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-手仕事のある映画-『バベットの晩餐会』


1987年 デンマーク制作
監督 ガブリエル・アクセル
脚本 ガブリエル・アクセル
原作 アイザック・ディネーセン

これまで見た中で印象的だった手仕事のシーンが出てくる作品を紹介したいと思います。

手仕事といえば、編み物・刺しゅう・レース編み、カゴ編みなどなど… 今では、生活のため、というより嗜好品、趣味として広まっている部分が大きいと思いますが、生活の一部として営まれていた時代もあり、当時がどんな様子だったのか知りたいと思ったときに、役に立つのが映画や小説、テレビ番組になると思います。

「バベットの晩餐会」という映画(原作は小説)は、19世紀のデンマーク、ユトランド半島の海沿いの村が舞台の話で、多くの村人が貧しい生活をしており、食事も質素で、恐らく生活で必要なものは手作りして静かに暮らしていることが伺えます。
話の主題はタイトルにもあるように「食」ですが、その中でも日常の風景の中で自然な雰囲気で主人公のおばあさんが編み物をしている姿が印象的でした。

さすが編み物大国デンマーク制作映画ということもあり、身に着けているニットのショールも、当時はこんな洋服に合わせて着ていたんだ、やっぱり雰囲気が合ってるなぁ と思いながら見入っていました。

<あらすじ>
19世紀後半、デンマークにある海辺の小さな村に、牧師と彼の娘たちマーチーネとフィリパが暮していた。ある日のこと、たまたま村に滞在することになったスウェーデン軍人のローレンスが、姉のマーチーネを見初める。しかし現在の恋よりも自らの将来を選んだ彼は、身を引いてしまう。次いでフランスの有名な歌手パパンが休養の為にこの村を訪れ、フィリパに恋をする。パパンはフィリパに接近するが、彼女は戸惑い、パパンと会うのを止めてしまう。
そして月日が流れ、父親が亡き今も二人は夫を持たず、村人の世話をしたり信者たちの集いを催したりしながら慎ましく生活を送ってきた。そこにかつてフィリパに恋したパパンの書いた手紙を携え、フランス人女性バベットが現れる。 やがてこのバベットが姉妹を、そして村の人々の心と体を温かく包み込むことになる……

ストーリーは物語を聞いているような、淡々としたテンポで進んでいきますが、終盤はなかなか見ごたえのある展開に変わっていきます。

また、哲学的で人生について考えさせられるような面もあり、何回か見てやっと意味が分かってくる、といった類の映画でもあると思います。

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