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入院中、となりのおばあちゃま(91)が退院、そのご挨拶を聞いて号泣してしまいました

火曜日の朝から入院しています。

私はこの部屋で最年少患者、他の患者さんはみなさん85歳以上。

私は痛みの中の緊急入院だったため、ご挨拶もできないままでしたが、毎日点滴やお食事ののチェックの際に生年月日を言うので、「隣のおばあちゃまは91歳だ」「お隣は88歳」となんとなく皆さんのことを知るようになりました。

こんな若造が体を壊して恥ずかしい...と感じるほど、同室のおばあちゃま方はお年を召されているのに、痛みも堪えて凛としています。

そんな中、モダンでお上品な雰囲気、おしゃべり上手な隣のベッドのおばあちゃまが明日退院されるようです。

このおばあちゃまは毎日看護婦さんとたくさんのお話をしていました。


「あなたはお子さんが2人もいらっしゃるのに立派ね。今日はもうお休みしてね。」

「あなたは男性なのに本当に優しくて素敵な手をしているのね」

「学生さんを教えるのは大変ね、でもあなたに教えてもらって彼女たちは幸せね」

...と次から次へと出る感謝の言葉


それでも世の中のことには厳しく、毎日ニュースを見てはしっかりと自分の意見を話すような、言葉遣いが丁寧で上品で、それでいて控えめで、とってもスマートな方なんだなとすぐにわかる口調。

身の回りのこともできるだけ一人でこなし、お手伝いしてもらった時には感謝と気遣いの言葉がどんどん湧いて出てくる。


素敵な女性だな〜。

私も彼女みたいになりたいな。


すると、次から次へとおばあちゃまに挨拶にくる看護婦さん、先生、インターンの生徒さん。

「〇〇さ〜ん、明日退院ですよね、いろいろとありがとうございました。」

「〇〇さ〜ん、もう今日は仕事が終わったので、明日またお見送りに来ますね」

「〇〇さんの担当で幸せでした」


この人はいったい10日間でどれだけの人のハートをつかんで、どれだけの人を幸せな気持ちにしたんだろう?

すると一人の先生が研修の学生さんのことについておばあちゃまに質問をしました。

「〇〇さん、学生の子達はどうでしたか。何か気づいた点はありませんか」

するとおばあちゃまは

「いいえ、本当に上手で一所懸命にやってくださいましたよ。シャワーもしっかり浴びさせてもらって、綺麗にしていただいて、とっても気持ちよかったわ。気をつけることは一つもない、これから頑張ってくださいとお伝えください。彼女たちについてもらって本当によかったわ。」

と答え、また続けました。

「この年まで生きさせてもらって、私は宗教とか何も入っていません。ご先祖さまだけを大事にしてきました。きっとご先祖さまがまだ来なくていいと言って生きさせてくれているんでしょう。だから私は家に帰って毎日を楽しく生きようと思います。皆さんにお会いできて本当によかったわ。感謝しています。」


私は涙が止まらなくなってしまいました。

あいさつさえもできなかった私まで、こんな素敵な気持ちにさせてくれるなんて本当に素敵です。ありがとうございます。


そんな素敵な人になるためには...?

退院したら考えてみよう。どうやったらあんな人になれるのかを。

文句言ってる場合じゃないな。もっと大きな人間にならないと!


そして、今朝たくさんのスタッフの皆様に見送られ、おばあちゃまは退院されました。


私も退院の目処が立ってきたので、退院してから、おばあちゃまのような人になるために、なにができるのか考えてみようかな。



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