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学歴にこだわっている社員がいる限りメンバーシップ型から抜け出せない N123

 世界的に見て日本ほど学歴主義ではない社会はない。日本以外の国では学歴がそのまま仕事に直結する。一方でどこの大学を出たのか?にこだわる日本人が多いのも事実だ。会社内の付き合い、取引上の付き合いで学歴を持って付き合うかどうか?あるいは人間性の品定めをする日本人は多い。 キャリコネのコラムで”「東大院卒の私と、無名大の学部卒の同期がほぼ同じ給料」年功序列の会社に不満の声を述べた”というのが掲載された。 

 「私のような東大修士卒、かつ院試を首席で合格した人と、聞いたこともない大学の学部卒の人であっても給与はほぼ同じ。学部卒か修士卒かによって基本給が1~2万円違う程度。昇進のタイミングはほぼ年齢・勤続年数で決まっているため、今後も基本給に差はほとんどつかない。年2回、業務評価を行って賞与に反映されるが、形骸化した評価制度。個人の業務を概要しか伝えられていない上司が評価するため、殆どの人が同じ評価を得て賞与に反映されます」 

 とのことだが、年功序列の会社ということはメンバーシップ型の雇用形態だろう。メンバーシップ型の特徴として新入社員の採用の際に自社に適格かどうかで採用がオファーされる。その際に最初にふるいにかけるフィルターは学歴だ。学歴に差はあれど人材のレベルはおおむね同じようになるのではなかろうか。そう考えると、ご本人が優れていないか、その聞いたこともない方が優れているかのどちらかでしかないだろう。  

 一方でジョブ型ではそのアサインされた仕事の対価として報酬がもらえるので学歴とは無関係で同じ給与が支払われるのだ。しかし実力があれば上位の仕事に移ることができる。今の会社の人事制度が嫌ならやめれば良いだけだ。  

 海外の大学入試の良いところはインタビューやエッセイが必須のところだ。学術テストだけでなく、リーダーシップや価値観、深くものごとを突き詰めているかなどを複合的に判断して合否判断する。日本では一部の大学でインタビューやエッセイ(小論文)は行なっているが、まだ試験の点数重視だろう。そうすると推薦入試の人の方が優れた人が生まれやすくなるのではなかろうか? 

 ビジネスなので結局利益を最大化したかどうかが多くの人にとって判断軸になるだろう。学歴にプロフェッショナリズムや人間性を織り込むことができれば随分変わるだろう。米国では利益至上主義でコンプライアンス破綻し、別の意味で倫理や人間性を問い直しているが。  

 何れにせよ教育機関の入試と教育が人と社会を幸せにする大きな役割を担っているのは事実だ。 

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