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リモート日常化で重要性が高まるトップメッセージ

高藤悠子さんがシェアしていたこちらを読んでインスパイアされたので、今日はそれを記しておきたいと思っています。business insiderの、立教・中原淳先生のインタビュー記事。

人事である私としては、様々に気になるトピックスがあるのだけれど、私が最も印象的と思ったのはこちら。

(以下引用)

リモート下では、企業としての理念や戦略のストーリーをより強く持つ必要性が高まるでしょう。何のために、私たちは働いていて、どういう価値を社会に提供しようとしているのか。そういうストーリーです。


リモートで働くことは孤独な作業です。そして、人はとかく作業に集中し始めると、PCのスクリーンに向かって目線が落ちていき、自分の仕事を粛々とこなすことが目的となる。


実際リモートワークが進むと、組織へのエンゲージメント、組織に対する一体感、組織の戦略に対する貢献意欲などが落ちていきます。リモートワークは、組織に働く「遠心力」を高めます。放っておけば、組織がバラバラになってしまうこともある。

その中で、不安や疑念を越えて、仕事を続けるには組織の持つ理念やストーリーが、社員にとって重要な心の拠り所になると思います。


今後僕は、企業のトップが発するべきメッセージは、これまで以上に極めて重要になってくると思います。今という緊急事態をどのようにとらえ、企業は何を戦略とし、どのような理念を持って、社会にどのように貢献していくのか。


企業業績が急速に悪化することが目に見えている中、社員のエンゲージメントをいかに保つかがポイントになります。 そのためには、組織に「ポジティブなストーリー(戦略)」が必要です。


(引用終わり)


これは皆さんいま実感しているのではないでしょうか。思えば、各国首脳からのメッセージがこんなに注目されたことは過去無かったのでは。誰が何を打ち出していて、それが本質的なのか、行き当たりばったりなのか。発信のスピードや形、姿勢や言葉遣いまで含めて、リーダーシップがこんなにも話題になった記憶は私にはありません。

まして、企業も同じこと。中原先生も記事で語っているようにオンラインでのミーティングは目的志向で、無駄がないが雑談もないという中で、各人がタスクにだけ邁進すれば仕事の意味を見出せなくなるとは明らか。「私はなぜ今ここでこの仕事をしているんだろう?(これってやる意味あるのか?)」となりますよね。


実際、私がいま所属する企業で、営業を担当する若手の話を聞く機会があったのですが、何人もが「リモートだとモチベーションが下がるので、他の人がどうしているか知りたい」と言っていました。私自身はそう感じていることもなく、フレキシブルなこの働き方をプラスに捉えている側面が強いので、まずは違いに驚きました。

ただその一方で、「まぁ、なかなか営業としてアプローチがしにくくなり、売り上げも上がりにくい状況になれば、そりゃモチベーションも下がるよな、、、」と理解できたのも事実で。その事実がこの中原先生の記事でさらに構造化できた感じを持っています。リモートで多面的な接点が減り、オンラインミーティングやチャットでのやりとりばかりになる中で、いまこの仕事をする意味や所属している企業に貢献する意義が見えづらくなっている、ということなのだと思います。

だからこそ、「発信が大事」と思います。企業トップだと、ともすれば事前に何回ものチェックがあってメッセージ発信まで時間がかかったり、そのプロセスでマイルド(言い方を変えれば骨抜き、、にも)な表現に変わったりで、ともすればキレイごとを並べただけのものになってしまいがち。ですが、そんなもの誰も求めていない。スピーディに自分の言葉で伝えようとするリーダーが今まで以上に強く求められていると感じます。


その観点で、今この時代らしいリーダーなのか?が見える化されるとも思います。さまざまな状況にいるメンバーをどれだけ想像して発信できるか。こんな中でも何を大事にして、どう取り組んでいくのか。そこにポジティブなストーリーがあるのか。そんなことが、多少無骨でも語られるのであれば、相手もきちんとキャッチしてくれるはずです。


逆にそれが感じられなければ、ここにいる意味はないとやめていく人、やめないにしてもモチベーションが保てない人が増え、企業の生産性が落ちていくシナリオになると思います。


未来が見えないで不安を抱える人が増える中、その中での方向性を示すメッセージは光のように見えるはず。それがあって、自分の役割や仕事が見えてくれば、その方向に向かって頑張れる人が増えると思います。人事として働く私としては、トップとともにエンゲージメントを高める仕組み、仕掛けをしていくのが私たち人事の役割だな、と改めて感じました。

皆さんもよかったら感想お聞かせくださいー!



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