見出し画像

【2020年】今年出会った約150の銘柄からの日本酒 BEST5

いよいよ2020年も終わりに近づいてきましたね。

前回の記事で紹介した通り約1年半前から日本酒が好きになり、色々な所で日本酒を飲むようになってきました。


今年は新型コロナウイルスの影響で外に飲みに行けない日々が続いたので、酒屋さんでお酒を購入し部屋で飲むようになりました。それまでは部屋で晩酌なんて一切しなかったのに… 何故、そんな男が自分で買ってまで日本酒を飲むようになったか… それは

・まだ出会ってない美味しい日本酒と会いたい

・飲みやすい日本酒と共に日本酒好きを増やしたい

この2点の為に、せっせと買っては飲んでを繰り返しました。そこで2020年12月17日現在で今年に入って新たに飲んだ 約150銘柄の中から

1)飲みやすい初心者向け日本酒
2)『これぞ越後の酒』辛口の日本酒
3)『え?これが日本酒?』な濃厚甘口日本酒
4)進化のとまらない変わり種日本酒

の4つについて独断と偏見で選んでみましたので、是非ともお酒選びの参考にしたり、楽しんでもらえれば…と思います。


1)飲みやすい初心者向けの日本酒

まず、初心者向けの日本酒を…といっても人の好みは千差万別…なので判断基準として

・アルコール度数の低さ

・香りのよさ

・水のようなすっきりした飲み口

・フルーティーな香りと甘さ

を基準に5種類の日本酒を選んでみました。それではいってみましょう。


①讃岐くらうでぃ(川鶴酒造/香川)

画像1

これはアルコール度数が6%の低アルコール(日本酒は平均15、6%)で甘酸っぱい、まさに『大人のカルピス』。おりがらみといって白いにごりの入ったお酒です。香川県の名物"骨付鳥"にあうように開発されたお酒で焼肉にマッコリがあうようにお肉のあぶらをサッパリさせてくれるお酒です。勿論、お酒単体でも飲み続けられるお酒です。


②No.6 Type.S(新政酒造/秋田)

画像2

桃の様なフルーティな香りのあとに口中に甘酸っぱい風味が広がるお酒。とてもスッキリしていて綺麗な余韻が残るお酒。精米歩合の違いでType.R と Type.X もあり、高価な順にX > S > R となっています。Xの方がよりスッキリしていますが、日本酒らしい風味がより多いことからType.Sを推させてもらいました。気に入ったら他のタイプとの飲み比べも面白いお酒です。


③ヒメノイ Sour(石塚酒造/新潟)

画像3

通常、日本酒用に使う黄麹ではなく、焼酎によく使われる白麹をつかったお酒。白麹を使うことで酸味が出るのですが、レモンの様なフルーティーな香りとお米の甘さがマッチしたこちらは言うならば『大人のレモネード』。あったかくしてホットレモネード風にしても美味しいお酒でした。


④Fu 純米(冨久錦酒造/兵庫)

画像4

こちらも8%と低アルコールのお酒です。香りはとてもフルーティーであるものの後味には酸味がきいていてキリッとした印象。言ってみればタンニンの渋さのない白ワインのようです。食前酒やフルーツのサラダにあわせても美味しいお酒です。


⑤新緑の上善如水 純米(白瀧酒造/新潟)

画像5

端麗辛口が多い新潟のお酒の中でも特に淡麗。文字通り水のようなすっきりした飲み口が特徴のシリーズの中でも春限定のキウイフルーツ酵母でつくったお酒。スッキリな飲み口はそのままでキウイフルーツの甘みと酸味が加わった低アルコール酒(約8%)。お刺身と一緒に飲むときにはキウイでなく通常の上善如水のような甘さ控えた香りのシンプルなシリーズがおすすめです。



2)『これぞ越後の酒』辛口の日本酒

新潟の日本酒が作ったといわれる日本酒の「端麗辛口」ブーム。そもそも日本酒の「辛口」というのは?といった話ですが、日本酒のラベルに「日本酒度」とあります。これはお酒の中の糖度の量を示していて糖分が多ければ"ー(マイナス)"、少なければ"+(プラス)"となっていて辛口・甘口の基準となっています。英語にすると「甘口=SWEET」、「辛口=DRY」となるので英語にした方が雰囲気はわかりやすいかもしれません。それに日本酒は香りや酸味、苦味などのいろいろな味が絡み合っているので「辛口」と記載があっても甘く感じるものがあります。そこで、今回は飲んだ後のキレがあるものの5選としました。キレといっても昔ながらの日本酒の酸でキレるものもあれば、ビールのような苦味でのキレ、テキーラなどのアルコール度数が高く構内がカラッと乾くドライ感など様々なものがあります。辛口はあまり飲みませんでしたが、その中でも様々なキレのある日本酒5選いってみましょう。


①高千代 純米酒 新潟県内限定流通品(高千代酒造/新潟)

