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〈家香〉でホームフレグランスの調香体験をしてきた!

8月3日(火)

楽しみな予定のある日はちゃんと起きられる。foufouのVネックギャザーワンピースを着て出かける。蔵前駅そばのen cafeに入り、パン屋ペリカンの餡バタートーストとコーヒーを注文して席に着く。


店の入り口のガラス戸のほうを見るともなく見ていたら、視界に鮮やかな〈夏〉が現れた。foufouの真っ赤なワンピース「夏をドラマチックに纏う方法(通称:夏ドラ)」を着て麦藁帽子をかぶった、友人なこったーだった。見ているこっちまで楽しくなって踊り出したくなってしまうような、日差しも熱気もすべて味方につけるような赤だ。本当によく似合っていてかわいい。実物を見たくて仕方なかったので、着てきてくれてうれしい。私もfoufouの夏服をいろいろ見せたかったので、私が何人もいればあれもこれも着てこられたのに、という気持ち。

今日は蔵前に新しくできたOSAJIプロデュースの店舗〈家香〉に行くのだ。店の名の通り、自分だけの家の香り=ホームフレグランスを調香するワークショップがあり、それに二人で申し込んでいた。enでのんびり朝カフェしてから、予約の11時に間に合うように〈家香〉に向かう。

〈家香〉に着くと、お店の中がすでにいいにおい。店舗奥のワークショップスペースに案内される。予約は最大3人までなので椅子が三つ。着席すると、広いテーブルの上に試香紙の入った華奢な試験管が12本用意されていた。トップノート、トップミドルノート、ミドルベースノート、ベースノート、4つのグループにそれぞれ香りが3種類ずつ。3種類の香りの中から一つ気に入ったものを選ぶ作業を合計4回繰り返して、ベースとなる香りを決めていく。説明を担当してくれたスタッフの方が、「配合する比率によってまったく香りが変わってくるので、この時点ではもう直感で」と言っていた。

↑用意された12種類の香り。

右隣のなこったーと何も話し合わずにそれぞれ香りを選んだのに、二人が選んだ4つの香りが全部同じ番号だったのでとても驚いた。左隣の知らない人は全然違う香りを選んでいたので、それも驚いた。その後なこったーは一つ香りを変更していたので、四分の三のシンクロ率になった。

使う香りを決定すると、酒器のようなグラスと、自分が選んだ4種の香りのエッセンシャルオイルの容器が用意される。まずは四種類のオイルを一滴ずつグラスに垂らして、1:1:1:1の比率で入れたときの香りをたしかめる。その上で自分の好きな香りをさらに1滴ずつ足していき(最大5滴まで)、自分の好みのオリジナルの香りを調香していくのだ。

↑真剣な私。

私はあまり鼻がよくなくて、好みの香りを言語化することもできないので、スタッフの方に相談したりせず、とにかく、4種類の中で特に好きだと思ったトップとベースの香りを一滴ずつ足していった。におい音痴で普段は香水の細かい違いもよくわからないのだが、本当に、この調香では、何かを1滴追加するだけで香りの表情が全く変わるのがよくわかった。人生で一番嗅覚を働かせたと思う。

時々用意されたコーヒー豆の香りをかいで嗅覚をリセットしながら進めたのだけれど、それでも何がなんだか途中でよくわからなくなって「みんな違ってみんないい!!」「全部なんか違う気がする!!」と投げ出しかけたりもした(そういうときは席を立ったり店の外に出て気分転換したりもできる)。
途中で、この香りじゃない!と思ったら新しくグラスをもらってやり直すこともできる。いくつかグラスを手元に置いて、香りの違いを確かめながら進めるとやりやすいと思う。

何かのオイルを入れて苦手な香りになってしまったとしても、さらに何滴か同じオイルを足していくと、不思議としっくりくる香こともあるとのこと。香り同士がぶつかりあった後に調和する、という説明を聞いて、人間関係と同じじゃ〜んという気になった。

比率を決めてカードに記入して渡す。三十分ほどで、調香したフレグランスが完成するというので、店舗の中でOSAJIのネイルポリッシュなどを見ながら待った。「この色とこの色を組み合わせるとかわいいよね」「この組み合わせも良さそう」という話をひたすらしながら、さっきの調香体験と似たような実験を、私たち普段から服やメイクや爪でやっているんだなと思う。なるほど、だからめちゃくちゃ楽しかったんだな!

