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【更新】「本物の英語力」て何?

「英語教育」の必要性が何年も叫ばれているのに、なかなか「本物の英語力」を身に着けることがができない日本人はごまんといます。それは、なぜでしょうか。ツィッターの発信から考えてみました。

日本の英語教育

今更ですが、あまりに日本の英語教育の惨憺たる現状が変わらないので、記事を書いてみました。その理由は、ずばり「学習目標の問題」「目標にあっていない学習法」「学習量の不足」です。

「英語独習法 」でも、日本では「何日間で英語がペラペラになる」みたいな本ばかりが売れ、自分が到達したい英語のレベルを意識していない人が多い、と著者は言っていました。

「英語独習法」の著者、今井むつみ氏は、英語学習者が目標とする英語レベルは大きく分けて母語の「1. 小学生」「2. 高校生」「3. 仕事・研究で使える」の3段階くらいがある、といいます。しかし、彼女は日本人の英語学習者でこの目標を考えて勉強している人は少ないと分析しています。

私の観察では、多くの日本人の英語学習者は2の高校生レベルか、できれば3の専門職業人(英語でいうところのProfessional*)、或いは研究者として英語が使えるレベルになりたいと思っているようですが、1の小学生レベルの英語学習(英会話)の勉強しかしていない人が多いのではないかと思っています。英語教育者によると、TOEIC満点レベルは「英語圏の12歳の人の英語力」とほぼ同等だそうです。

ちなみに、かなりの日本人は「英検2級」が高校生レベルの英語力で、海外の大学にも入学できるレベルだと思っているようですが、これは誤りです。あくまで、一般的な日本人に期待される、英語運用力を指しています。英検は2級なら正答率6割で合格できます。TOEIC満点が英語が母国語の人の12歳レベルなら、英検2級満点は、おそらくネイティブ・スピーカーの10歳レベルです。最低合格点の60点なら8歳レベルでしょうか。8歳の国語運用力で日本の大学に合格するのが困難なように、英検2級の英語力では英語圏の大学から入学許可を貰えません。

あたりまえのことですが、日本の高校生レベルの内容の発言を英語でも発信したかったら、そのレベルの知識の英語語彙と教養は必須です。そのために必要なインプットを飛ばして、英語圏の高校生レベルの英語を書いたり、話せると思っている日本人は多い、と思っています。

英語圏の高校(3年)生レベルの発言とはどのようなものか、以下の「CNN10」のニュースは米国の高校1年生レベルなので、これよりやや高いレベルだと思います。

Global Inflation Fears | May 20, 2021

本物の英語力

英語教育法に関しては、変遷がありますが、自分の経験や様々な専門家の意見を総合すると、「本物の英語力」=「英語圏の高校生以上の英語力」を得るには以下の3つが必要です。

1. 語彙・文法等のスキル

2. 語るべき内容

3. 伝える力

上記のリストでは、純粋な「英語」スキルは1だけで、専門知識や教養、時事問題などの「コンテンツ」、3は英語のロジックやレトリックを理解して、自分の意思を伝える力、と言えるでしょうか。日本人がよく受講している場面ごとを想定した「英会話」の練習は、「想定内の会話」には対応可能ですが、実際のコミュニューケーションは「想定外」だらけです。この想定外のハードルを越えられない、そして英語で「語るべき内容」の語彙や表現を知らないから、低い英語力に留まっている日本人が多いように思いました。

本物の英語力を身に着けるには上記の語彙・文法のスキル以外に、自分が必要とする「コンテンツ」を学ぶこと、それを伝える力を身に着けることが重要だということを以下の著書は説明しています。

本物の英語力
著者:鳥飼 玖美子

グローバル・アジェンダが主宰する講座は、グローバル化する現代社会で生活するために必要な「コンテンツ」と「英語の発信スキル」を同時に学ぶことにより「本物の英語力」を身に着けるためのワークショップです。実際、コースの参加者の英語力は飛躍的に伸びています。

以下レベル別に複数のコースを用意しています。

英語中級者向けワークショップ


「SDGs英語ニュースについて議論する」

2023年 IT社会の英語ニュースについて議論する

英語上級者向けワークショップ


新・日本の論点:Japan Today

【英語で学ぶ大人の社会科】世界の知性が語る現代社会

*Professionalとは

relating to work that needs special training or education

Cambridge Dictionary

2023年から複数の新しいコースが始まります。ぜひ、貴方も試してみませんか?

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