画像6

県内の酒屋さんでしか買うことができない高千代シリーズの新潟県内限定流通品。純米酒だけあり、お米の旨さをしっかり感じさせながらも酸でスッキリとしたキレがあるお酒。お燗であたたかくすることでより炊いたお米の様な美味しさを感じられる。新潟らしいお酒です。ちなみに高千代さんには辛口にこだわらない甘さや旨さのある"たかちよ"シリーズ、お米の違いを楽しめる英語の"Takachiyo"シリーズもあります。


②じゃんげ 蛇薔薇 超辛口純米生原酒(河忠酒造/新潟)

画像7

『超辛口』の文字と輝くピンク色の文字が特徴的なこちらは火入れ・加水のない生原酒。お米のおいしさを感じさせつつもアッという間にいなくなるキレッキレのお酒。特徴としては生原酒ならではの口に含んだ時の香りで、甘口好きの自分も一晩で3合(約540ml)あけてしまったほどのお酒です。


③鄙願 時分の花(酒 ほしの/新潟)

画像8

その酒屋さんでの購入か一部の飲食店でしか飲めないお酒。酒屋さんが"和食に合う究極の食中酒"を作りたいとのことで大洋酒造さんと作り上げたプライベートブランド酒でまさに"端麗辛口"。日本酒の旨味を感じさせながらもスイスイと飲めてしまうような飲み口。口に入れた瞬間の"美味しい"を認識したと思ったら風の様にふわっと消えていきます。初心者向けのお酒でもありだな…とも思ったのですが、酒屋さんがこのお酒に秘めたる思いを考慮してこちらで紹介させていただきました(笑


④じょっぱり(六花酒造/青森)

画像9

旨口のお酒が多い中での端麗辛口らしく、キレがしっかりとあるものの芯にお米のふんわりとした香りと味があるお酒。醸造アルコールを添加しているので純米とはまた違うキレと香りが楽しめるお酒です。昔ながらの旨さとキレを求める方にはお勧めしたいお酒です。


⑤夢 純米(市島酒造/新潟)

画像10

吟醸つくりではなく、おとなしめの香りとスッキリした後味の辛口酒。お米の旨味も強く主張するのではなく、食事をひきたてるためにほんのりとアミノ酸を感じる旨さ。キレイな酸も持ちあわせているので、どんなシーンにも合う万能なイメージでがあります。



3)『え?これが日本酒?』な濃厚甘口日本酒

先ほどの辛口でお話ししました通り、日本酒度という糖分の多さで辛口・甘口が変わります。一般的な日本酒が「-1.4〜+1.4」であるのに対して中には日本酒度:ー60 といった超甘口の日本酒もあります。サッパリしたお刺身ではなく、シェリー酒ソースのハンバーグなんかともあわせられる芯の強さを持った甘口日本酒。その中でもひとくせもふたくせもある濃厚甘口な日本酒を5つ紹介したいと思います。


①極上の甘口(大関株式会社/兵庫)

画像11

『酒は大関』や青いラベルのワンカップで誰もが知る大関株式会社。ワンカップのような昔ながらの辛口のイメージがありますが、日本酒度:-50という甘口酒です。甘口のお酒を造る手法のひとつとして麹米の量を多くすることで甘みのあるしっかりした味を出せるのですが、後味に酸味をきかせることでしつこくないサッパリした印象もあるお酒です。


②仙禽 オーガニック・ナチュール W:kijoshu(せんきん株式会社/栃木)

画像12

貴醸酒というのは仕込みのさいに一部でお酒を使うことで糖分を多くのこした甘いお酒。それを化学肥料を使わない有機農法(オーガニック)でつくった無農薬米と人工的な添加物を一切使用しないで木桶で仕込んだ昔ながらの方法で作ったお酒。トロリとした濃厚な甘みがありながらも酸味があり飲み飽きないお酒。水を足してあっためても薄まらないじっかりした甘さがおいしいお酒です。


③男山 復古酒(男山酒造/北海道)

画像13

全国に数ある『男山』ブランドの中でも正統継承者の男山酒造。(そのストーリーはこちらから)端麗辛口のお酒を多く作るこちらの蔵でつくる甘口の復古酒とは多めの麹米と少なめの水で仕込んだお酒で約350年前の古文書にのっていた製法でつくったお酒。通常の1.3倍ほどの麹をつかったどっしりとした甘さの後にくる渋みでスっと切れる印象で、バニラアイスなどとあわせても美味しいお酒でした。


④研究醸造 酒米×麹歩合(土田酒造/群馬)

画像14

『酒米別でを異なる麹歩合でつくるとどんな味の違いが出るのか?』そんな実験みたいな日本酒がこちら。5種類の酒米を20%と40%の麹歩合でつくった10種類飲み比べ酒。その中でもどっしりとしたお米の味の出る"雄町"と甘みが出やすい"愛山"の40%歩合のものが濃厚甘口でした。甘さだけでなく渋みが出てきて洋食はもちろん照り焼きのチャーシューのような脂感と甘さに対しても包容力のある美味しさがありました。


