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《ほぼデイリー》グローバルEYEのブランディング時評

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日々流れてくる世界のニュースの中から、コーポレートブランディングやマーケティングを中心に気になったことを、ニューヨーカー視点で斬ってみます。
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ヒースローベアのMerry Christmas

ヒースローベアのMerry Christmas

何年経っても、何度見ても、心にじわっと沁みてくる映像がある。その一つが英国ヒースロー空港が作ったクリスマス映像。イギリスらしく、主人公達はテディベア。

合計3本の映像があり、最初の作品が7年前。これがリリースされた当時に見たとき「なんて人の心のヒダにフィットしてくるのだろう」と思ったことを思い出す。
それ以来、このクリスマスの季節になると、誰かがSNS上でシェアをしていて、毎年どこかで遭遇するこ

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”ボディシェイミング”って知ってる?

”ボディシェイミング”って知ってる?

ボディシェイミングという言葉を聞いたことがあるだろうか?
NYの友人でジャーナリストの シェリー めぐみさんがこのことをtweetしていて、常々思っていたことがふつふつと湧き上がった為、備忘録として書き留めておこうと思う。

まず、ボディシェイミングの意味はめぐみさんのtweetをご覧頂きたい。

これ、日常的にやってしまっているであろうということ、どれくらいの人が気づいているだろうか?

筆者が

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 『GQ Sports』表紙 大谷翔平選手に「ありのまま」の意味を考えさせられる

『GQ Sports』表紙 大谷翔平選手に「ありのまま」の意味を考えさせられる

ロサンジェルス・エンゼルズの大谷翔平選手がファッション誌「GQ」初の「GQ Sports」の表紙に登場。
インタビューや写真が話題になっており、世界中のファンからのコメントですごいことになっているようだ。

ちょうどGQの公式サイトで公開された「10 Things Shohei Ohtani Can't Live Without (大谷翔平がこれなしでは生きられないという10選)」を見て、この人は

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「鎌倉シャツ「究極の作務衣」:伝統と現代性、原点回帰と斬新さの最適化ブランディング」:『AdverTimes(アドタイ)』連載 vol.20

「鎌倉シャツ「究極の作務衣」:伝統と現代性、原点回帰と斬新さの最適化ブランディング」:『AdverTimes(アドタイ)』連載 vol.20

AdverTime(アドタイ)の連載20回目 は、仕事着としてのドレスシャツを作り続けているメーカーズシャツ鎌倉 (鎌倉シャツ)が地元鎌倉のお寺と共同開発した「究極の作務衣」を通したブランディングについて。

鎌倉シャツNY進出以来のお付き合いである、昨年社長に就任された貞末 奈名子さんがいつも言う「うちはシャツ屋だから、シャツを売りたいんです」に、ことあるごとにハッとさせられる。そしてそれは、シ

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「グローバル舞台のコミュニケーション、英語で行うか?大谷翔平選手の場合は?」:『AdverTimes(アドタイ)』連載 vol.19

「グローバル舞台のコミュニケーション、英語で行うか?大谷翔平選手の場合は?」:『AdverTimes(アドタイ)』連載 vol.19

AdverTime(アドタイ)の連載19回目 は、長年書こうと思っていた、日本人の英語スピーチやインタビュー対応に対する私の見解。

きっかけは、前回(アドタイ連載18回目)に書いた、大谷翔平選手の活躍とそのプレゼンスのあり方をまとめるにあたり、一部コメンテーターや解説者による大谷選手の英語についてのネガティブ発言と直後の謝罪という現実を目の当たりにし、いいタイミングかなと思った為。

実は長年こ

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変化を支えるPinkの心意気:ノルウェイ女子ビーチハンドボールチームのウェア罰金問題と世界の動き

変化を支えるPinkの心意気:ノルウェイ女子ビーチハンドボールチームのウェア罰金問題と世界の動き

ビーチハンドボール欧州選手権にて、ノルウェー女子チームが、男子チームのように短パンを着用し「不適切な格好」で試合に臨んだと罰金を課されることに。

その罰金をシンガーのPinkが肩代わりすると表明。さらにEHF(ヨーロッパハンドボール連盟)は「性差別主義」で罰金を科されるべきだと指摘した。

欧州ハンドボール協会の規律委員会の声明によると、同チームは2021年欧州ビーチハンドボール選手権のブロンズ

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アメリカのエース、体操選手シモーン・バイルス途中棄権の勇気

アメリカのエース、体操選手シモーン・バイルス途中棄権の勇気

7月27日、東京オリンピックの体操の競技にて、アメリカのエース、シモーン・バイルスが途中棄権した。

記者会見で「メンタルヘルスを第一に考える」と堂々と本人が自らの言葉で話した。

Put mental health first because if you don’t then you’re not going to enjoy your sport and you’re not going t

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「アメリカが恋に落ちた大谷翔平選手、新時代を物語る透明なプレゼンス」:『AdverTimes(アドタイ)』連載 vol.18

