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[解説と設問を発表]英国での連鎖的暴動はなぜ起きたのか【英語で学ぶ大人の社会科】第83回 8/18(日)20時@オンライン

英国で起こったかつてない規模の連鎖的暴動。ソーシャル・メディアの暴走とナショナリズム、そして政治との接点について英語で議論します。


2024年8月後半の「英語で学ぶ大人の社会科:世界の知性が語る現代社会」のワークショップのお知らせです。2024年8月18日(日)夜20時@オンラインで開催するワークショップは、BBCに掲載された論考「イギリスの騒乱はなぜ起きたのか」を使い、ソーシャルメディアによるフェイクニュースの拡散とナショナリズム、政治との関係性について英語で議論します。このワークショップの解説と設問を発表します。

【ワークショップ】

英国北西部の海辺の町サウスポートで、7月末にルワンダからの移民を両親に持つ移民2世の少年がダンス教室に侵入し、3人の女児を刺殺、その他大勢のこどもたちと大人が負傷するという痛ましい事件が起こりました。一方、事件発生の直後から、この容疑者が小型ボートでイギリスに到着した亡命希望者であるとか、イスラム教徒だという誤った情報や噂がソーシャルメディアで拡散されました。インターネット上の誤った情報は極右勢力、反移民感情によってあおられ、結果としてイングランド全土と北アイルランドの町や都市で亡命希望者の宿泊施設が襲撃され、くわえて図書館・警察など公共施設が破壊される行為が各地で発生しました。

【解説】 イギリスの騒乱はなぜ起きたのか

実は、過去10年に一度くらいの割合で、社会的不満などから主にロンドンなどの大都市で暴動が起きることがあった英国ですが、今回は、その規模が英国全土に拡散するという異常事態です。実は、私自身も2011年にロンドンで暴動があった際に、比較的その近くの地域に住んでいた経験があり、その時は、後にニュースでその情報を知ったくらいです。

ロンドン暴動から10年、イギリスにもう1つの分断が

英国での過去の暴動の多くは、階級格差や、移民に対する扱いの公平性(2011年のロンドンの暴動は警官による黒人男性の射殺)の問題であったりしましたが、今回は様子が違います。この暴動に加わった英国国民の多くが、ネット上のデマを信じ、破壊活動に加わったことは、2021年のトランプ元大統領の支持者による国会議事堂襲撃事件を思わせます。今回の英国での「抗議活動」と称する破壊行為の実行者は、移民排斥を主張する極右集団であり、白人が中心でした。ある意味、英国での暴動は、過去のドイツでのヒトラー支持者によるユダヤ人襲撃を思わせるような外国人排斥活動なのです。

まだ、移民が少ない日本では、この状況は「対岸の火事」のように思う人もいるでしょう。しかし、介護や配送、飲食業界など、多くの業界は人手不足であり、移民に頼らざるを得ない状況に日本も移行しつつあります。また、それ以外にも、国際情勢の変化で、日本に難民が来ている現実があります。

埼玉・川口市がクルド人めぐり国に異例の訴え なぜ?現場で何が? | NHK

そして、規模は小さいながらも、日本でも英国で見られたような外国人に対するデマが飛び交っており、同じような暴力事件がわが国で発生する可能性は皆無ではありません。事実、このようなデマを信じた一般人による外国人殺傷事件は、関東大震災の時に発生しています。

「特定の人がデマの潮流を生み出していた」 ネットにはびこるヘイトの真偽を検証し、立ち向かう動きを追った:東京新聞 TOKYO Web

あなたは、この問題についてどう思いますか?このテーマについて、ご関心のある皆様の参加をお待ちしています。このワークショップの詳細は以下のとおりです。教材として、以下の英語論説記事を利用します。

日時: 2024年8月18日(日)20時~21時30分

場所: オンライン
定員: 10名程度まで
費用: 見学のみ: 500円、初回参加者:800円~

【教材】

トップのBBC日本語記事の英語版です。

Why are there riots in the UK?

チケットの申し込みは以下のYahooチケットサイトから、または銀行振り込みでお願いします。

【チケット】

英国での連鎖的暴動はなぜ起きたのか【英語で学ぶ大人の社会科】第83回 8/18(日)20時@オンライン

【銀行振込での申し込み】

振込用紙は以下のサイトからダウンロードお願いいたします。

このワークショップの設問は参加申し込み者、サロン会員、有料ニュースレター購読者及び後日発表するnote記事購入者にのみ送付します。過去のワークショップと同様の設問を設定しますので、以下のマガジンの2020年4&5月の記事(設問を公開しています)を参考にしてください。

【英語で学ぶ大人の社会科】世界の知性が語る現代社会

【解説】

英国で複数の大暴動にまで発展した原因を探ると、多くの識者が指摘するのが、「ソーシャル・メディア」の影響です。前回の英国で大規模暴動があった2011年は、まだソーシャル・メディアは黎明期の段階でした。特に現在のXの前身のTwitterは、同年には「アラブの春」に象徴される、どちらかと言えば「時代を先取り」して「オープンな議論」により、民主主義を前進させるツールとしての側面が強調されていたように思います・

Twitter is now owned by Elon Musk — here's a brief history from the app's founding in 2006 to the present

しかし、その後、様々なソーシャル・メディアが登場し、利用者が増えるにつれ、その「自由さ」は、逆に弱点となり、フェイクニュースやヘイト・スピーチ拡散の温床ともなっていきました。

Twitterの誕生から現在までの歴史を解説!現状の問題点とは?

そして、それら一連のソーシャル・メディア上での言論活動が、ポピュリズムの台頭に終わらず、先日のトランプ大統領候補暗殺未遂事件のような政治的テロや暴力事件に大きな影響を与えてきたことは否めません。英国での今夏の暴動や2021年の米議事堂襲撃は、そのようなソーシャル・メディアの欠陥が如実に表れた事例として、歴史に残るケースだといえます。

ポピュリズム

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