⑤ホボホボゼンコウジキモト(阿部酒造/新潟)

画像15

これまで紹介してきたお酒の様に麹歩合を高くすることでお米の旨味を抽出したお酒ですが、その割合なんと96%。新酒とは思えないような黄色でトロッとしたお酒を口に含むと濃厚な甘さとともに酸味や渋みなどの味が複雑に押し寄せてきます。お米と麹だけでこんなにも複雑な味が出せるのかと感心してしまうほどです。



4)進化のとまらない変わり種日本酒

日本酒はいまや「SAKE」として海外でも楽しまれています。日本発祥の寿司もアメリカでカリフォルニアロールが生まれたように、海外に出たことで国内外の人が注目し、様々な工夫の凝らされた日本酒が生まれています。

そもそもの日本酒の基準ですが、国税庁が定める基準では

・米、米こうじ、水及び清酒かすその他政令で定める物品を原料として発酵させて、こしたもの
・清酒に清酒かすを加えて、こしたもの

上記の条件を満たしていてアルコール度数22度以下のものを「清酒」といいます。この枠の中で甘さや酸味などに特化したおさけ、また「合成清酒」「その他の醸造酒」に分類されるもののでも日本酒の作り方をベースに新たな扉を開こうと様々なお酒が生み出されています。そんなお酒の中からクセの強くておもしろいお酒たちを5つ紹介していきます。

①ORBIA SOL(WAKAZE/山形)写真右

画像16

ウイスキーやワインは樽で寝かせることで樽の香りをお酒にまとわせます。それを日本酒で再現したのがこのお酒。強い酸味が特徴のお酒を赤ワインをいれていたオーク樽で寝かせて香りをまとわせたお酒。飲んだ瞬間に酸味を感じるものの赤ワインの渋い香りなどがすっと鼻から抜けていく複雑みのあるお酒でした。単品よりは赤みのステーキなどと合わせるとよいかも。


②長珍 純米吟醸 生生熟成5055(長珍酒造/愛知)

画像17

一般的にお燗するお酒は火入れした純米酒です。何故なら生酒は熟成させると"生ひね香"というよくない香りがするからです。しかし、そんな生酒をあえて長期熟成させたお酒。完全に好みがわかれるクセの強さと熟成酒ならではの丸みを帯びた旨味。タブーに触れながら美味しさを追い求めたクセあるお酒でした。


③59Takachiyo 赤色酵母仕込み(高千代酒造/新潟)写真右

画像18

なんといっても特徴はその色。赤いお酒は色付きの古代米で作るか、酵母の力によるものかの2通りあるのですが、これは赤色清酒酵母というお酒が赤く(桃色)なる酵母で作られたお酒。お米の白さとあいまって綺麗なピンク色をしたお酒はふうわりとアセロラの様な香りがする甘酸っぱい味。甘さだけでなく酸味がありますし、赤色酵母の特徴でもあるアルコール度数が低めの10%ととても飲みやすいお酒です。


④sanQ 舞美人 山廃純米 無濾過生原酒( 美川酒造/福井)

画像19

酸っっっっっ………っぱい!!!でもそれが魅力のお酒です。レモンやライムといった果実よりは奥に甘みを感じる酸味があり、飲み終えたあとにはお米由来の旨味とコクの残る不思議なお酒。クエン酸サワーの様な強い酸味が甘さをより引き立てます。とにかく酸っぱいので好き嫌いが分かれるところですが、見つけたら一度試してみる価値のある面白いお酒だと思います。


⑤FONIA tea ORIENTAL(WAKAZE/山形)

画像20

WAKAZEの実験的なお酒シリーズ"FORNIA tea"。これはお酒を発酵させるときに茶葉も一緒に入れてつくったお酒。上の説明の通り茶葉を入れているので"清酒"にはならないもののジャスミン茶などを一緒に発酵させることで、華やかな香りをまとったお酒になります。飲んだ感想は『……?』でした。思っていた日本酒とも違うし、アルコール入りのすごくドライなレモンティーの様な…ってうまく言い表せない(笑 たこ焼きを食べながらの開栓だったのでよりそういった印象でしたが、脂感のあるジューシーな食事と一緒であれば、素敵な食中酒になるな…と思った一杯です。




…っと以上、独断と偏見による4つのカテゴリー別のお酒紹介でした。

勿論、『アレがない』『ソレは違う』などいろんな意見もあると思います。忘備録としてまとめつつ、日本酒に興味のある人に読んでもらえたら…そして、もっと詳しい人たちからいろんなオススメを聞けたら面白いなって思っています。

なので、オススメや意見などあったらぜひコメントしてもらえたらありがたいです。こんな長い長文におつきいただきありがとうございます。良い、お酒ライフを。


サポートいただいた資金は、ラーメンや日本酒を介して僕の血肉となり、記事という形で還元させていただきたいと思います。🍜🍶