち上げる際に一緒にいたのが、共同創業者であるCOOの花本です。知人の紹介で知り合ったのですが、今の会社のビジョンにもなっている「人類文明をアップグレードする」という価値観が一致し、一緒にやることになりました。他のメンバーは、業務委託ではありますが、創業メンバーと同じように最新のテクノロジーをキャッチアップして、それらを用いて新たなサービスを作っていきたいという向上心のあるメンバーが集まっています。
 
自分自身でいうと、究極的に「大きな漢になりたい」という思いがあります。笑 人間として強い存在というか。昔だったら、将軍や革命家などが英雄として讃えられていたかと思いますが、現代では起業家がその存在だと考えています。スティーブ・ジョブズやイーロン・マスク、ビル・ゲイツなどはテクノロジーによって世界を変え、英雄として後世まで名を残すと思います。起業家として成功すれば、富と名声が手に入ると思いますが、まさに彼らは巨万の富も得ています。起業家としてイノベーションを起こすようなサービスを作り上げれば社会課題の解決にも繋がるので、そういった面からもやはり起業家という存在こそが現代の英雄だと考えています。

ー これまでの事業転換について教えてください。

これまで個人の資産形成の課題解決に焦点を当てたFinTechサービスのビジネスアイデアを検証しては失敗するということを4,5回ほど繰り返してきました。この過程で、資産運用分野のFinTechスタートアップでIPOまでグロースする事業を作るのはかなり難しいと痛感しました。事業を成功させるためにはトレンド、モメンタムが大事であることを再認識していたタイミングで、現在の事業の核であるカーボンクレジットの存在を知りました。カーボンクレジットは、CO2を削減するとそれが金銭的価値になるというものです。元々欧米を中心として取引されていましたが、2023年の10月から日本でも東証で取引がスタートするという情報を知りました。ちょうどその時取り組んでいた金融×生成AIのプロダクトの可能性に限界を感じていたこともあったのと、元々再生可能エネルギーなど脱炭素の課題解決には興味があったので、カーボンクレジットの事業に舵を切ろうと考えました。現状では、カーボンクレジットは大企業を中心に取引されているものですが、個人でもCO2を削減したらカーボンクレジットを創出し収益化できるようになったら面白いなと思いました。

 今進めているプロジェクトでは「環境に良い行動をとれば稼げる世界を作る」と目標を掲げており、カーボンクレジットを活用すればそういった世界が実現できるのではないかと考えています。このサービスが実現すれば、個人の収入源が増え(元々やりたかった事業の)資産形成の課題解決にも繋がるでしょうし、CO2削減が促進され地球全体のサステナビリティの課題解決にも貢献できると思っています。現在は、上記のサービスの実現に対し、ハードルとなる課題を一つずつ解消している段階です。目下の目標は、実証実験を行ってサービスをローンチすることです。まずは実証実験を通じて、上記のサービスが実現できるのかを実際に確かめたいですね。
早ければ1,2ヶ月以内に実証実験を開始し、本番のサービスを2024年夏頃にローンチしたいです。加えて、そのタイミングでシード期での資金調達(エクイティファイナンス)を行いたいと考えています。


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