「アメリカが恋に落ちた大谷翔平選手、新時代を物語る透明なプレゼンス」:『AdverTimes(アドタイ)』連載 vol.18

AdverTime(アドタイ)の連載18回目 は、アメリカ人を魅了したLA エンジェルスの大谷翔平選手の、その存在と存在感について。

このコラムのタイトルはESPNの記事中の一文

What Ohtani displayed Monday perfectly illustrated a skill set so alluring, a vibe so intoxicating, a tale s

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「大坂なおみ選手の取材拒否と、ネガティブ・メディアトレーニングがなくなる日」:『AdverTimes(アドタイ)』連載 vol.17

「大坂なおみ選手の取材拒否と、ネガティブ・メディアトレーニングがなくなる日」:『AdverTimes(アドタイ)』連載 vol.17

AdverTime(アドタイ)の連載17回目 は、先日全仏オープンで会見拒否から棄権をした大坂なおみ選手と、最近のメディアのあり方について。

大企業トップ会見時のプレゼンスに関するコンサルティングやメディアトレーニングを行ったり、会見に立ち会うこともある立場上、今回の一件は考えれば考えるほど非常に辛くなった。そして、思うことがあまりに多すぎて、文章としてまとめるのが大変だった。

アドタイ用の記

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企業ブランドが一瞬にして崩壊:「連絡メール」の皮を被った お粗末な「釣りのメール」

企業ブランドが一瞬にして崩壊:「連絡メール」の皮を被った お粗末な「釣りのメール」

先日、定期的に案内メールを送ってくる某社から、いつもとは感じの違うメールが届いた。普段あまり気にしなかったのだが、冒頭の書き出しが一斉メール風ではなく、筆者個人宛てかのような書き方だったこともあり、気になって読んだ。そして、ガッカリした。

それは、いわゆる「釣り」のメールだったからなのだ。

NYではNY PAUSEと呼ばれる自宅待機令が発令されたのが1年前の3月22日。その日から1年たつ。この

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「謝罪会見に「赤ネクタイ」はNG!JOC森会長の「不適切」な装い」:『AdverTimes(アドタイ)』連載 vol.15

「謝罪会見に「赤ネクタイ」はNG!JOC森会長の「不適切」な装い」:『AdverTimes(アドタイ)』連載 vol.15

AdverTime(アドタイ)の連載15回目 は、東京五輪・パラリンピック組織委員会(JOC)の森喜朗会長のオリンピック臨時評議会での不適切な発言を踏まえた、翌日の謝罪会見におけるプレゼンスとそこから読み取れる意識について解説してみた。

人は口で嘘をつく、だけど日常的行動は嘘をつけない。中でも選択とはその人の深層心理と意識と価値観、その人が身を置いている環境が見事に反映される、鏡のような部分。

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「実はスピーチが苦手!?「勝利宣言」にみるバイデン流プレゼンス」:『AdverTimes(アドタイ)』連載 vol.11

「実はスピーチが苦手!?「勝利宣言」にみるバイデン流プレゼンス」:『AdverTimes(アドタイ)』連載 vol.11

AdverTime(アドタイ)の連載11回目 は、米国時間先日11月7日(土)に米大統領選で当確を受けたジョー・バイデン氏の勝利宣言のプレゼンスについて。

先日、2017年にオバマ氏がバイデン氏の8年に及ぶホワイトハウスでの功績をたたえ、米国で文民最高位の勲章となる「大統領自由勲章」をサプライズで授けた際の、バイデン氏のスピーチを聞き返した。

あの時のスピーチの声とは、張りが違う。全身から滲み

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「米大統領選、トランプ氏の“オレンジ色肌”が拡大した理由とは」:『AdverTimes(アドタイ)』連載 vol.10

「米大統領選、トランプ氏の“オレンジ色肌”が拡大した理由とは」:『AdverTimes(アドタイ)』連載 vol.10

AdverTime(アドタイ)の連載10回目 は、本日投開票日を迎えた米大統領選の次期大統領を狙う、現大統領ドナルド・トランプ氏のオレンジ色の肌に異変を見つけた件について。

ただいまニューヨークは午後10時、まだまだ選挙結果は出ず、落ち着かない夜を過ごしているが、そのタイミングでこの記事を公開できた。

4年前にトランプ氏の奇妙なオレンジ色肌についてメディアでも分析する機会があったが、今回の選挙

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ウィンドウは再度板張り、NYCは不穏な空気:米大統領選 投開票日 前日のNYC

ウィンドウは再度板張り、NYCは不穏な空気:米大統領選 投開票日 前日のNYC

日付は11月3日、いよいよ米大統領選 投開票日当日。こんなに緊張感が高まり、不穏な空気の流れる投開票日は今まであっただろうか?

どちらが勝とうが抗議活動が行われることが予測され、少し前にBLMのプロテストが行われた時と同様、暴徒化した人々による店舗の襲撃が行われる可能性があるということで警戒し、店舗はウィンドウに板の貼り付け作業をすすめていた。

写真は、11月2日(月)の早い午後、定点観測の為

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