2006PRIR-03_のコピー

TVに出演する際の装いのポイントとは -メディアが見たイメージ戦略 vol 11- :『PRIR』寄稿記事

※本記事は『PRIR』 3月号(2006年)に掲載された日野江都子の寄稿記事からの転載です。

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2019年9月30日現在の所感

実はこの1週間くらいの間で、昔エグゼクティブ・プレゼンスのコンサルティングとトレーニングをご提供した、某大手企業トップの姿を映像で見ることになってしまった(日本のTVの映像がYoutubeに投稿されているもの)。筆者がコンサルティングを行ったのは、その方が社長に就任した直後。あれから10何年という長い時間が過ぎ、今ちょっと大変な状況のようだ。また数日内にTV映像で目にすることになりそうだ。こういう時こそサポートして差し上げたいのだけど、今私にできることは、「透明性をもった誠実な対応を、そしてその誠実さが見る人の目に映るよう、とにかく努めてください」と祈りながら、その様子を静かに見守るのみ。

攻めのメディア対応には準備の時間がある、しかし、クライシスは突然やってきて、リハーサルなんてものはおろか、十分な準備をする時間もないのだ。

「いつかそういうことが想定できるようになったらお願いしなくちゃ」と思っている企業は、他人事と思わず、優先順位高く行い、時々確認をしておくべきだ。消防訓練や避難訓練のように。

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画像1

経営者がメディアに登場する機会が、大変増えています。記者会見のほかにも、その企業が取り扱っている商品や専門分野において、取材を受けたり、番組に出演してコメントをしたりとさまざま。

相手と直接会う際のイメージも、当然必要ですが、メディア露出となると、さらに特別な知識が必要となります。特にTV出演は、経営トップにとっても非日常の場面。ルールや常識を何も知らずに臨むと、経営者自身はもちろん、企業のネガティブメッセージを発信することになりかねません。

そこで、今回はTVに映る際の装いの注意ポイントをご紹介したいと思います。

まず1点目はスーツの柄。TVに出演されている方の洋服の細かい柄が、画面上でチラチラうねって見えて、とても目にうるさく感じたことがどなたにも一度はあるでしょう。これは、モワレ(電子柄)といって、画像の粒子と柄が微妙に重なりシンクロすることで見えるのです。このようになりやすいスーツの柄の一つに、間隔が狭く、地色とストライプの色とのコントラストが強いもの、もしくは白と黒が使われやすい、ヘリンボーンや千鳥格子が挙げられます。ここ数年、アメリカでも日本でもストライプ柄のスーツが多く出ています。このストライプ柄、線の種類や幅によってイメージを大きく変えられる便利なアイテムなのですが、TVなどの映像の場合には選び方に注意が必要です。このような場合に一番安心なのは、無地。ストライプであればコントラストの強くないものや線の間隔が広いもの。ネクタイの柄にも、あまりうるさくないものを選ぶことが大切です。遠目で見たら無地に見えるものは、いかなるときにも自信を持って使用できるアイテムです。無地そのものやピンドット、小紋柄ですね。

注意の2点目は布の厚み。厚手でないすっきりした布地のスーツを選びましょう。なぜなら、TV特有の横に大きく見える傾向によって、実際より太って見えるからなのです。芸能人の方と直接会うと、とても華奢で驚くことがあります。それだけTVは横に大きく映ってしまうのです。そのような状況では、肩や胸の周辺のほんの少しの厚みが顔周りのシャープさに、そして背中のラインのスリムさは全体の精悍 (せいかん) なイメージに差をつけます。

さて3点目はスーツの色。男性のビジネススーツの基本色は紺とグレーです。紺・グレー、どちらが似合うかももちろん重要なのですが、精悍でパワーがあるように見え、TV映りのよさを考えた場合には、紺に軍配が上がります。グレーは落ち着いた印象を与えますが、沈んで地味に見えてしまうことが多くあります。紺のスーツが得意でない方は、ネクタイに紺を選ぶのも一つのテクニックです。

メディア登場の場合に求められることは、その方の生き生きした存在感と、経営トップとしてのパワー。それを演出するために、まずは、この3点を普段から確認と準備をしておくことが、メディアを有効かつ大きなビジネスの場とすることのできる、イメージのコントロール法なのです。今こそメディア登場の対策を練りましょう。いざお話が来たときに焦ることのないように。

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