フレグランスの完成品を受け取って店を出る。ちなみにお値段はワークショップ+オイルだけだと4000円。そこにフレグランススプレー追加すると6000円。私たちはスプレーも付けてもらった。

ランチは、魯肉飯と豆花が食べられるカフェに行こうと思っていたのだけれど夏期休業でほんとうに残念。浅草橋駅近くの開店したばかりらしいイタリアンレストランに入った。私はサラダランチにした。葉っぱをもりもり食べた。なんか先週もメイコとカフェに入ってもりもり葉っぱを食べた気がするな。


その後さらにカフェに移動する。これまでの二軒でホットコーヒー→アイスティーを飲んだので、私は豆乳ラテを頼んだ。
お互いが調香したフレグランスを交換して、香りをためしてみる。原材料は四分の三同じはずなのに、香りの印象がまったく異なっていて驚く。肉じゃがとカレーくらい違う!!(もちろんどっちがどうということではない)
スタッフの方が「できあがる香りは何百通り」と言っていたのにも納得。そこにはその人の好みやそのときの体調や気分も反映されるだろうし、本当に、自分が作った香りと出会えたのが奇跡というか、本当に一期一会というかんじがして愛おしさが増す。
正直、調香っていっても元になる香りは12種類しかないのか、とちょっと思ったりもしていたのだけれど、仮に用意された香りがもっと多かったら4種類選ぶ時点で香り迷子になって、「みんな違ってみんないい!!」と叫びながら目をつぶってランダムに4種類選んで目をつぶって適当に何滴かずつ垂らす、みたいなことになりかねなかったと思うので、ちゃんと自力で自分のお気に入りの香りにたどりつけて本当によかった。用意された香りの種類だけでなくワークショップの時間設定や店員さんのアドバイスなども的確だったのだと思う。

なこったーと別れて帰宅して、早速フレグランススプレーを使ってみる。オイルよりも優しくさりげなく香る。そして、時間の経過と共にいろんな要素が顔を出したり逆に存在感が薄くなったりしていくのがちゃんとわかる。
これまで私は香水を買うと、試香したときは好きだと思ったのに使ってみたら何か違う、とか時間が経つと好きな香りでなくなってしまう、ということが多々あった。けれど、このフレグランスは元になる香りも配合比率も全部自分が「好き」と思って選んでいるし、時間ごとの香りの変化も自分でわかっているから、時間が経っても「なんか違う」と思う瞬間が一切なくて、ずっとうっとりした気持ちでいられた。
うちは冷房をつけていなくて窓全開扇風機フル稼働で、スプレータイプだと香りがはやく飛んでしまっている気がしたけれど、それでも薬局に行くために外出してまた部屋に入ったら、ちゃんとベースノートが感じられて幸せだった。愛〜!

このワークショップ、自分の香りの好みがしっかりわかっている人はもちろん楽しいだろうけれど、私のようにどちらかというとにおい音痴な人もめちゃくちゃ楽しめるし、嗅覚の使い方やそれぞれの香りの特徴がわかるし香りとの向き合い方が変わるので、とてもおすすめです。またあの体験をしてみたい気持ちと今回つくった香りを大切に使い続けたい気持ちとどちらもある。とりあえず、間接照明にもなるアロマディフューザーを探して、新居でこの香りを炊きつつ読書するのがとても楽しみだ。

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いい香りに包まれて読みたい本、と考えて山内マリコ『パリ行ったことないの』を読み、読み終わって寝た。

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